「あ~ぁ・・・深司の奴どこ行ったんだろ・・」








不動峰2年の神尾は、一人ひたすら森を歩いていた
今は・・1回目の放送が流れた後だから、昼の3時頃だろう
















「ったく・・せっかく人が探してやってんのによ~」



神尾は自分なりに、光を見つけだそうと頑張っていた
伊武だけじゃない。このゲームにのっていない人全員・・・
殺さずにすんだらな。神尾はそう思っていた







































「・・・誰がのっていて・・誰がのってないなんか・・わかんねぇよな・・」







































少しだけ、太陽の光が神尾を照らした







「眩し・・けど・・そんなのんきなことも言ってらんね~んだよな
・・武器はこれだから・・まだいいけど」































神尾の武器は『ワルサP38口径』だった。当たり武器の一つだ『トカレフ』






もしものために、いつでも引き金をひける状態で手に握っている























「もしもの時は・・な」































俺は・・できることなら人を殺したくない





























































だが・・・そんな神尾の優しさの気持ちもはかなく





















光は一気に闇へと消えた

































































神尾は、森の中の一本道を歩いていた。こんな所で狙われたら

それこそ終わりだ・・神尾はよりいっそう警戒をしながら歩いた


























数分たった頃だろうか


























「クソッ・・せっかく一本道から抜けたと思ったら・・
こんな人気のねぇ民家かよ・・薄気味悪ぃ・・」


























神尾は一つ一つ家を除いて行った。
中には、さっきまで人がいたような家もあった。


















「包帯に・・はさみに・・血か?これ・・
・・・・まだ新しい・・誰かいたのか?」



































誰かというのも気になったが、今はそれどころじゃない


























「深司・・探さなくちゃな」
































しばらく歩いて行くと、鉄臭い道に出た。






「工場・・か・・」





かすかに、工場の屋根が見えた









神尾は大きな工場の前に出た。暑さのせいで多少目がかすんだが
確かに・・『そこ』には誰かが横たわっている













髪は・・長めの濃い青・・それに黒い・・ユニフォーム・・・












































俺ハ一瞬ダケ
頭ガ真っ白ニナッタ・・



































「し・・んじ・・深司ーーー!!!!」


























走った


























大好きな・・チームメイトの所まで・・
大好きな相棒の所まで・・・
敵に見つかるとか・・そんなの全然考えずに・・ただ

走った


























神尾の目の前に横たわっているのは、間違いなく伊武だった


その姿は、腹の真中に穴があいていて、なんともおぞましかった
口から血も出ている。他にも腕や足に撃たれた跡があった























「し・・んじ・・?嘘・・だろ?深司!!!」




目から涙が出た
昨日まで一緒にいた大切な仲間が・・
今はどうだ・・?血は出て・・腹に穴が空いていて・・



















現実ト思イタクナカッタ・・・































「じ・・深司っ・・・」

















神尾の涙が、伊武の口元に当たったその瞬間だった























「・・・・っぱいな・・・何これ・・・な・・みだ・・?」




























「深司・・・?深司!!」





「うるさいよアキラ・・・傷にひびく・・っゲホゴホ!!」



こんな状態で助かる確率は0に近い。神尾も、そして伊武も
そんなことは最初からわかっていた





伊武は、動くこともやっとのはずなのに、自分の手を
神尾の頬に触れさせた













「深司・・・?」



「あ~・・このままでいい・・黙って死ぬより楽・・」




「深司・・・?何言って・・」







諦メチャ・・何モエラレナイ














「アキラだって・・わかってるでしょ・・だったら、少しでも
長くアキラに生きていられる・・とっておき・・教えて
ゴホッ!!おこうとお・・思って・・・」




「とって・・おき?」





























「・・山吹の奴・・は危険・・でも・・青学の・・」





























・・・・・・・は・・たよれるか・・ら・・









「・・・わかったぜ深司」







































今まで・・ありがとう・・アキラ







































「・・・安らかに眠れよ・・深司」




涙の気配はなかった。なぜかといえば・・
























「お前・・本当に幸せそうな顔・・だな」



















あいつは・・『さよなら』ではなく『ありがとう』といった

だから・・俺も・・『涙』ではなく・・









「ありがとう・・深司」


































お前の命・・無駄にはしない



















伊武深司(死亡)
生存者残り11人


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