風に恋して ~自由人への応援歌~

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旅 「イスラエル」編 1章



  平成8年2月18日、目的も無く、その歴史も文化もほとんど何も知らない未知の国、イスラエルに私は旅立とうとしている。聖書を読んだ事も無ければ、興味も無く、神も仏も一切関係無い人生を、それまで過ごしていた。
  強いて言えば、35才の頃、開発発売した顔痩せシリーズの化粧品「タカコ・フェイス・スリム・セット」が爆発的に売れに売れ(サロンはてんてこ舞いで、キャンセル待ちの客からの電話応対に追われる状況であった)、台湾からその引き合いがきた。技術指導のため台湾を訪れた時、その地の代理店より、真っ黒のクリームを、「とても優れている」との事で預かりました。それが、死海の泥を原料として作られたもので、それ以来、生物が生息できない海、「死海」に興味を持ちつづけていました。
  記憶は定かでないが、41~42歳の頃、タラソテラピー化粧品の輸入元・株式会社ヒヨキの日下部喜代子会長(当時は社長)と仲良くなり、ご夫妻と一緒にゴルフを楽しんでいた時(沼津にあるゴルフ場だったと思う)、私は死海に興味があり、特に、塩と泥を使ったものを手に入れたいと思っている事を口にしたところ、「本当にやる気あるの?実は、イスラエル政府公認AHAVA化粧品の輸入権を持っているの。随分前に手に入れたのだけれど、誰もやってくれないから、そのままになっているのよ。本当にやってくれるのなら動かすけど。ただ、原料が塩と泥だから防腐剤や、何やかんやで日本の許可をとるのが大変なのよ。輸入申請して許可がおりるのに、数年はかかると思うけれど、それでもやる? 浜口さんがやるというのなら、ヒヨキとして、本腰入れて輸入手続するわよ。」そして、輸入許可がおりて製品が入ってきた頃、私のビジネスは嵐の中に入り始めていました。
  結局、充分なケアも出来ないまま、私は、ビジネスから身を引き、AHAVA製品の流れを見守り続けることしか出来なくなりましたが、それでも死海への想いは消える事なく、ずっと胸の内でくすぶり続けていました。
  平成7年10月、夫が亡くなって、その時、お世話になった21世紀創生会の津留晃一氏に感謝の気持ちを伝える為、九段下の事務所を訪れた時、「浜口さん、是非、ブリージングを体験しなさい。」の言葉で、魚住和子さんのブリージングに一回出席したが、過呼吸が苦しくて、気管支の弱い私は、途中でギブアップ。魚住さんとは、個人的な会話を交わす事なく別れたのだが、2週間後だったろうか、魚住さんより電話が入り、「出雲大社へ一緒にいきませんか?」のお誘い。心では「なぜ?」との気持ちがあるのに、「ええ、いいですよ。」と反射的に答えてしまっていた。近藤宏次朗氏がツアーリーダーのこの旅が、私にとって初めての、波動を感じる霊性への旅であったようだが、もちろん当時の私には、彼らの奇妙な行動の意味がわかる筈もなく、ただ邪魔にならない様おとなしくしていた。
  旅も終り、解散の場所で時間待ちをしている時、近藤氏が話しかけてこられた。「地球を浄化するためには、まず、日本とユダヤとの和合が必要なんですが、浜口さん、日本とユダヤの和合はあなたのお役になっていますね。」「???」この時、答えるべき言葉が無くて、そのまま別れてしまったが、近藤氏のこの時の言葉が私を動かしたのだろうか。誰かに催眠術でもかけられているかのように、私は、一人、何のあてもなく、今、旅立とうとしている。


平成8年2月18日

  昨日来の大雪。朝6時には成田へ向けて出発しなければならないというのに、積雪の為、玄関のドアは開かないし(こんな事は、東京に住んで初めての事!)、迎えの人達も、連絡が無い。念のため、成田まで送ってもらう人を二人確保してあった。UFO氏からは、昨夜12時頃と今朝3時の2回電話が入り「大丈夫。絶対に時間までにはそちらへ着くから。」と伝えてきたが、その後、連絡はない。昌美嬢は、朝5時過ぎ、したたかに酔って帰ってきて、ベッドに倒れこんだまま、眠り続けている。声をかけても返事はない。まるで誰かに邪魔されているような感じ。「イクナ、イクナ。アキラメナサイ。ソノホウガ、ラクダヨ。」の声。でも、私は行く。なぜだか、自分でもわからないけど、この旅で何かが起りそうな予感。「わかったわよ。一人で行きなさいということですよね!」と声に出し、自分に弾みをつける。階段の雪かきからこの旅はスタートした。
  午前3時頃から受け続けている第6チャクラへの刺激は、一向におさまらない。1週間前、初めてのイスラエルへの旅の参考になればと思い、イスラエル観光局から借りてきた観光ビデオを見たときから、私の身体は異様な反応を起こし続けている。イスラエルについては、複雑な国というだけで、その歴史も、文化も知らず、まして、聖書については、読んだ事も、手に持った事も無い。そんな無知さゆえに、借りてきたビデオを娘と一緒に見ていた時、何かが始まった。マサダの砦(その歴史的意味を私は知らない。)を紹介している数秒間の映像が目に入った時、突然、涙が溢れてきて、「ワタシハ、ココデ、タタカッテ、シンダ・…。」誰が言わせたのか、勝手に私の口から飛びだした言葉に、娘がびっくりして私を見つめている。その場にいた娘の友人も、声にならない驚きの顔で、やはり私を見つめている。でも、本人が一番驚いている。
  この時から私は、独特な重い波動に包まれている。その日、UFO氏から「浜ちゃん、イスラエルを呼んじゃったね。旅は今日から始まったようだね。頭重いだろう。」と言われたけれど、その通りで、その時以来、重い波動は一向に消えてくれない。消えないどころか、今朝からは、額の中心に、穴が開いた感じになっている。「大丈夫よ。ママは守られている。アクエリアスがママについて行くって言っているわよ。死海がどんどん汚れてきて悲しんでいる。ママが死海に行って、その身体を浮かべてくればいいのよ。そうすれば、死海が浄められるのよ。何も心配はしないで行ってらっしゃい。ママを助けてくれる人が、旅の間中現われるわ。」と昌美嬢に励まされ、UFO氏からは「浜ちゃん、大丈夫だよ。モーセをつけたから、安心して行っておいで。」「浜ちゃんは、吸いすぎる体質だから身代わりとして、この数珠を持っていきなさい。眠る時以外は、ずっとこの数珠をつけていること。そして、浜ちゃんが波動を感じたところがあれば、良い波動でも、悪い波動でもいいから、ともかく波動を感じたら、そこにこの御礼を埋めてきてよ。33枚作っておいたからね。」「波動を感じた時、瞑想して、太陽に大日如来をイメージして、光明浄化。月に千手観音。または、不動明王をイメージして、因縁消滅。緑の地球をイメージして波動浄化。の言葉を繰り返し唱えなさい。」と頼りにしていいんだか、訳のわからないアドバイスを受ける。
  箱崎エアーシティターミナルまでタクシー、ついで、リムジンで成田へ。常なら、どんな時でも浩さんが送ってくれた筈なのに、あの優しい顔は今は無い。そう、あなたはいない。でも、大丈夫。浩さんは私の傍らについてきている。私の心に入っている。そうよね、浩さん。「しっかりついてきてね。」と、自分を励まし、1時間半遅れのエアーフランスに乗り込む。目的がある様で無く、無いようで在りそうな奇妙なイスラエルへの一人旅がこうして始まった。何のために、どこへ行こうとしているのか、今、答えてくれる人はいない。深い霧の中へ入ったばかりで、何も見えない。なぜ、私は旅立ったのだろう。


To be continued



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