猫まんなのもこもこ手紡ぎワールド

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ハンガリー料理2種

ハンガリー料理

ハンガリーは東ヨーロッパの真ん中に位置していながら、スラブ人国家ではあり ません。今でこそ外見はすっかりヨーロッパ人ですが、実はアジア系です。ハンガリー人はマジャー ル人といって、国名も本当はマジャールオルサーグ(Magyarorszag)といいます。マジャール国とい う意味だそうです。
英語、ドイツ語フランス語など、ヨーロッパの言語を数か国語あやつる人ならば、どこの国にいっ ても大概の言葉は見当がつきますが、ハンガリーだけはだめ。皆目分からないそうです。でも水がヴ ィズ、塩がショーと聞いてあれっと思いませんか。ハンガリー語は中国語などよりもうんと日本語に 近いウラルアルタイ語系なのです。他にも「てにをは」があったり、いろいろと文法的な共通点も多 いようです。たとえば住所の表記は日本語と西洋諸語では順序が逆ですが、ハンガリー語は日本語と 同じ順序。人の名前も名字が先です。
このレシピはハンガリーの首都、ブダペストの出身のノヴァキ・ガブリエラさん(Novaky Gabriella) に典型的な家庭料理を、とお願いして教えていただきました。おしゃべりをしながらこ ろころちいさな自家製パスタやきれいなクレープが、ガブリエラさんの指先から魔法のように次々と 並びました。ここで紹介したクレープは、 ウィーンのお菓子 のところでちょっと紹介したパラチンケンの本家といったと ころです。しっとりとしていてデザートにぴったりです。
グーヤッシュ Gulyas

グーヤッシュとノケッドリ

ハンガリーの代表的な煮込み料理、グーラッシュのことです。日本でも知られていますが、本物のグ ーヤッシュはとてもシンプル。よけいなものは入れずに、材料の本来の風味を味わってください。パ プリカはなるべく新鮮なもので、色が鮮やかで香りの高いものを使ってください。煮込んでいるとき に、なんとも言えない香が立ってきます。

【材料】
シチュー用牛肉 600g 2cm角に切る
サラダオイル 大さじ2-3
タマネギ 中2個(500gくらい)みじん切り
パプリカ 大さじ3-4
塩 小さじ2
トマト 2-3個 湯むきする
ピーマン(緑) 大2個
月桂樹の葉 1枚

【作り方】
1. 厚手の鍋にサラダオイルを熱し、みじん切りのタマネギを加えて透明になるまでやや弱火でいた める。こげ色がつかないように気をつける。20分か30分かかるので、その間にほかの材料の準備をす る。
2. 肉は一口大より小さ目に切る。繊維に直角に切ると食べやすい。トマトは熱湯に30秒くらい浸す か、電子レンジで1分加熱して、皮をむく。缶詰のものを使ってもよい。ピーマンは香り付けに使う だけで、あとで取り出すので大き目に切っておく。
3. タマネギが飴色になったら、いったん火からおろしてパプリカを加え、よく混ぜる。火にかけた ままだと苦みが出る。
4. 肉を加えてさらに混ぜ、中火にかける。肉の色が変わったら、トマトとピーマンを加え、月桂樹 の葉と塩を入れる。好みで胡椒をいれてもよい。
5. ぐつぐつと煮えてきたら、弱火にして1時間から1時間半、ゆっくりと煮込む。最初は野菜からで る水分だけで煮て、あとで時々様子を見ながら、こげつかないように少しずつ水を足す。
6. 肉が柔らかくなり、水分が少し残っているくらいで火を止める。ピーマンと月桂樹の葉は取り除 いておく。(ただしピーマンは食べられるので、好みでそのままにしておいてもよい。)

ノケッドリ Nokedli
グーヤッシュにぴったりのパスタです。普通のマカロニを使ってもよいのですが、もちもちとした感 じは独特のもの。日本人の口に合うと思いますのでぜひ作ってみてください。グーヤッシュを煮込ん でいる間に作ります。

【材料】
小麦粉 500g
卵 Lサイズ 3個
塩 小さじ1杯半
水 カップ1杯半(375ml)

【道具】穴あきプレート
直径1cmくらいの穴があいた平たい鉄板を使います。調理用品店で手に入りますが、プラスチッ クの野菜スライサーの大根おろし用のもの(穴があいている)があれば、ぎざぎざのない面を上にし て使ってもよいでしょう。無ければ皿か小さなまな板とへらを使います。

【作り方】
1. 大き目のボールに粉を入れ、卵を割り入れ。塩を加える。
2. 混ぜながら水を少しずつ加え、固めの生地を作る。水分が多いほどやわらかいパスタができるの で、好みで加減する。基本的にはつきたてのお餅よりも少しやわらかいくらい。平らなところ(しゃ もじの上など)に置いて、流れ出すようではやわらかすぎ。
3. 大きな鍋にお湯をたっぷり沸かす。塩を一つまみいれてもよい。すぐに食べないときは、ノケッ ドリがくっつかないように、お湯のなかにサラダオイルを少したらすとよい。
4. 穴あきプレートを鍋の上にわたし、たねを少しずつのせてへらでこするようにしてお湯のなかに 少しずつ落ちるようにする。すぐに火がとおるので、水面一杯になるたびに網か穴杓子ですくい、冷 水をかけて器に取る。冷水をかけるのは茹だりすぎを防ぐためなので、さっとかければよい。すぐに 食べるときは、水をかけずに各自の皿にのせても。
穴あきプレートが無い場合は、皿かまな板の上にたねを少量のせて、へらかナイフでお湯の中に 少しずつこそげ落とす。

ノケッドリを温め直して皿に盛り、その上にグーヤッシュをのせて供します。

パラチンタ Palacsinta

パラチンタ

クレープなので、薄く焼くに超したことはないのですが、フランス風に端がパリパリにならないよう に、しっとりと焼いてください。ここではチーズのフィリングを紹介しましたが、子供にはジャムだ けをぬって巻いたもののほうがいいかもしれません。チーズがこってりしているので、紅茶やコーヒ ーなどを忘れずに添えてください。

【材料】
…クレープ…
卵 2-3個
粉 150g
牛乳 250ml
ミネラルウォーター(炭酸入り)100~150ml
塩 小さじ1
砂糖 大さじ半杯

…フィリング…
ベイカーズ・チーズ 200g
卵(黄身だけでも) 1個
砂糖 小さじ4
バニラ、レモンの皮のすりおろし、レーズン、ラム酒など好みで

【作り方】
1. クレープの材料を全部合わせてよく混ぜ、濃い目のクリームスープほどの堅さの生地を作る。ミ ネラルウォーターを入れないで、全部牛乳で代用してもよい。1時間ほどねかせておく。
2. フライパンを弱火にかけ、生地を薄く広げてクレープを焼く。この分量で直径30cmのものが、12 枚ほど焼ける。
3. ィリングの材料を全部合わせてよく混ぜる。ベイカーズ・チーズが無い場合はカッテージチーズ を裏ごししたものや、サワークリームとクリームチーズをまぜたものでもよい。ベイカーズ・チーズ はカナダではサワークリームやカッテージチーズの売り場で手に入る。
4. クレープの片面にフィリングをぬり、端からくるくると幅2cmくらいに巻いていく。このほかに、 ジャムだけを巻いたり、ココアパウダーと砂糖を混ぜて牛乳を少し加えてすり混ぜたものや、刻んだ クルミと砂糖をラム酒とあわせたものなど、好みでいろいろ試してみてください。

ナイフとフォークで食べるのが正式なのですが、手で両端をつまんでお行儀悪くたべてもかまいませ ん。食べやすい形なので、巻いてる側からみんなの手がのびてきて、フォークなど出している間もな いかも知れません。


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