猫まんなのもこもこ手紡ぎワールド

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ニオイゼラニウム

Scented Geranium ニオイゼラニウム
 学名 Pelargonium

ゼラニウムといっても、丸い葉のついたあのゼラニウムとはちがいます。これはテンジクアオイといって、独特なにおいがあり、私は子供の時は大嫌いでした。小説などで、窓辺に植えたゼラニウムの香りなどという表現に出くわすと、あんな臭いものが好きだなんて、外国の人は変わってる、と思ったものです。

しかし、おそらく小説のゼラニウムはニオイゼラニウムのことだったのでしょう。Sweet-leaved geraniumとも呼ばれるこの種類のゼラニウムは、とてもよい香り。それも花ではなく、深く切り込みの入った葉に香りがあります。種類は多く、香りによってそれぞれ学名がつけられています。

レモンの香りの葉のはPelargonium(以下P.) Minor、りんごの香りはP. odoratissimum、柏の葉はP. quercifolium、バラはP. graveolensとP. radens、ナツメグはP. fragrans、ペパーミントはP. tomentosumなど。

そしてすてきなことに、この葉は食用にできます。暖めたミルクやクリームに入れて香りを移してデザートに使ってみてください。ロールケーキを巻く時に敷き紙(巻き簾)とケーキの間に葉を並べて巻くと、香りとともにきれいな緑の葉の模様が。細かく刻んでバターに練りこんでもいいし、ペパーミントの香りのものをフィンガーボールに浮かべても爽やかです。

種類によって花の色も葉の形や大きさもまちまち。バラの香りのものは春から秋にかけて淡いピンクの花を咲かせます。葉の香りがいちばんいいのは夏のさかり。アップル・ゼラニウムはすこし垂れ下がる性質があるので、ハンギング・バスケットにいいでしょう。花は白っぽい色です。柏(オークリーフ)のものはアーモンド・ゼラニウムとも呼ばれますが、こちらは濃いピンクの花。ペパーミントのものの葉っぱはぎざぎざが少なく、明るい色をしています。

エッセンシャルオイルもあります。これはたいがいローズ種のもの。スキン・クリームなどに少し混ぜるといいでしょう。香りのついていない自然のシャンプーや石鹸にも加えることができます。夏の窓辺に飾るのは虫除けの効果もあるためで、オイルでもそれは同じ。化学薬品を避けたい赤ちゃんや敏感肌の人にも安心です。また、不安を和らげ、気分を明るくする作用もあるので、お風呂やルーム・スプレーとしてもお薦めです。

原産は南アフリカですが、最初にイギリスに持ち込まれたのが17世紀。以来さかんに改良され、ゼラニウムではなく、正式にペラルゴニウムと呼ばれることもあります。春になったら園芸種苗店で探してみてください。


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