
この作り手の事は 15 年前に飲んで この ブログにも書いたが、それ以来ずっと探して来た。 実はご本人もお会いしてワインの事も尋ねたのだがあまり良い返事は貰えなかった。もっとも彼の雇用主も同席していた場なので遠慮されていたのかもしれない。もうきっとこの人のワインに出会う事も無いと思っていたのだがひょんな事から縁が有り飲める機会が有った。端的に言うと素晴らしいワインであった。
勿論クリマから、大柄では無いものの、透明さを感じさせる軽快な赤果実、それでいて凝縮により力も感じさせる。樽のエピスは中庸でバランスも良い。そして何よりも澄んでいてピュア。同時に飲んだ S. Cathiard の AC も素晴らしかったがこちらはもう少ししなやかだ。個人的にはスタイル的にはその Cathiard とフェミナンな Coche Dury の AC の中間的に感じる。いずれにせよ、レジョナルでは間違いなく至高の 1 本だろう。こういうのを飲むと昨今はやりのナチュールは所詮仇花なのだと思える。
この作り手、 2006 年から彼の勤めるドメーヌ(敢えて名を書かないが)の全責任者の職を解かれ栽培だけの担当に降格されたと聞いた。近年のブルゴーニュブームでそのドメーヌの名声が高まる一方で個人的にはスタイルが monolithic になりつまらないと感じ、離れてしまった。彼が降格について何を考えているかは判らないが(ものすごく寡黙な方で有る)、職人肌である彼のこと、きっと自分のワインに注力されているのだろうと想像する。そしてこのワインは確かに私が最初にそのドメーヌのワインを飲んだ時の味に近いような気がして、琴線に触れた、あの時の気持ちを思い起こしてくれた。
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