蒼白の世界にて猩々緋の鎧と碧衣を纏う

蒼白の世界にて猩々緋の鎧と碧衣を纏う

Part1



風雅を戴き、音を超える者

彼の名は・・・―




今日も変わらないはずだった。


ピピピピピ・・・

「もう、朝か・・・。」

重い体を起こして、一階に。

「おはよう。」

「おはよう。」

母親との何気ないあいさつも日常。

食べる食事も変わらない。


そう、今日も変わらないはずだった。


「行ってきま~す。」

家を出て学校に向かう。

「よぉ!」

「おう!」

声をかけてきたのは二ヶ月ほど前に引っ越してきた

神崎 黎。

無論、健全な男子。話が良くあいすぐに友達になれた。

「今日って短縮授業だったよな?」

「でも、全校集会があるだろ?めんどくせー。」

明らかにだるそうな黎。

「まぁ、そんなこと言ってる間に学校ついっちまったな。」

「・・・それにしてもあれ、おかしくないか?」

俺は指をさした。

その先にあるのは紫色の石と思われる物質で出来た柱。

いつも学校の前にある。

詳しくは知らないが、俺たちが住んでいる「ガラ」という特区にあるという。

いつも見てるが、いつもと違うのは・・・

「色が濃いな、今日。」

特に何もないだろ?と付け足してくる黎。

「だと、いいんだけど、さ?」



そして、集会が始まる前の休み時間。

「俺、今日一時間目からぐっすりだった・・・。」

「あぁ、知ってる。でこに落書きしといたぞ。」

「な?!」

俺はいそいで額を触った。

「嘘だ。安心しろ。」

俺は拳を黎にぶつけたが、あっけなく片手で止められた。

「・・・テメー、ぶん殴るぞ?」

「もう殴ってる。それより早く行くぞ?」

そういって俺たちは体育館に向かった。

その隣を俗に言う不良たちが通っていった。

「あいつらサボる気だな。」

「馬鹿なやつらだ・・・。」

黎が何故か悲しい目をしてそいつらを見ていたことに俺は気づかなかった。

いや、怖くて気づきたくなかったのかも知れない。



「あ、俺、トイレ行くから先に行っててくれ。」

「了解。」

そして、黎をおいて俺は体育館に入っていった。



「黎、遅いな・・・。」

もうすでに校長の糞くだらない話が始まろうとしている。

『まず、今日、現在をもって世界政府より緊急事態宣言が発令されました。』

!!?

どういうことだ?!何があったんだ?!

ざわめく生徒達。

『すでにこの町の住人は政府が指定した避難区域に移動しています。』

「くそったれ・・・!」

俺は探しに行った。いまだ隣にいない黎を探しに。

『【イラ】より怪物が攻め込んできたとのことです。』

最後に校長が付け加えた言葉は俺には届いていなかった。



「かっ!集会なんてやってらんねぇぜ!」

それは先ほどの不良たち。

「まったくだぜ!」

「もう、ゲーセン行こうぜ?」

ガシャン!

【グゥォォォ・・・】

ただの不良の会話に流れる不調和音。

「な、なんだ?!」

教室の窓を壊して入ってきたのは異形の生物。

【ガァ!】

その生物の手が動いた時、教室が赤に染まった。



体育館を出て階段を駆け上がった。

そのときに広がった血の匂い。

足を止める。いや、止まった。

「なにびびってんだよ・・・!」

血の匂いをたどり、ある教室の前に。

壊れた窓から見えたのは異形の生物。

頭は長く後ろに伸びていて、手は地面につくほど長く、細さは俺の腕ぐらい。

身長は170ぐらい。そして、目と耳らしいものは見当たらない。

【ガ・・・?】

気づかれた!

俺はそこから走り出した。

【グアァァァア!】

おい、この化け物どんだけ速いんだ?!

自慢じゃないが俺はこの学校で一番足が速い。

でも、こいつはあきらかに異常だ。50mを3秒でいけそうだ。

そして、俺に手が伸びた。

手は思った以上に鋭い。刺されば一撃で仕留められる。

足が絡まった。

地面が近い。もう、だめだ。

ブシュ!

切られたのは俺の体じゃなかった。

「おいおい、しっかりしろよ。」

どこかの民族衣装みたいなものを着た黎が立っていた。

「おま!どこ行ってたんだよ!

 てか、何だよ・・・・・。」

黎は手に2つの剣を持っている。そして、目の前にはさっきの化け物。



思えばここから全て始まっていた。



「お前には俺のパートナーをしてもらうぜ?

                           柳。」

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