これは、普段脚本・演出をしない、安田・佐藤・大泉・音尾の4人が描いた 4つのオムニバス構成になっている舞台です。 2004年のJAMBOREEで「ナックスハリケーン」が音入りで歌われた時点で FOURの「アカペラだっていいじゃない」が見たくてしょうがなかったんですが 無事見ることが出来ましたので、ストーリーに沿って感想を書こうかなと。 先にも言いましたがストーリは4部構成です。 なので、1話ずつ書いていこうと思います。 (ストーリーはものすごく簡略化していますので、ご了承を…)
佐藤重幸 |
音尾琢真 |
大泉 洋 |
安田 顕 |
森崎博之 |
第1幕『通販番組』 作:佐藤重幸
《人物紹介》 ※名前に関しては聞き取れないところもあり漢字も適当です<(_ _)> ・売れない物まねタレント…狭音目(さおとめ)あきお【音尾琢真】 ・ディレクター…大河原【大泉 洋】 ・アシスタントディレクター…佐月【佐藤重幸】 ・プロデューサー…手暗森(てくらもり)【森崎博之】 ・スポンサー…安永【安田 顕】 通販番組を製作するプロダクションを舞台に繰り広げられるストーリー。 シーンは、タレント狭音目が『全動ガリガリ君 エクササイズマシーン(略して「全ガリ君」)』の 紹介撮影シーンから始まる。 順調に撮影も終わり、次の商品撮影まで1時間の休憩に入るとすぐに、 クライアント(ラッキーリサーチカンパニー)の安永が、プロデューサーの手暗森とやってきて、 急遽次の撮影商品を変更して欲しいと言い出す。 撮影は後30分後、それ以上遅れると放映に間に合わない。 クライアントの言いなりになるしかない製作者側。 ところがこの商品。とても売れたもんじゃない。見た目はただの真っ白なシャツ。 ところが放射線完全防御するという。一般人にはまったく必要のないもの。 そこで困ったディレクター陣は、何とかこの商品の見た目を良くしようと、 クライアントも一緒になり、みんなでデザインを考え始める。 試行錯誤して上出来上がったのは、前が「仏教のテイストを盛り込んで、尚且つ可愛い『ぶったちゃん』」 後ろは「善があれば悪もある」というわけの分からないクライアントの意向から「魔方陣」を入れたもの。 さあ、もう時間がない。台本なしのぶつけ本番!さて無事『通販番組』は完成するのか?こんな感じで、良くある深夜の通販番組同様、終始リズムとテンポで進んでいくストーリー。 とにかくコミカルで、この頃からシゲの書く脚本は本人も言っているように 「とにかく人を楽しませること」と言うのを頭において作られているんだなというのを感じる。 シゲの思惑通り、わかりやすくて最後まで笑って見れる楽しい舞台でした。
第2幕『King of Curry』 作:音尾琢真
《人物紹介》 ・カレー王子…【音尾琢真】 ・ハンバーグカレー…【大泉 洋】 ・クリームカレー…【佐藤重幸】 ・カツカレー…【森崎博之】 ・ビーフカレー…【安田 顕】 カレー王国の王が暗殺された。 カレー王国は周りをグツグツと煮立ったカレーで覆われており、 唯一の砦も「ガラム」と「マサラ」が見張りをしているため、内部の犯行としか思えない。 そんな中、怪しいと思われたのが最近調理室に入った「クリームカレー」だった。 第一名前が怪しい。しかもどうも最近のカレーはクリーミーだった。 クリームカレーは、王暗殺の為に新人料理人に化けて「シチュー国」から紛れ込んでいた、 クリームシチューだったのである。 王が亡くなった今、王を継ぐものはカレー王子のはずだった。 がしかし、カレー王子にはその資格がなかったのである。 なぜならば、カレー王子は「辛いカレー」を食べることが出来なかった。 カレー王子には、幼馴染の「ハンバーグカレー」がいた。 彼はカレー王国の中で1番の強さを誇るものであった。 クリームシチューは一人では勝算がないと考え、カレー王国の中でも1,2の強さの、 「どんなに辛いカレーでも食べられるカツカレー」と手を組み、 カレー王子とハンバーグカレーを殺そうと持ちかける。 それどころか、10年も前から王国を守ってきた「ビーフカレー」までもが、 実はシチュー国からのスパイであり「ビーフシチュー」だったのだ。 そして彼はカレー王国にある伝説の「ハヤシライス」を探していた。 だが、10年も探し続けたハヤシライスは見つからなかった。 なぜならば、カレー王子の亡くなった母そのものが「ハヤシライス」だったからだ。 カレー王国の王の座をめぐって戦いは始まった。 カレー王子VSクリームシチュー、ハンバーグカレーVSカツカレー、 最後勝ったのは「カレー王子」と「ハンバーグカレー」であった。 これでカレー王国は安泰と思われた。 ところが最後、「ハンバーグカレー」が「カレー王子」を斬り捨てた。 「オレはハンバーグが好きなんだよ。カレーであるオマエの下でいることが許せなかったんだ…」これはとても琢ちゃんらしい脚本です。 ハヤシライスが実はカレー王子のお母さんだと話すシーンなどは、ジーンと来るものがあります。 しかも、「僕だって、本当は辛いカレーが食べれるようになりたいよお!」と叫ぶシーン。 言っていることは、笑えるセリフなのに、会場は静まり返ります。 私もはじめ、配役の名前を見てコメディ?と思って見始めたのですが、 これは決してコメディじゃないですよ。しかも殺陣もあって…もしかしてLOOSERの原点はここにあり?
第3幕『ナックスハリケーン』 作:大泉 洋
《人物紹介》 アイドルグループ「チーム★ナックス」…森崎博之、安田顕、佐藤重幸、大泉洋、音尾琢真 アイドルグループ「チーム★ナックス」のLIVEが舞台。 1曲目の曲が終わったところからシーンは始まる。 MCに入って、「チーム★ナックスももう10年なんだよねぇ」 「いろんな曲あったよねぇ」などの会話が進み、遅れてグループに加入した「琢真」の話になり、 「琢真も変わったよね。オレとシゲで超ガキじゃん?なんていってたもんねぇ。」(大泉談) のようなMCも一通りおえて、次の曲へ。 リーダーモリが「では、次の曲聞いてください。『ナックス!ハリケーン!』」 でイントロが流れ始め5人が踊り始める。カッコいいライティングの中おどる5人。 いざ歌へ。すると突然音楽が消えアカペラへ!(…であの伝説の一言。) 『アカペラだっていいじゃない』ハーリハーリハリ、ハリケーン♪ 歌い終えたところで、シーンが変わり楽屋へ。 ジュニアが歌を歌っている最中、みんながふざけて遊んでいる中、 なぜかピリピリしているシゲ。そこでシゲが突然「オレアイドルやめる!」と叫んだ。 「だって俺らアイドルじゃないじゃん」「アイドルをやめて芝居をやる」と。 「無理だって、俺ら歌と踊りしか今までやってこなかったじゃん」シゲと他4人の口論は続く。 ジュニアの歌も終わり、シゲのソロの番がやってきた。 シゲがしぶしぶ舞台へ上がる。すると突如シゲは「孫悟空」の芝居を始めた。 楽屋からモニターを見ていた4人は慌てふためき、 大泉が止めに入ろうと舞台へあがった。…がシゲにつられて「沙 悟浄」の演技をするハメに…。 そのうち、「三蔵法師」として森崎も呼ばれ、全員が舞台で芝居を… 芝居はするが居たたまれなくなり、一人また一人と舞台からはけていく…。 そして、最後…舞台に一人だけ残ってしまった「シゲ」 ギターを持ち「みんなゴメン。今日は俺一人で歌います」と言うと、 一人「ナックスハリケーン」の弾き語りを始める。 すると、一人、また一人戻ってきてくれて、 『アカペラだっていいじゃな~い』ハーリハーリハリ、ハリケーン…♪2004年JAMBOREEを見た方なら、言うでしょう。 そのまんまじゃん。ちょっとした設定は違うものの本当に殆ど同じでビックリした! 洋ちゃんがJAMBOREEの時に「俺らこれを真面目に舞台でやってたじゃん」みたいなことを言ってたけど、 本当だった。ヤスケンは黒いストッキング履いてました。
第4幕『すばらしい日々』 作:安田 顕
《人物紹介》 全員老人(実名)…森崎博之、安田顕、佐藤重幸、大泉洋、音尾琢真 老人ホームが舞台。 電話を片手に持ったままずっと聞いている老人森崎がいた。 そこへ突っ込みすぎて片手を痛めている老人大泉と、足を痛めて車椅子の音尾がやってきた。 大泉が森崎に声をかける。「お孫さんの結婚式のスピーチの練習はもういいのかい?」 森崎は、え?そんな…こと言ったぁ?「言ったじゃないかぁ。娘の時も孫の時もスピーチは自分がやるってさぁ」 じゃあ少し練習をするかぁ、と言いつつもなかなかうまくいかない。 音尾が「娘さんの時を思い出すといいよ」と言った。 シーンは娘さんのスピーチの時の回想シーンへと変わる。 すらすらと娘さんへのスピーチが進んでいく。 …で、そこへ突然、ヤスケンが割って入り森崎を驚かせて森崎のあごは外れてしまった。 さらに、最近顔を見ないと思ったら、急に金持ちになったシゲも加わる。しかし、 みんなからは「幸せになったシゲはここにはいて欲しくない。」 と言われる。…が会社の株が大暴落。あっという間にシゲは貧乏へと逆戻り。 シーンはまた戻り、電話を手にした森崎が。 実は孫の結婚式の前日に自分を残して家族全員交通事故で亡くなったのだった。 森崎は誰もいない家に、いつもずーとつながるはずのない電話をかけ続けているのである。 そんな中、ヤスケンはテンションが高すぎて血管が切れて死亡。 亡くなったヤスケンのパンツを誰が履くかのロシアンルーレットの音で、心臓の悪かったシゲが死亡。 と思いきや、実はすでに森崎以外の4人は、本当はみんな死亡していたのだ。 家族を失い、笑えなくなっていた森崎に、生きることをあきらめていた森崎に会いに来ていたのだった。 みんなが消えていき、最後まで残った音尾が森崎に言った。 「本当は君を迎えに来たんだ…」 「え?本当に?たのむよぉ。早く連れて行ってくれよぉ。」森崎は答えた。 「いや、まだ連れて行けないよ。君はまだ何も信じちゃいないじゃないか?」 何を信じればいいの?もうなんにもないんだよぉ?信じたら帰ってきてくれるの? ただいま!って言ってくれるの?抱きしめることができるの?無理だよぉ。涙ながらに森崎は叫ぶ。 「信じるんだよ。自分自身を。君の心の中では、今でもかけがえのない人たちは生きているじゃないか。 僕たちと過ごした「すばらしい日々」を。僕たちはいつも君の中にいたんだよ…」 そして森崎はもう一度電話をかけた…すると電話がつながった。 今まで、決してつながることのなかった電話が…。■関連日記/ 2005年7月6日 2005年7月12日これはストーリーを書くのが難しかったです。 シーンが前後したりするので複雑なんです。これを読んで内容を分かってもらえるか自信がない…。 まあ、いっかぁ。感想です。思わずモリの演技に泣きました。 「引き出しが一つしかない」とかよく言われてますが、おさえた演技もできるじゃないですか。 そしてこの脚本を書いたヤスケンってやっぱり奥が深すぎる。深すぎて見えない。 VSの時もそう思ったんですが、ヤスケンの書いた脚本、私好きですねぇ。割と複雑。 一言で言うとパズルを解く感覚が必要な脚本?見た後、ちょっと考える時間がいるって言うのかな。 シゲとは真逆と言っていいかも。
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