教えない教育実践日誌

教えない教育実践日誌

できないことから何かが生まれる


何が苦手って、運動くらい苦手なものはなかったのです。

自慢じゃないですが、運動音痴なんですね。通信簿の体育の欄は、いつも2。大学に行ってまで、教養の体育はすれすれの「可」でした。

大人になって、運動などと二度とするものかと思っていたのに、子ども二人がある程度大きくなると、運動不足だな~と思いはじめ、ある日プールに通い始めました。

運動すべてへたくそなで、泳げるはずもありません。

近所の水泳教室は、なぜか、お年寄りが多く、すごくきれいというわけではないのですが、ゆっくりゆっくり、優雅に泳ぐおばあさんが何人もいました。歳を聞いてみると70代…

そんな事にも刺激を受けて、ビート板でバタ足からはじまって、息継ぎができるようになると、どうにかこうにか25メートル泳げるようになりました。

実にうれしかったです。小学校の体育「2」のかたきをとったような気がしました。

この時に永久に「できないこと」って、あんまりないのかなあと思いました。「できない」のは「やってみないから」「続けることができないから」なのかも知れません。

そして、学校教育というところで線を引いてしまったために、「できない」と思い込んだまま大人になってしまっただけなのかも知れません。

運動音痴のまま、バレエをはじめて4年になりますが、体がちょっとずつ柔らかくなっている気がします。

できない事って大事かも知れないと最近思っているのです。

「できないこと」に焦点を当てて、自分のこれまでを振り返ってみると、教習所ではじめてハンドルを握ったとき、はじめて教壇に立って授業をしたとき、はじめてフランスに行って、ホテルの予約をしたとき…自分が「できない、どうしよう」という窮地に立たされたとき、思いがけない力がでてくる事があるのです。「できない」って思い込みもあるのかも知れません。

自分の頭のなかでは「できない」と思っていることも、挑戦してみることで何かが展開する事は、何度か体験しています。

(実を言うと、楽天日記もそうなのです!)

生まれたばかりの赤ちゃんは、大人の目線から見ると「できないこと」だらけ。でも、いろんな失敗体験を重ねながら、だんだんと歩けるようになるし、ご飯を食べられるようになるんですね~

これって、当たり前のようだけど、大事なことだと思います。子どもも大人も「できないこと」から、何かをつかまえていくのであれば、できないことは悪い事じゃないと、子どもに伝えたいと思います。

「できないこと」が、目の前にでてきたのだったら、それは前に進んでいる証拠。だから、「なんだ、こんなこともできないの」って言わないように…

学校をずっと優等生できた人は、できないことに挑戦するのをとっても怖がると聞いたことがあります。失敗するのがこわいからなんでしょうか。

オリンピックの選手たちの活躍が、あんなにも私たちの心を惹きつけるのは、彼らが常にできないことに挑戦し続けているからなのかも知れません。

いくつになっても「できないこと」に向かっていく自分でいられたら…と思います。幸いにして、「できないこと」が山ほどあるので…


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