神頼みな毎日

神頼みな毎日

お題



アラス=アマテラス(太陽の神)(ヒロイン:魔王の一人娘。羊の暴れっぷりに引きこもる。自分の立場が、魔族が嫌)

ヨミ=ツクヨミ(月の神)(主人公:執事。ばたばた頑張る役)

スノォ=スサノオ(羊:ヒロインが拾ってくる。色々悪さをする)

オモネ=オモイカネ(岩戸隠れ騒動時、八百万の神々の総指揮をした神。魔族のなかで、頭の良い感じの奴にやらせる)

アマテラスを天岩戸から引っ張り出した時、力の強い神が居た。

踊りの神がいた。



 ◇

 ストーリー題材:岩戸隠れ(若干改造)

 スサノオの所業に耐えかねたアマテラスが天岩戸に引きこもったため世界は暗くなる。
 八百万の神々が集まり、なんとか引っ張り出そうとする。
一、鶏を集めて鳴かす。
二、やたの鏡を用意する。(鏡ならなんでもいい)
三、勾玉を用意する(禍玉で創った鎖)(禍玉が足りず髑髏を代用したり)
四、注文縄を作る(ヒロインの部屋の合鍵を勝手に作る)
五、踊り子が踊る。皆が笑う。とにかく楽しい雰囲気にする。(魔族の皆で)

 アマテラスはみなの笑い声に釣られて少しだけ顔を出す。
「何故皆はそんな笑っているのか」
「貴方より尊い神が現れたから、嬉しくて笑っているのです」
 そう言って鏡を見せる。
 アマテラスは鏡に映った自分を見て、それが尊い神だと思い、よく見ようと部屋から出る。
 そこを勾玉でアマテラスを捕らえ、天岩戸には注文縄をかける。
「もうこれ以上中に入るのは止めてください」
 光が戻る。

 ◇



 アラスが魔族であることを嫌っている事の描写。
 城に半分幽閉されている状態にストレスを感じている事の描写。
 時々抜け出して主人公を困らせることの描写。
 アラスの主人公に対する評価。
 城にいる魔族たちの描写。
 ↓
 羊をアラスが拾ってくる。魔族なのに地上を歩き回るのが大好きで、その時に迷い羊を発見する。
 ↓
 羊はとんだ暴れ者で、糞尿ばら撒くだの暴れて城を破壊するだの、しまいには誰かを傷つけて、アラスは怒って自室に引きこもる(何故怒って引きこもるのか――)
 ↓
 彼女が部屋から出ないことで、色々な禍が発生する。執事はオモネや皆に意見を求める。オモネの総指揮のもと、魔族たちは協力する。
 ↓
 上記、岩戸隠れ
 ↓
 羊を捕まえて、その毛を全て刈り、爪も切り、禍玉で首輪をかけて終了。


追記(コネタ)

注文縄(鍵)でドアを閉めたあと。全てが解決した後にアラスが部屋に戻ろうとして鍵がかかっていることに気付く。
「早く開けてよ」
「えぇと、誰か鍵知りませんか?」
 持っていたのは力の神役の魔族。握りつぶして駄目になっている。
「ちょっと! これじゃ入れないじゃないのッ!」
「ならアラスお嬢様、私達の部屋にお泊まりに」
 魔族たちの心遣い
「嫌よ。あなた達の部屋なんて、血とか髑髏とか食べかすとかドロドロドロドロ……。ヨミ、貴方の部屋はまだ綺麗よねッ。貴方の部屋にするわ。泊めなさい」
「ええええっ」
 的などたばたエンド。



   ◇



 『とある所』に奇妙な少年がいた。


 まるで塗り潰されたように暗い廊下を、少年が一人で歩いている。食器を乗せた銀のトレイを手にしていて、歩くたびにフォークが揺れて小さく音を立てた。
 湿気の多い、冷たい空気が少年を包んでいた。それから血と、腐敗の匂いが辺りに立ち込めている。しかし少年はそれらを全く気にすることなく、ただ無表情に歩を進めていた。
 やがてある扉の前にやってくると少年は立ち止まり、一度こほんと咳をしてからノックした。
「誰?」
 返って来たのは少女の声だった。
「ヨミです。お食事をお持ちしました」
「開いてるわ」
 ヨミと名乗った少年が静かに扉を開けると、そこから光が漏れてきた。その光が廊下の闇を少しだけ払い、光に照らされてヨミの姿がぼんやりと浮かび上がった。
 十五才くらいの人間の子だった。背が高く身体の線は細い。その黒髪は少し長め、肌は白い。普通の男の子だ。
 彼は一歩部屋に足を踏み入れてから、深々と頭を垂れた。部屋の中は廊下とは比べ物にならないくらい明るかった。ランプがあちこちに見られ、それぞれの中で炎が揺らめき部屋の中を赤く照らしている。部屋の奥のほうには壁一面を使った大きな窓が目をひく。今はちょうど満月がそこから顔を覗かせていて、銀色の光を部屋へと投げ入れている。
 窓際に大きなベットがある。真っ白なシーツと柔らかそうな枕。そしてそこに座っている少女。
「そこに置いておいて」
 木製の机を指差して、少女が言った。
 少年と同い年かそれより幼くに見える少女は、今は白いパジャマに身を包んでいた。銀色のその髪は、腰辺りまでその毛先がきている。
 少女が大きな欠伸をして、ヨミは少女の格好を見て驚いた。
「アラス様、まだ夕食も終えてないのに既に寝る用意ができているなんて、どういう風の吹き回しですか?」
 いつもは気絶させても魔法をかけても寝ないのに、という言葉をヨミはとっさに飲み込んだ。さすがに少し失礼すぎる。
「ヨミ、それは夕食じゃなくて朝食。……いや、もう昼食の時間かな。私はちょっと前に『起きた』のよ。これから寝るんじゃなくて」
 呆れたようにアラスが言い、ヨミは納得したように頷いた。
「そうか、こっちは今が昼なんですね。すみません。こっちに戻ってくるとき、上の世界は夜だったので」
「時差ぼけね。いいなぁ、あたしも外に出たい」
 ヨミは苦笑しながら昼食を机の上に置いて部屋を出て、いかなかった。
 普段は用事が済めばすぐに部屋を出ていくのに、彼はその場で立ち尽くしていた。しばらく何か思いつめたような顔をし、やがて何かを言おうと口を開きかけた。が、
「そうだヨミ、今度協力してくれないかしら。城を抜け出すの」
 アラスの発言遮られて、開きかけた口を閉じてしまった。アラスはヨミが何か言いかけた事など気付きもせず、椅子に腰掛けてフォークを手に取った。
「そ、それはできませんよ……アラス様。魔王様のお叱りを受けますよ」
「大丈夫よ、そんなの」
「第一この城に、抜け出す術など存在しないでしょうし」
 ヨミの言葉に、頬を膨らませるアラス。
 その可愛らしい少女の背中には、真っ黒な二枚の翼が生えていた。

 ここに奇妙な少年がいる。
 少し長い黒髪の、大人しそうな顔つきをした、普通の男の子だ。どこにでもいそうな。
 しかし彼のいるところは、
「もう魔城に幽閉されるのは嫌なの、外の世界が見たいのッ! 協力してよぉ、ヨミぃ」
「幽閉ってそんな……。し、しかしですね……」
 彼のいるところは――彼みたいな普通の少年が居るはずがない、人間がいるはずがない――魔城であった。
「ヨミのケチ! 執事なら私の言う事聞きなさいよッ!」
 そう怒鳴ると、アラスはおかずにフォークを突きたてた。フォークはおかずを貫通し、皿をふたつに割り、そのまま銀のトレイに突き刺さった。
「わ、私は本来魔王様の所有物ですので、……そのお願いを聞くことはできません。申し訳ございません」
 ヨミが頭を下げたのを見て、アラスは詰まらなさそうにそっぽを向いた。
「別にいいわよ。謝んなくて。ヨミはすぐ謝る」
「私は貴方の執事ですので」
「……詰まんない」
 なにが気に食わないのか、彼女はふて腐れたまま席から立ちあがり、ヨミの隣を通り過ぎてドアノブに手をかけた。
「どこにお出に?」


 ◇






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