サイレン 0
シーサーの微笑み 0
スク水シーサー 0
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心地よい金属音が知恵を呼ぶ 黒句箱入り娘の穂波ちゃんは、タップダンスをやりたいんだけど、人見知りが激しくて、教室に通うことを断念した。なんでも、その教室に、肌の合わなさそうな人が居たらしい・・・・・・・・で結局、ネットで調べたりして、独学で踊り始めた。小高い丘の上にある公園は、戦国時代当時、小さなお城だった。今でも、石垣の跡が、いたるところに残っている。夕方の誰もいない城址で、箱入り娘は、「感想言ってね」と黒猫の前で踊って見せた。そもそも黒猫の俺はタップダンスとやらを知らない。うん・・・でも、箱入り娘の鳴らす、タップシューズの金属音のリズムは心地良い。さらに、穂波ちゃんの身体の動きは、場の空気を弾ませる不思議な魅力がある「ん?」 その音に魅せられて、近づく気配を自称・穂波ちゃんのボディーガードの俺は感じた。臆病な小動物故の、研ぎ澄まされた感覚だ。敵か?味方か?俺の思考回路は、すぐに『味方』と回答した。「誰?」「私よ」化猫と噂のある三毛の中将が、藪の中から、スっと現れた。三毛の中将の異様な殺気に、人見知りの箱入り娘、穂波ちゃんは、箱に入ったオルゴールのようになりを潜め、ヒョイと俺の身体を抱き抱え、異様な殺気を放つ三毛猫を眺めていた。俺を抱きしめても、俺、まったく頼りにはならない小動物だけど・・・まあいいや。しかし、なぜいつも三毛の中将が殺気を漂わせているのかは未だ不明だ。 何かと闘ってるのかも知れない・・・もしかすると殺傷事の後だろうか?穂波ちゃんのタップダンスが終わってしまい、ちょっとショボンな三毛の中将は言った。「私は、すぐ人を怖がらせてしまう・・・」哀しげにため息をついたて「しかし、良い踊り&音楽を聴かせてもらった。お礼にお前たちが知りたいであろう事を教えてやろう」俺は猫語の解らない穂波ちゃんに、三毛の中将の言葉を伝えた。「知りたい事?!なんかラッキー」穂波ちゃんは俺の耳元で囁いた。安堵の微笑みを漏らした穂波ちゃんに抱かれながら、詠んだ一句 つづく ↓押してくれると、いと嬉。ヽ(*'0'*)ツ Web小説 ブログランキングへ
Feb 11, 2015
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眩(まばゆ)さに心奪わる儚(はかな)さよ 黒句黄金に目が眩んだ様な目で、黄金の甲冑を纏う武者を見ていたのかも知れない。「残念です」黄金の甲冑の武者は言った。「何が?」と穂波ちゃんが言う間もなく隠し扉の向こう側にいた黄金の甲冑の武者は消えてしまった。穂波ちゃんは、急いで、隠し扉をこじ開けた。そこは人一人がやっと入れるほどの、隠し部屋があった。穂波ちゃんは、すぐに隠し部屋の壁や床を調べたが、どこかへ通じつ通路の形跡など、何も発見できなかった。「消えちゃった・・・・しょぼんばい」穂波ちゃんはポツリと言った。しょぼんな穂波ちゃんに贈った一句↓押してくれると、いと嬉。ヽ(*'0'*)ツ Web小説 ブログランキングへ
Feb 4, 2015
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箱入りがお尻ふりふり黄金卿 黒句妖精ππの格好をしている穂波ちゃんは、楽しそうに、メンテナンスに熱中している。ホント、オルゴールが好きなのだ。楽しさのあまり、穂波ちゃんは、ふりふりとお尻ふりふりダンスを踊った。後で知ったことだが、このお尻ふりふりダンスには、ある秘密が隠されていた。それはまた別の話だ。そんな穂波ちゃんの後ろ姿に向かって言った。「オルゴールの妖精伝説を作るんじゃなかったの?黒猫と妖精にまつわる伝説を」 「・・・・と、言ってみたものの、点点点」「点点点・・・」俺はやることがなく、穂波ちゃんの周りをウロウロとした。「こんな所に葉っぱが落ちてる」「えっ・・・・見せて・・・」妖精ππこと、穂波ちゃんは、それを手に取ると、ニヤっとした。「これは小人の妖精が持ち歩く、フキの葉・・・・」「小人の妖精?」「都市伝説の一つだけど、この商店街の地下に小人の妖精の王国があるの知ってる?」「妖精の王国!?」「このオルゴールの人形はその妖精達の警戒を解くための物・・・と私は解釈してる」ふとオルゴールの奥に、何かの気配を感じた。「まさか!?妖精!?」「見ちゃダメ」穂波ちゃんは俺を制した。「あの子達は、物凄く繊細で人見知りなの」俺と穂波ちゃんが、気にしない振りをしていると「ギー」と何かが開く音がした。見ると、ただの壁がギーと開きだした。隠し扉?!その少しだけ開いた引き戸から、甲冑を着た恐ろしげな武者が、こちらを威圧していた。その威圧に箱入り娘の穂波ちゃんが、怯えてる!だが、それ以上に俺も怯えていた。| 壁 |д・)・・・・が、しかし!俺は小さな黒猫とは言え、百獣の王の系譜・猫科!俺は怯える心に火を放ち、心を炎上させた。燃える炎は、闘争本能に火を着けた。この箱入り娘を守らねば!そう・・・・一瞬だけでも・・・・一撃だけでも・・・・甲冑の武者に攻撃を加えれば、その怯んだ隙に穂波ちゃんの逃げる時間を稼げる。と俺は心に決めたものの・・・・怖くて身体が動かなかった。o(_ _*)oガックシ「ガシャ・・・ガシャガシャ」隠し扉は、立て付けが悪いのか、なかなか開かないみたい。「ガシャ、ガシャ・・・」引き戸が、中々あかないもんだから威圧しながら登場しようとしていたぽい、甲冑の武者は、その時期を逃したっぽい。戦いにおいて、勢いがもっとも大切だ。そうこの武者は、勢いを失ったのだ。「ガク、ガッガッガッ・・・」「古い商店πの古い建物πだからね」穂波ちゃんは、何かを思い出しかのように語尾にπを着けた。落ち着きを取り戻さたらしい。反対に、甲冑の武者からは、威圧感が消え、恥じらいが見え隠れし始めた。「開かない・・・そして、しゃがめない」甲冑の武者はそう呟いた。その声は、まるで女の子の様に可愛らしかった。さらに・・・今まで暗くてよく見えなかったが、よ~く見ると、その武者は黄金に輝く甲冑を纏っているではないか~俺と穂波ちゃんは、目を合わせた。(ノ^^)八(^^ )ノ後に詠んだ一句。つづく↓押してくれると、いと嬉。ヽ(*'0'*)ツ Web小説 ブログランキングへ
Jan 28, 2015
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猫の過去秘するππ音をあげる 黒句黒猫控えめな照明で照らされた商店街のアーケードに人影は見当たらなかった。妖精ππの大きな羽根は、収納式らしく、大きな登山用リュックほどに収まっていた。それでも、中3の穂波ちゃんには、そうとう重いらしく、ヨロヨロと歩いた。小さな猫に過ぎない俺は、持ってあがられない。 ε=(・д・`*)ハァ…代わりに俺は、周囲を警戒してあげた。妖精の格好&へそ出しの姿を誰かに見られたら大変だ。穂波ちゃんちは、結構厳しい家だし、補導されたり、商店街の誰かに見られたら、大騒ぎだ。元々深夜に出歩く子じゃないし。ずっと箱入り&良い子だった穂波ちゃんは怒れれた事がないらしい。そんな子が、深夜の街を徘徊・・・温和なご両親がどんな反応をするか想像もつかない。( ゚ ▽ ゚ ;)「クシュン」寒空の下、めっちゃ薄着の妖精ππはくしゃみをした。「大丈夫?」「うん・・・伝説のためπとりあえずここに入るπ」アーケードの出入り口付近には、オルゴール人形時計が、飾ってあった。10時、12時、17時の時報計3回、オルゴールの人形たちは、楽しくタップダンスを踊る。その下にはメンテナンス用の、小さな部屋があった。妖精ππは、ポケットから、手に収まるサイズの小さなオルゴールを取り出した。そして、それをメンテナンス用の部屋の鍵穴に着けた。「ん?」妖精ππは、「Φ(ファイ)は、ππ・・・・πππ・・・・3、1415926535・・・・」と呪文のように唱え、オルゴールのねじを回しだした。「えっ《゚Д゚》 ホントにおかしくなっちゃた?」心配する俺をよそに、穂波ちゃんは再び、「Φ(ファイ)は、ππ・・・アップルパイ」と。「呪文?《゚Д゚》ええええええー穂波ちゃーん」俺が真剣に心配してると、「ガチャ」と鍵が空いた。「(」゜ロ゜)」マジカヨ。。。。」「Φ(ファイ)は、ππ・・・ππ、アップルパイ。私はオルゴールの妖精、控えめなππ」穂波ちゃんは、そう言うとメンテナンス室に入った。俺も慌てて続いた。そして、「Φは、ππ・・・ππ・・・・アップルパイ。」俺も唱えてみた。「あっ・・・」と、穂波ちゃんが、可愛い声をあげた。「どうしました?」「何でもない・・・けど・・・」と妖精ππは、否定した。そして「五円くんは言っちゃダメ。五円くんと私はあれだから」「あれ?」「・・あれ。」「あれ?」「あれ。」 sei 穂波ちゃんは、何かを惚けながら、室内いっぱいにある大きなオルゴールのメンテナンスを始めた。何か知ってるのに、答えてくれない・・・・リトルムカッで、ちょっとした反撃呪文」「Φは、ππ・・・ππ・・・・アップルパイ。」「あっ・・・」穂波ちゃんは可愛い声をあげた。そんな穂波ちゃんに詠んだ一句黒猫つづく・・・↓押してくれると、いと嬉。ヽ(*'0'*)ツWeb小説 ブログランキングへ
Jan 21, 2015
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満月に奢れや おなご黒猫と 黒句街が寝静まった満月の夜。俺は、オルゴール博物館の店内で、檜の盥(たらい)のお風呂に入っていた。凍えていた身体が、ホント芯から温まる。明治の古い洋館のしっとりとした闇が昼間の喧騒をすーと鎮めていた。そこに・・・「一夜一夜に人身頃 人並みに奢れや おなご」と、穂波ちゃんの透き通った美しい声が響いた。「カッコ ゆえに今夜の私は奢り昂ぶるの!五円くん カッコ閉じ」穂波ちゃんは、博物館の館長の1人娘で、中学3年の受験生だ。色々混乱しているお年頃ヽ((◎д◎ ))ゝちなみに、五円と言う名前は俺の目が、五円硬貨みたいだったからう~ん、良いのか?悪いのか?ご縁で、縁起はいいらしいが・・・・「それより穂波ちゃん、何、その格好?」「格好?穂波ちゃん?誰?カッコ閉じ」カッコ閉じって・・・・受験勉強のしすぎで、口調がおかしくなってしまったらしい。「私はオルゴールの妖精、ππ・・・妖精仲間は、私を控えめなππと呼ぶ」普段は、地味で控えめな穂波ちゃんは黄緑の妖精ぽい衣装を来て、背中には妖精には大きすぎる、どちらかというと天使ぽい羽根を付けていた。そして、この寒いのにおへそを出していた。控えめなおへそが、穂波ちゃんらしいと言えばらしい。「さあ、行くπ。オルゴールの妖精伝説を作るπ!」穂波ちゃんはそう宣言すると、檜の盥から、俺を抱き抱え、バスタオルで俺を包み込んだ。穂波ちゃんに、バスタオルで拭かれるの、好きー о(ж>▽<)y ☆ しあわせとは、こう言うことを言うんだ。ヽ(゚◇゚ )ノ('-'*)(,_,*)('-'*)(,_,*)「しかし・・・・オルゴールの妖精伝説を作るって何?」「イッツ オルゴール販売ステマ」 「ステマかよ」「ア~ ワタシ ハクブツカン ツグコロ キャク ヘル カクジツ」「なんで片言?英語苦手なの?」「クロネコ ト ヨウセイ ニ マツワル デンセツ ツクルハコイリムスメハ ハコノナカデ カンガエタノサ」「えっ俺も伝説に加わるの?」「イエーーーース アイ デュー \(゜□゜)/ ユー アー ベリー ミステリアスクロネコ イルト ナンカ 不可思議なコト オキソウ不可思議X イコール クロネコπ」「買いかぶり過ぎだよ。黒猫は、静かで地味に生きたいんだよ」 満月の下、控えめなππに贈った一句。 つづく・・・↓押してくれると、いと嬉。ヽ(*'0'*)ツ Web小説 ブログランキングへ
Jan 14, 2015
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空白を埋める仕事をしたらしい? 黒句 銀青色の、コラット猫のコラは囁くように、クールな口調で話す。「昔、聞いた話だが、猫の中には前世が人間だった奴が、結構いるらしい。人間だった時の感覚が相当残ってる奴もいるらしい。お前もそう言う種類の猫じゃないのか?」「う~ん、どうなんだろうもっとリアルな感じがするような・・・」そんな話をしながら、俺たちは商店街の外れに向かった。商店街の外れには古い回転寿司屋がある。実はそこ、三毛猫に取り憑かれている。憑りついているのは『三毛の中将』と呼ばれる化け猫かも知れないと噂のある街猫だ。今日は月一の街猫集会日。回転寿司屋の大将の孫娘が朝、リボンのついた勝負パンツを履いて出かけたら、それが集会開始の合図だ。孫娘の勝負に掛ける気合が三毛の中将の妖術を強力にさせるらしい。勝負パンツの噂を聞いた俺達は孫娘の健闘を祈りつつ回転寿司屋に駆けつけた訳だ。店の自動ドアには店休日の看板が掛かっていた。俺が自動ドアの前に立つと、ドアは「ゴゴゴゴゴッ」と音を立てながら開いた。カウンターには十数匹の街猫達が回ってくる寿司を(・∀・)じーと吟味していた。カウンターの奥では、妖術に掛かった大将が、ぼんやりとした表情で、寿司を握っていた。ここの大将は、昔、知る人は知る超一流の寿司職人だったらしい。御労(おいたわ)しい・・・ 。゚(T^T)゚。コラット猫のコラは、静かに哀れんだ。「しゅうちゃん、こっち」と俺を呼ぶのは、白猫の餅子さん。「しゅうちゃんが好きな、焼きプリン取っといたよ一つしかないんだよ」カウンターには、美味しそうな焼きプリンが!「おいちそう」白猫の餅子さんは、飼い猫で可愛いらしい鈴付の首輪をつけていた。俺が、餅子さんの隣に座ると街猫たちの視線が、俺たちに注がれた。こいつら、俺と餅子さんを引っ付けようとしているんだ。しかし、俺は人間から猫に化けさせられた身・・・・かもしれない。子供が出来ちゃうと人間に戻った時困りそうなのだ。「柊(しゅう)ちゃん、私ね柊(ひいらぎ)の花言葉を知っちゃった用心深さ 先見の明 保護だって。ほぼ、しゅうちゃんだね」そう言うと餅子さんは穢れの無い純粋な目で、俺を見つめた。「私・・・・しゅうちゃんに保護されたいな」何て事を言うんだ!この猫ちゃんは! 餅子さん → (*v.v)。 (/ω\) ← 俺氏。周りの街猫達 | 皿 |д・) じ~餅子さんは、視線に構わず俺に寄り添って来た。「しゅうちゃん、良い香りがする」そんな甘く照れくさいひと時の最中、三毛猫の中将の叫び声が響いた。「疫病神侵入、疫病神侵入、総員、第一種戦闘態勢を取れ!クローバー隊は、北北西に進路を取り、陣形・鋒矢にて、敵を撃滅せよ!ダイヤ隊 スペード隊 ハート隊 陣形・方円にて、周囲を警戒せよ!」疫病神?第一種戦闘態勢?この街に来て初めて聞く言葉だ。「何?何?ほくほく星に進路 やきいもほくほく的な 」 状況をいまいち掴めないでいると「黒猫!こっちだ!」と知り合いの虎猫・タイガー愛が叫んだ。「誰か黒猫やねん!」Σ\( ̄ー ̄;)・・・とボケに対するツッコミのつもりが・・・店内の街猫達は( °д°)???と0コンマ1秒、時間を止めた。なんでこんなんなってんの → ( °д°)???その混乱から、誰かに、いきなり記憶のリセットボタンを押され頭が真っ白になり、フラッシュバックがいくつか見えた。真っ白な壁の小さな窓の隙間に本当の俺っぽい人間が心配そうに俺を見ていた。はっ、違う、俺は・・・・・・・・黒猫だ・・・・・忘れてた。タイガー愛は、ボケてないわ。((゚m゚;)ボケてたのは、俺じゃんo(_ _*)o俺はあわてて 「ラジャ!」とタイガー愛の後を追った。クローバー隊1番手のタイガー愛は、疫病神を見つけるとまるで虎その者の様に疫病神の首元に噛みついた。おおおーさすが百獣の王 猫科!霊長類の人間とは、身体に宿る攻撃本能のレベルが違うのだ!俺も続いて、襲いかかろうとしたが、疫病神の奴、俺の攻撃を、失笑しながら、難なく躱(かわ)した。えっ、なぜ?????????俺は・・壁に激突した Y(>_<、)Y餅子さんの目の前で、恥を掻かせやがって \(*`∧´)/疫病神は、嘲(あざけり)りに満ちたの嫌な表情で俺を見た。 これが奴の本質か?しかし、疫病神も次から次へと襲いかかる喧嘩慣れしたクローバー隊の敵ではなかった。とうとう疫病神の泣きが入った。「参った・・・・参った・・・・参った」(T_T)疫病神は何度も言った。虎猫の次に駆けつけた2番手・コラット猫のコラは ← しかし、ベタな名前( ´艸`) 厄病神を睨み付け静かな口調で言った。「ここの商店街は、疫病神、貧乏神はお断りださっさと去るがいい、疫病神」「どっちがじゃ!疫病じゃ」厄病神は反論した。疫病神の意見にも一理ある。走り回った猫達の性で店はぐちゃぐちゃだ。動きを止められた、疫病神の元へ三毛の中将が近づいた。「商店街は我々の縄張り・・・お前は、ルーキーの疫病神か?」化猫の三毛の・・・違う、化猫と!噂がある三毛の中将の気迫に疫病神は、一瞬で威圧された。「はい・・・ルーキーです」「だったら、国道沿いの店に行ってみてな、あそこにはお前の好きな敵意と悪意が渦巻いている。そう言うの・・・好きだろ?」「私らにとって、敵意と悪意は蜜の味でございます」「それでは、私が、あないしよう。さあ今日の街猫集会はお開きだ」俺たち街猫達は三毛の中将と伴に、回転寿司屋を後にした。その後、店内から妖術の解けた回転寿司屋の大将の叫び声が轟いた。「なんじゃこれ━─━─━─━─━─!祟りじゃ━─━─━─━─━─!呪われている━─━─━─━─━─!」「御労(おいたわ)しい・・・」 。゚(T^T)゚。コラット猫のコラは、静かに哀れんだ。「とりあえず、疫病神は追っ払ったから、許してつかーさい m(u_u)m」餅子さんは、謝罪した。三毛の中将たちと別れ餅子さんを家に送る途中、「しゅうちゃん、大活躍だったね」と言われた。「俺、何もしてないけど・・・」「しゅうちゃんが、空白を埋めたから勝てたんだよ」・・・と意味不明な事を言われた。空白を埋めたから、勝った?空白・・・・って何?寒空から降り始めた雪を見ながら、詠んだ一句追伸・・・・・帰り道で、回転寿司屋の大将の孫娘がしょんぼり(・ω・`)と歩いていた。勝負は負けた・・・と言うか勝負も出来なかったぽい。 回転寿司屋の孫娘にさち、あらんことを願う。↓押してくれると、いと嬉。ヽ(*'0'*)ツ Web小説 ブログランキングへ
Jan 7, 2015
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七星のてんとう虫がささやく声(ね) 黒句 俺は黒猫。シャイな黒猫。粋な黒猫。俺の本住まいは、ねじ巻き時計専門店だ。店の無口な店主は、俺に、黒句と書いて、『クロック』と読ませる名前を付けたが、無口な店主以外、その名前を呼ぶ奴はいない。しかし・・・退屈だ。可愛い猫が店先にいると、お客が釣られて店に入ってくる、とか思って、店先に座っていたが、誰も入っては来やしない。人通りの少ない、商店街の路地裏だから、仕方ないかそれに、俺、雑種だし・・・。愛想ないし・・・。こんな時は、現実逃避に、自分に酔って、気持ち良くなるのが良い。俺は、ピッカピカなステンレススチールの柱に映る自分の尻尾の美しさに酔ってみた。神秘的な漆黒(しっこく)色の長い尻尾だ。「ナルシスよ」誰かが、そう囁いた。見ると、ステンレススチールに映る俺の額に、七星天道虫が、停まっていた。しかし・・・1人酔ってる所を、見られていたとは、いと恥ずかしき・・・。「ナルシスよ、お前の自惚れがリンクを繋いた」「リンク?何?何の前触れもなく」「見よ、あの喫茶店を」ねじ巻き時計専門店の向かいに、こちらよりも幾分、客の出入りがある、喫茶店がある。グラスや皿を磨くのが趣味の、店主がやっている客席10席の小さな喫茶店。俺調べだが、1日の客は10人。ほぼ常連の同じ顔ぶれだ。それぞれが、それぞれの時間にやってきて、必ず決まった席で、ひと時を過ごす。まるで専用席かのように、決して他の席に座らない。そう言った決まりがある訳では、ないらしいが・・・。しかし、よくこの客数でやっていけてる。ウチのねじ巻き時計屋にも言えることだが、この路地裏の店は、そんな店ばかりだ。路地裏は魔化不思議な巣窟だ。夕方の5時前、この時間に、寛(くつろ)いでいるのは、進学塾に行く前の、1人の女子高生。彼女の専用席は、外向きの、ねじ巻き時計屋の真ん前。ちょうど俺が座ってる目の前だ。彼女はそこで、勉強をしたり、携帯をイジったり、ボーとしたり、俺をじーと見つめたりしながら、小一時間、時間を潰す。これは秘密だが、喫茶店の前を歩く人間の目線では、見えないが・・・・・と言っても、前を歩く人間など、殆どいない。あ~あ、商店街の表通りから、賑やかな声が聞こえる。ねじ巻き時計専門店に、カムヒヤ~\(゜□゜)/うん、でも・・・例え、表通りに店があっても、ねじ巻き時計専門店と言うマニアックな店に、誰も来やしない。さらに商売下手な店主に、愛想の悪い黒猫・・・これ以上はよそう。暗くなる。現在俺は、根暗改善週間実施中なのだ。うん、話を続けようー \(゜□゜)/ ↑ 無理してテンション上げてる俺喫茶店の外向きの席に座る彼女の純白いパンツは、猫の俺の目線からでは丸見えなのだ。そんな丸見えの状況なのに、彼女は「じー」と、無防備な視線で、俺の漆黒な尻尾を見た。ちょっと罪悪感を感じなくもない。 「聞け、ナルシス。純白のパンツと、漆黒(しっこく)の尻尾は、IDとパスワードを意味する。そして両者が見つめ合うと、リンク先へログインを開始する」と、俺の耳元に移動したてんとう虫は囁いた。すると、 喫茶店の奥の棚に飾られている、置物のガラスの猫が、目を覚まし、背伸びをした。「ナルシスの強力な自惚れ想念が、ログイン先であるガラスの猫に届き、魂に火がついたのだ」「あっ、あれは、雛形さんが作ったガラスの猫」「そう、お前の分身たるあのガラスの猫は、天賦の才を有する芸術家のみが作り得る、魂が篭(こも)り得る芸術品だ」「凄い、凄いよ。雛形さん、やっぱし雛形さんは天才だったんだ!100円でしか売れないのは、まだ時代が追いついてないだけなんだ!嬉しいーーーー!早速、携帯でお知らせだ♪・・・って、俺、猫だった・・・携帯なんか持ってないじゃん」o(_ _*)o店主はこの時間、彼女が注文した夕食を、厨房の奥で調理している頃だ。今、店には彼女一人だ。ピッカピカに磨かれた透明なガラスの猫は、「スッ♪」と棚から飛び降り、カウンターテーブルの上を上品に歩いて、彼女に近づいた。 動くガラスの猫の存在に、彼女は「ハッ!?」とした。するとピッカピカに磨かれ、透明感いっぱいのガラスの猫の身体に、彼女が心の奥に閉じ込めていた想いが、「ふぁっと」吸い寄せられた。そして、まじまじとガラスの猫を見つめる彼女の目から、いつしか涙が零れおちていた。ガラスの猫の身体には、家にも学校にも、居場所がない彼女の今が映し出された。その映像には、脆いガラスの猫の身体が、割れてしまうんじゃないかと思うほどの、惨劇も含まれていた。それでもガラスの猫は、悠々と、綺麗な長い尻尾をゆらゆらと揺らした。その時、俺は、ガラスの猫が次、何をしようとしているのか、なんとなく解った。ガラスの猫の身体には、彼女の今の映像は消え、彼女の未来が映し出され始めた。未来の彼女の側には、優しげな人が、落ち込んでる彼女を元気づけようと、話しかけた。すると、未来の彼女は、照れくさそうに微笑んだ。それを見ていた、今の彼女の表情から、笑みが零れた。ガラスの猫は「どう?」と彼女を見つめると、彼女にそっと身体を寄せ、外にいる俺に「チラッ」と視線を贈った。彼女も、同じく俺に視線を贈った。俺はそれに答えるように、漆黒の綺麗な尻尾を振ってみせた。「それでは、そう言う事だ」俺の頭の上にいた七星てんとう虫は、そう言うと、路地裏の空へと、飛んで行った。路地裏の空を見上げながら、詠んだ一句。 今年は、読んでいただき、ありがとうございました。(*v.v)。皆様、良いお年を ヽ(*'0'*)ツ↓押してくれると、いと嬉。(*^o^*) Web小説 ブログランキングへ
Dec 31, 2014
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100円のガラス細工に光あれ! 黒句ガラス工房の店先の荒れた庭を、白い雪が覆い隠していた。寒さに弱い黒猫の俺には、この雪はかなり堪える。猫用の自動ドアから中に入ると、暖炉の牧が、パチリと音を立てた。暖かさを演出した。3年前は、お洒落な店舗を構えたガラス工房だったのだが、諸事情から、店を仕舞い、今は殺風景な姿を晒している。諸事情が何なのか、人間達の事情など、黒猫の俺には理解できない。俺に解るのは、店を閉めた後には、1人娘の雛形さんが1人だけ残った、と言う事だけ。彼女は現在、芸術大学に通う女子大生だ。 元店舗の棚には、雛形さんが作ったガラス細工が飾ってある。全部、猫のガラス細工だ。ちなみにモデルは、全部俺だ。照れるぜぃ。しかし、悲しいかな。フリマで100円しか値が付かない(泣)ある日、雛形さんは言った。「私には才能がないの・・・」と。「モデルがダメなのかも、ダメ猫をモデルにしても、やっぱし」と言う俺に彼女は「そんな事ない、マリちゃん(←俺の事)には、何かある。それだけは、確信してる。」と、言ってくれた。嬉しかったけど・・・・複雑。工房の店舗に置いてある、ゆらゆらと揺れる安楽椅子で、雛形さんは眠っていた。 確信されてるのに、好きになってくれてるのに、彼女に、何もして上げられない。俺は、ただの黒猫。雛形さんが作った、猫のガラス細工達を見ながら、詠んだ一句。 ↓押してくれると、いと嬉。(*^o^*) Web小説 ブログランキングへ
Dec 24, 2014
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『ねじ巻き黒句(クロック)』 生贄に選ばれたる悲しみよ 黒句植木屋さんちの、さっちゃんが作る、チーズイン猫まんまは、最高!さっちゃん家の冷蔵庫に、チーズがある時は、チーズ イン 猫まんまなのだ。今日は、ついてる♪俺が、そんな事を思っていると、さっちゃんが、「猫は箸使わないよ」と。俺は、テーブルの上にある箸を取ろうとしていた。取れるはずはないのに。そして、自分の肉球を見つめた。前から薄々感じてた事だけど。俺は猫なのか?姿形は、黒猫だ。でも、意識しないと、自分が黒猫だと意識しない。もしかすると俺は人間か?童話の世界の様に、何か呪われるような事をして、黒猫の姿に、変化させられたのかも知れない。その事を、なぜか俺の猫語が解るさっちゃんに、言ってみた。さっちゃんの優しい手が、俺の背中を撫でた。さっちゃんの手は、触れるだけで愛情が伝わって来て、孤独な野良猫だった俺は、泣きそうになる。さっちゃんは、小6らしからぬ、大人びた口調で言った。「まほろば君は(←さっちゃんは俺の事をそう呼ぶ)何もしてないわ」「何か知ってるの?」「まほろば君は、何もしてないのに、妬(ねた)まれ、蔑(さげす)まれ、そして、生贄として、黒猫に変化させられたの」「そんな・・・」「今の私に言えるのは、これだけ」そこへ、誰かが帰ってくる音がした。「まほろばちゃん、逃げて!」「そんな・・・せっかくのチーズイン猫まんまが!」「猫嫌いの親父にバレたら殺されるよ!」その声に、俺はさっちゃん家の庭へと飛び出した。「不条理な・・・」さっちゃんは呟いた。さっちゃんの庭の木陰で、俳句を詠む黒猫が詠んだ一句。↓押してくれると、いと嬉。(*^o^*)Web小説 ブログランキングへ
Dec 17, 2014
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