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東方農苑@上海パンダ

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2008.08.05
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カテゴリ: 農苑雑記



その景色とは裏腹に、穏やかな日は3日として続かず。

・・・まぁ、この学びの中で続くわけが無く◎




今日。

大工さん、左官さん、小孫の3人がここを辞めた。



~~~~~



きっかけは・・・

昨日朝、ミーティングでの愚道さんの一言。

『ここに住む民工さんから家賃をもらう事にする。』



海外遠征も視野にいれてメンバー全員を技術チームにしたいとの思いから、行く行くは皆が社員となって保障も休みもあるような暮らしをして欲しいという思いからのけじめと、暮らしぶりの問題。
たとえば・・・現在、いつの間にかボトルの水を無料で提供してしまっているが、かなりの量になるのでお金を取ったほうが良いのか?っとなるが、こちらの人は有料にしたら買わないだろう・・・しかし、身体に悪い臭い水道水を飲んで欲しくない。

などなど。

日頃からの私たちの日本人感覚の一方的な観念と、
その日の朝の愚道さんの勢い(・・・)が、愚道さんの中で『家賃』という言葉になった。



しかし、この事はあくまでもきっかけに過ぎず。


波紋は広がった・・・。


・・・



『家賃をとるなら辞める。』

今現在、4階建ての3階には、小孫家族、そして大工さん、左官さんが暮らしている。
実は昨夜、飲んで酔っ払らい、勢い付いた3人がちょっとした反乱を起こした。



そして愚道さんは納得し・・・
今いる3人は、最初に伝えていなかったので家賃はとらない。
っが、今後民工さんが増えるのでけじめとして、月に家賃分上乗せするから家賃を払う形にしてはどうだ?っと提案した。

しかし、日本では通じそうなこんな提案もこちらでは理解されず・・・


消化不良。






~~~~~



っで

今朝のミーティング。

雪さんにも来てもらい、全員参加の話し合いが行われた。

・・・

通常、日雇いの民工さんから家賃をとる事は無いそうで・・・
家賃の話は白紙であっさり終了。

そういえば、私たちが初めて来た4月、ここの民工さん達は建築途中のだだっ広いコンクリートの建物の片隅で薄い汚い毛布に包まって寝ていた。
民工さんは住む所はどんな悪条件でも大丈夫なんだった。。。
まぁ、愚道さんにはその悪条件さが容認できない事なので改善したくなるのだけれど。
どこまで生活に踏み込んで良いのかはココに来てからずっと続く課題だ。


っと。

それから、せっかくだからと話が広がり・・・


愚道さんが民工さんに、どんな思いでおり、みんなにどうなって欲しいと思い計らっているかを伝え、それについて民工さんがどう思うか率直な意見を聞いた。
思えば、今までは郭さんを通して話を聞いていたので、みんなが同じ思いでいると勝手に思い込んでいた事だ。

民工さんの話を一言で言うと・・・

長年の民工生活で若い時は『いつかいつか』とボスに騙され続け、今、日本人が来て上手い話を言われても考えられないし信じられない。今は家賃を取り消されても、またいつボスの気が変わるか信じられない。自分達は、現実だけを信じて、その日一日働いたお金が貰えればいいだけだ。そんな今に満足しているので、技術向上のチャンスであっても興味ない・・・。

っと、そんな感じ。


・・・

そういえば以前聞いた話を思い出した。

こちらの民工さんには給料日が無い。
(民工は全て日雇いで日給制)

よって、2,3ヶ月支払われないことも当たり前にあるそうだ。

それは、会社の金銭的な理由だけではなく・・・
支払日を決めると、それに合わせて計画的に民工が辞めてしまうとの事。だから、支払いを不定期にするそうで。。。
民工から言わせると、給料が支払われないまま、サボっていたとかなんだと理由をつけて解雇され、結局給料が全額もらえなかったりするそうで。。。

そんな会社に、恩義を感じるわけも無く、辞めて立ち去るときには、当たり前のように会社の備品を持って帰る(泥棒する)民工が多い。
だから、会社はなんでもかんでも鍵をつける=鍵だらけ。

そして、こんな環境で良いモノが出来るはずが無い。


ものすごい悪循環で中国は回っている。

どっちもどっちのふんだりけったりな世の中だ。


何も信じず、お金だけを目的に生きるしか、生き残る術が無い。
この国のシステムでは、そんな風になってしまう民工さんを責める事は出来ない。

民工生活を長年やってきた人たちに、私たちの理想論を説いても理解されるはずが無かったみたいだ。
習慣や価値観の違いは大きいが、まず自分を信じることが出来ない人に、日本のやり方は通用しない。


・・・


しかし、ここ東方農苑で中国の悪循環を作る気はまったく無い。
やる気があり、お金以前に大切なことがある事を信じる人たちと仕事がしたい。
この国にも日本人の気持ちを持った人はたくさんいるし、現にそんな人たちがいるから『東方農苑有限公司』が出来たのだ。


小孫、大工さん、左官さんの3人とは、改善策を話し合ったが、結論として『辞めたい。』との事で、辞めていただいた。



しかし。
しかし。

そんなことでなにも今辞めること無いのに・・・???
っという思いから行き着く、もうひとつの辞めたい理由。。。
これは、あくまでもこちらの憶測に過ぎないが・・・

これまでも大工さんと左官さんの言葉や態度の端々に、技術面の自信の無さが伺えた。

もともとアバウトな仕事をしていた職人に、図面通りの家具。目地の揃ったタイル張りを要求するのだから、50過ぎの職人にはちょっと酷だったのかもしれないし、そこに世界巡業できるチーム作りを目指すんだと伝えたので、躊躇があったのではないかとも思う。

二人とも、人が良くて親しみやすく、私も仕事がしやすかった。
もしかしたら、これは東方農苑への彼らの心遣いかもしれない・・・とも感じている。


そうであると思う。



~~~~~



何気ない一言から起こった波紋。

落ち着くところに落ち着いた。



『東方農苑』新たな始まりです。

私たちの思いを理解し、自分の可能性を信じる民工さんを探しはじめます。



起こること全てが完全でありがたい日々。

だからこそ、

常に誠実であることを心がけていこう。


っと

心機一転。



心も新たに始まりです。



~~~~~


追記


翌、6日朝5時。

故郷が同じ3人と家族は、連れ立って旅立って行きました。

いろんな思いを胸に、笑顔でお別れ。



『ありがとう』

『さようなら』



(遊)





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最終更新日  2008.08.06 16:00:21 コメントを書く
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