桜梅桃李

桜梅桃李

「心こそ大切なれ」

「心こそ大切なれ」


雲は「空の感情」だ。
 その時々の、空の気持ちを映して、雲は刻々と変化する。
 燃える雲。光る雲。怒る雲。微笑む雲。のんびりと漂う雲。喜びの雲。ち ぎれ雲。
雲は「空の色彩」だ。 銀の雲。白き雲。黒き雲。銅色、紫、茜に碧。黄金の雲もある。虹色の雲もある。 気象の状況、四季の変化、山河の形や人間の活動まで、雲というスクリーンは精妙に映し出す。
 日本の青年歌人は「雲は天才である」と言った。
 そう、雲は自在だ。心のように!
 雲は止まらない。心のように!
 雲は鎖で縛れない。心のように!
 雲は形に、とらわれない。
 雲はお金で買えない。
 雲は変化はするが、滅びない。
 雲は、心のように変幻自在。

 「さあ、やろう」と奮い立つのも心なら、「行き詰まった」と思うのも心である。「もうだめだ」と思うのも、自分の心のなせるわざである。
 心の外に法はなく、心の外に貧富はなく、心の外に幸福も不幸もない。
 だから、自分の心を変えるしか幸福はない。そして、自分の心を変えられるのは自分だけなのだ。
 見よ、一天、黒雲に覆われようとも、その奥に、なお燦として青空は輝き、満天の星は輝く。
 ならば、吹き飛ばせ、吹き飛ばせ、心の暗雲を!

 雲を走らせる風がある。風を走らせる力がある。すべてを動かすエネルギーがある。
苦しみに沈む人よ、あなたの命にも、その「限りない力」が働いている。その「大いなる命」に目覚めることを、幸福という。
悩みに顔を伏せる人よ、あなたの頭上で、あなたを守って、天が見ている。その「永遠のまなざし」に気がつくことを、信仰という。
だから下を向いていないで、頭を上げよう!
一念の「念」の字は「今の心」。この「今」の心の空に、何を浮かべるかだ。



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