JOHN WETTONは76年にURIAH HEEPを脱退し、ELPのようなトリオを結成しようと画策していた。そこで声をかけたのが、KING CRIMSONの元同僚でファースト・ソロアルバムを出して間もない頃のBILL BRUFORDであった。そしてBILLの勧めもあり、元YESのRICK WAKEMANに声をかけてリハーサルを行っていたが、レコード会社の契約の問題とYESに復帰する話もあり(実際この後まもなくRICKは再びYESに復帰することになる)頓挫してしまう。次に声をかけたのが、JOHNがROXY MUSICで一緒に活躍していたEDDIE JOBSONである。 リハーサルを重ねていくうちにギタリストの必要性を感じた3人は、BILLのソロアルバムに参加していたALLAN HOLDSWORTHを招へいすることになる。こうして第1期の「UK」が誕生した。
【U.K.】1978 EDDIE JOBSON = electric violin,keyboads and electoronics JOHN WETTON = voice and bass ALLAN HOLDSWORTH = guitars BILL BRUFORD = kit drums and percussion
①IN THE DEAD OF NIGHT (JOBSON/WETTON) ②BY THE LIGHT OF DAY (JOBSON/WETTON) ③PRESTO VIVACE AND REPRISE (JOBSON/WETTON) ④THIRTY YEARS (WETTON/JOBSON/BRUFORD) ⑤ALASKA (JOBSON) ⑥TIME TO KILL (JOBSON/WETTON/BRUFORD) ⑦NEVERMORE (HOLDSWORTH/JOBSON/WETTON) ⑧MENTAL MEDICATION (HOLDSWORTH/BRUFORD/JOBSON)
【DANGER MONEY】1979 EDDIE JOBSON = keyboards & electric violin JOHN WETTON = lead voice & bass TERRY BOZZIO = drums & percussion
①DANGER MONEY (JOBSON/WETTON) ②RENDEZVOUS 6:02 (JOBSON/WETTON) ③THE ONLY THING SHE NEEDS (JOBSON/WETTON) ④CAESAR’S PALACE BLUES (JOBSON/WETTON) ⑤NOTHING TO LOSE (JOBSON/WETTON) ⑥CARRYING NO CROSS (JOBSON/WETTON)
produced by EDDIE JOBSON & JOHN WETTON
さてBILLとALLANが抜けてこの先の方向性を模索していた2人は、JOHNの最初のコンセプトに沿ってトリオでやろうということになる。そこでEDDIEがMOTHERS OF INVENTION(FRANK ZAPPAのバンドである)で一緒にやっていた、TERRY BOZZIOを推薦する。TERRYはジャズ出身であり、クラシックも学んでいる異色のドラマーである。MOTHERSにいたことからもジャンルにとらわれず幅広い音楽性を持った優れたミュージシャンである。(この当時はまだ無名であったらしいのだが・・・TERRYと言えば、CHシンバルを2枚正面にそびえ立たせてる今のメタル系ドラマーのセッティングの走りでもある。そしてロートタムのキットで大きく開いた正面から派手なアクションでドラムを駆る姿がトレードマークとなった)BILLとは違い、どちらかと言えばPOP ROCKに傾倒していた。この後MISSING PERSONSを結成することからもお解りだろう。 前作に比べると、明らかにPOPになっている。しかしながら、複雑な展開から大作的な展開とバリエーションにとんだ、この当時にマッチしたプログレ感が秀逸な作品になっている。もちろん3人の持ち味が十二分に発揮されている。ときにCRIMSONのようであり、ROXYのようであり、MOTHERSのようであり、この先に登場するGTR的でもある。と言うことは、紛れもなくJOHNのバンドなのである。 この後、パンク、ニューウェイブ全盛となり、已む無く発展的解散を余儀なくされるが、プログレを語る上で伝説的なバンドであることには変わりは無いのである。後期メンバーはヴィジュアル的にもかなりいけてる部類に入るのではないだろうか。