そよ風のように☆

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君に恋した夏(22、)



塾帰りだった。
最近は友達と帰ることが多くて、悠ちゃんと帰るのは久ぶり。

『ぎりぎりT大学合格ラインだって。悠ちゃんは?』
『俺?俺ね・・・。』

悠ちゃんの顔が引きつる。

なかなか答えないから、悠ちゃんの手から結果の用紙を奪う。

『何これ?T大学余裕じゃん。ムカつく!』
『は?』

『だって、いつも遊んでばっかりじゃん。』
『あのね、俺だってやる時はやる男なんだよ。』

私は負けた事が悔しい訳じゃなくて、悠ちゃんが素直に話してくれない事にムカついた。

『そういえばさ、竹中って知ってる?』
『うん、同じクラスの竹中健君?』

そう言った私は少し頬が温かかった。暑いせいじゃない。

『そう』
『どうかしたの?』
『あいつってさ、彼女いるのかな?この前コンパ断られたんだよね』

話した事はない。そんな噂も聞いたことない。
『さあね。でも、竹中君狙いの子意外と多いいよ。』
『マジで?あいつモテルの?』
『そりゃ、誰かさんよりクールだし』
『人気者だって言ってくれ』
『一途そうじゃん?』
『そんなの分からんぞ。男ですから』
『悠ちゃんほど、軽くないよ』
軽蔑の目で見る。
『何を根拠に』
悠ちゃんの言葉を遮って、
『私知ってるんだからね。2組の久美ちゃんに5組の由梨ちゃんと二股かけてたって話聞いたもんね。』
『何?妬いてるの?』
意地悪そうに聞いてきた。
『有り得ないから。例え地球で生き残りが私達だけになってもないしね。』
『そこまで言わなくても。じゃ、竹中なら良いわけ?』
なんで?そこに竹中君が出てくるのか分からないけど・・・。
耳まで熱くなっているのが分かる。

『マジで?!やけにあいつの肩持つと思ったら、お前あいつのこと?』
驚いてる悠ちゃんの顔には『意外』の二文字がちらつく。

『別に、そういう訳じゃないけど』精一杯の強がりだった。

そして、私は偶然にも代々木駅のマックにあなたを見つけるんだ。

そう。隣には、あの目の大きなショートカットの女の子と並んで座ってる。

塾では、見たことのないあなたの笑顔。

血が一気に地面に叩きつけられてしまったように、体から血が引いていくのが分かる。

真夏だというのに、私の体からは熱が奪われてしまったようだ。


体が揺さぶられる。
『美華?おい。』

目を開けると、其処には悠ちゃんが立っていた。

あれ?

『寝ぼけてるよ。マスター一体何杯飲ませたら、こうなるの?』
『悠一君が迎えにきてくれるからいいじゃない?』

何故か?悠ちゃんの顔が赤いようにみえた。

『だいたいお前もお前だ。もういい。美華行くぞ。』
一度マスターを睨んでから会計して、赤のスポーツカーに乗せられた。


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