エトナの独り言

エトナの独り言

駄文2 クレア叙情詩


なんとも黄色い少女が悪びれもせず客引きのように話しかけてくる。
あの子の依頼はいっつも無理難題が多いと評判のイベントクエストカウンターのミズキは屈託のない笑顔(*´∀`*)だ。

いつもどおりの晴れ渡るこの町、メゼポルタの広場はいつもの通りさわやかな陽気で、こんな日にはのんびりとアプトノスと戯れながら肉焼きでもしてくつろぎたいと思う程に晴れている。
そのメゼポルタの嵐とも言うべきものは、嵐を呼ぶ古龍だけでもなく、何メートルにも渡る巨躯で災いと共ににじり寄ってくるものだけでなく身近にもいるのだ、この少女のように。


この少女のおかげで何度か、何度か、死にそうな目にもあっているのだが…、もうすでに目をつけられているっぽい。
ハンターさん達ィ~と言っていつつ周りには誰もいないじゃないか。
お、俺だけか、あいも変わらず。
それに…この子、話長いというか、気持ちが高ぶるとずぅ~~~っと喋っててもお構いなしなんだよなぁ~~~。

と、軽く迷惑そうな顔をしていてもお構いなしに話を進めるミズキ。
「ハンターさんにぃ、うってつけの依頼なんです^^是非こなしていただきたいなぁ~っと^^」
何がうってつけなんだ。いつも無理難題押し付けるから周りに誰も近づこうとしなくなるんじゃないか。
と、心の中でつぶやくも聞き入れてはくれまい。
口元をヒクつかせながら俺もしょうがないから話を聞く。

「で~~~、今日は何なんだ。」
うなだれながら聞くとミズキは微笑みながらさも待ってましたと言わんばかりに語気を荒げて話し始める。
「ハンターさん!朗報なんですよぉ!以前もハンターさんの協力のおかげで、依頼人のハボックさんからお礼の手紙まで頂いた次第で。そしてそして、今回だってきっとこなしてくれると思い、こうやってお誘いしているわけなんですよぉ^^」
激しい身振り手振りとコロコロと表情を変える彼女はこうでなかったら可愛い少女なのだが…。
うんうんと、一人頷きながら続ける。
「今回の依頼主さんは、え~~~と~~~…、そうそう、これこれっ!劇団不死鳥座さんの座長さんですねぇ~~^^なんでもなんでも!この依頼を引き受けてくださった方には、家宝秘伝の大剣をお譲りしようかと思案中…とのことなんですよぉ!!ね^^ハンターさんの担いでるのも・・・ね^^」

その細~い目で、目配せをするな、俺の背中に。

いつも通り…、見ているのか、見てないのか、覚えているのか、覚えてないのか、作戦なのか、天然なのか?わかりにくいけど、まぁいいように引っかかっちゃうんだよなぁ、情けないながらも。
まぁ、男ってのはこんなもんさっ。女の笑顔のお願いには俺みたいなむさ苦しいハンター稼業の男なんざコロッといっちまうんだ。
と、なかば自己陶酔に浸りながらも振り向くと、

「そこゆくハンタァーさぁ~ん!!いいクエありますよよぉ~~!!」
少し離れたところにいる通りすがりのハンターを見つけて大きく手を振りながら笑顔で招き入れようとしてる。
い、いかにも初心者そうなハンターに色目を使うな、あれハンター装備一式じゃないかっ
向こうも驚いた顔で「俺っ?」っと自分に向かって指を指している。
「ヲイっ!!俺を目の前に堂々とほかを当たるなっ!」
ツッコミをいれる俺にニコッと(もう、わかってますよ)といわんばかりの笑みで目配せをしながらミズキはあいも変わらず大きな手振りで話しかけてきた。
「ジルベールさんはもう行くこと決まってるじゃないですか^^他の方にも当たっておかないと、ジルベールさん、火がつかないでしょう^^」
ちゃんと名前まで覚えてんじゃねぇか(`・ω・´)しかもいくのきまってるって!!
その上、俺に火がつかないことまでお見通しって言うのも何なんだよっ!

またしてやられてる…。
ミズキはいたずらっぽく笑うと不機嫌そうに頭をかく青年に続けた。
「依頼主さんは明朝こちらにこられます。それまでに準備をお願いいたしますね」
「準備って何か、必要なものってあるのか?」
「んん~~、そうですねぇ~~~、やっぱりぃ~~~~~努力と根性!!それに情熱ですよ!!」
「はいはい・・・゚(゚´Д`゚)゚」
ハメられたかのような、このやりとりももう3度目か。
いい加減俺も学習しないとな、このミズキの笑顔にも騙されないようにしないと。ふぅ><



ため息ハンタージルのベテランクエスト クレア叙情詩











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