final plus

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FINAL PLUS




FINAL PLUS 選ばれた未来




「一緒に戦おう」


byキラ



今回は、まさしくファイナルプラス。

続いてきた、人の歴史の中で、絶えなかったのは争い。
真理を求め、禁忌を犯し、知りながらも、理解できず。
目の前にあるもので視界は覆われて、見えなくなって。
ならば、見えなくなってしまえばいい、全てを。
いや、見ようとすればいい、少しでも。

今この道を、未来を選ぶというのは、運命か。

ただ今は、己の信じる道を。信じる仲間と共に…

DESTINYプランをめぐる、ザフトとオーブ派の戦い。
差し迫る時間、消えてゆく命、祈り、夢。
オーブを撃たせるわけにはいかない、何としても。キラはアスランとアークエンジェルをレクイエムに向かわせ、自らはエターナルと共にメサイアに向かう。
ザフトも躍起になり、大量の戦力をレクイエムへと投入。互いの総力戦へと発展した。
膨らみ消えていく光の花で溢れる宇宙、因縁は避けられない邂逅。
シンはルナマリアの乗るインパルスが、赤の機体、ジャスティスに攻撃されるのを見た。
 どうしてあんたは、あんたはっ!!
声を荒げ叫び、溢れる怒りとその裏にある悲しみが、シンの目を染めていった。
幾つものドラグーンとビームが絡まる中に、キラとレイはいた。
―オレは、ラウ・ル・クルーゼだ…
レイの告白は、キラにある種の納得と疑問、困惑を与えた。
―この世をリセットし、人は歩み直さなければならない、正しい道を…その為には、消えるんだっ。お前も、オレも。もう戻れない、『結果』同士なのだから…。
『あってはならないもの』の悲痛の叫びが響く。残響が未練のように…
でもキラは違った。造られていようが、クローンだろうが関係ない、君は君だ、1人の人だ、と。
キラの想いと放たれた光は、レイを"伝説"という名の因縁から抜け出させたのだった。
一方で、シンは"運命"に強くすがっていた。
―知りながらも、分かりながらも、自分にそうする権利は…無い。こうするしか、この"運命"に従うしか無いんだっ!!
意固地になったシン、デスティニーがジャスティスへと加速する。届く手前、インパルスが割り込んだ。
もうやめてっ、ルナの言葉はシンに届かずに、逆にシンを追いつめた。
―どうして、みんな…もぉやめてくれ…
次の瞬間、攻撃はシールドで受け止められ、聞こえてきた「馬鹿野郎ぉっ!!」の声と共に振り下ろされたジャスティスの光刃が、デスティニーを切り裂いた。
デスティニーはもはや戦闘不能に。だが、それこそがシンの求めていたことだった。
―ステラに会った、様な気がした。
 また明日って、明日が嬉しいって。
 ステラ…そうだよね。
 ごめんね、ありがとう、ステラ。
アスランとムウが防衛線を突破し、レクイエムを破壊。吹き上がる爆煙は、デュランダルに然るべき刻を報せていた。
シンが目を覚ましたのは、ルナの膝の上だった。
オーブは討たれなかった、そう聞くとシンは、それが許されたように泣いた。
―よかった…。
シンはルナに抱きついた。苦しみも喜びもわかってくれる人が、優しく微笑み泣いてくれた。
メサイア、議長室。
ミーティアを装備し突破してきたキラが、互いに銃を挟んでデュランダルと対峙する。
デュランダルはあくまで、自分のデスティニープランは正しんだ、人は繰り返す、これは真実だと説いた。
―そんなことはない、人は変わっていける、わかりあえる。僕も、みんなも、人だから。
 もし、世界が闇に包まれても、覚悟はある。
 僕は『戦う』。
キラの言った言葉が、誓いが、強い想いが、1人の人を変えた。
紅い血筋を引きながら、デュランダルが銃弾に倒れた。
レイだった。
自分は人だと、レイだと、明日を生きて良いものだとしていたかった。
それゆえの、デュランダルへの反発だった。
デュランダルは、レイに討たれたことを知ると妙に納得したようだった。
終わりの時が近づいている。
キラとアスランはそこを離れた。
デュランダルはその頭をタリアの膝の上に置き、運命の皮肉さに笑いながら、微笑む。
タリアはその胸にレイをレイとして抱き寄せ、優しく包み込む。
タリアに抱かれたレイは、レイになった。
―おかあさん…
これが、レイのレイとしての証だった。
メサイアが月面に落ちる。黒々と重い噴煙を上げて。
それぞれがそれぞれの想いを、その光景に見ていた。

C.E.74 プラント、オーブ連合首長国は停戦。終戦の為の協議に入った。
両国の関係を仲介したラクス・クラインはプラント評議会の要請を受けプラントに戻った。

オーブ、かつてシンが、一瞬に家族を失った場所にある、慰霊公園。
焼ける木々と土、人の臭い、家族の無惨な姿。その光景を無かったことにするような、そんな綺麗事なココがシンには嫌だった。
しかし今は、遠くない昔に自分達がした戦闘の中で、その公園は崩れ果てていた。
―こうしたかったわけじゃない。
辛うじて残っていた慰霊碑に献花し、シンは悔いた。
―どうすれば、良かったんだ…
ピンクの携帯を握った手に、力が入った。
『トリィ』、みんなの驚き振り向いた先にいたのは、2人の男女。ピンク色の髪をした方は、誰が見ようとラクスだった。
もう1人の、茶色の髪をした、これほどなく穏やかな青年。
 彼がキラ・ヤマト。フリーダムのパイロットだ。
アスランから言われたその言葉は、すぐには受入がたかった。はっきり言って、そんな顔じゃない。
そのあとすぐに、あの時の、フリーダムを討ち倒したときの記憶が蘇る。
―後ろめたい。でも…
その時キラが、手を差し出した。上手く、手が出せない。
 ダメかなぁ…。
シンはキラと目を合わせ、一歩踏みだし、手を握った。
―言えない…
シンはそれでも戸惑った。でも、キラは言った。
 いくら吹き飛ばされても、僕らはまた、花を植えるよ、きっと。
―僕、ら…
アスランも続いた。
 それが、オレ達の戦いだな…
―オレ達…

 一緒に戦おう

優しくキラは、シンに言った。
シンは目を見開いた。
―わかっていた。もっと前から。
シンの頬を、涙が伝う。今まで、素直になれず、遠回りをしてきただけ。

 はい

花が吹き飛ばされようとも、種があれば、また咲かすことは出来る。
咲き続けることは、無いだろう。
だからといって、諦めない。
種を失わずに、諦めずに。
次の花を、咲かせるために、今日も、明日も。









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