三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

断食の話


こう聞いたことがあります。

「人間が六道の中で経験できる世界は唯一餓鬼道だけだ!」

その後、修羅道、地獄道に落ちていると思われる人を見ました。
しかし自分の意思で経験できるのは餓鬼道以外はありません。

私は3度ほど断食を経験しております。
うち最初の2度は韮崎にある道場で行っています。
そこは特定の宗教とは関係ないところです。

20歳の頃アトピー性皮膚炎がひどかったため
体質改善のために行きました。

最初に3日ぐらいかけてだんだん食事を減らしていき、
そして断食に入るのです。

断食にはいると頭が重くなり、妙な臭いがしてきます。
水をたくさん飲んで老廃物を出していきます。
何日か経つと宿便という黒い便が出ます。
最初の断食は一週間です。

体がだるいのでほとんどごろごろしていました。
すると1週間経って食事を取り外へ出たときに歩けないのです。
筋肉までが衰えたのでしょうか?
道場からわずか100メートル歩いただけで、恐ろしく遠くまで
来たようで道場まで帰り着けないかと思い、やっとの思いで
帰りつけた記憶があります(本当)
そこで、少しずつ食事を増やしながら、毎日歩く距離を
伸ばしていった記憶があります。

よく、山中で遭難した人が2~3日たっただけで衰弱しきって
立てないで担架で運ばれています。
睡眠不足もあるようですが、食事を取らないで動かないでいると
歩けなくなってしまうのです。

注意しましょう。

2度目の断食はもっと大きな失敗をしてしまいました。

断食は入る時はそれほど難しくありません。
また断食中はそれほど何か食べたいとも思いません。
終わったら何か食べようとは思いますが、実際には食欲が
あるわけではありません。

大事なのは断食を終えて普通の食事に戻す時です。
断食をすると胃腸の調子がよくなるので食欲が出てきます。
終わったとたん食欲に任せて食べてしまうと
最悪の場合死に至ります。

私の場合断食を終えてから道場にいたときは出される食事以外
食べませんでしたが、終わって帰りの列車の中で
いろいろなものを食べてしまい、
断食の効果がなくなってしまいました。(笑)

断食ではありませんが、私の知っている行者さんは行中
食事を制限していたのを終わったとたんいろいろなものを
食べてしまい亡くなりました。

ですから戻す時は気をつけなければなりません。

3度目の断食では山越えをしていましたが、登る時は本当に
苦しかったです。
呼吸に併せながら一歩一歩登っていくのがやっとでした。

断食を終えて少しだけ食料を口にすると
不思議なことが起きました。

体が羽根のように軽くなったのです。
山登りなど飛ぶように登れます。

食べる量は一食分を三度に分けて食べていましたから、
栄養的には全く不足しているのですが、不思議と空腹を
感じるわけでもなく、いわゆるガス欠にもなりませんでした。

仙人は霞を食べて生きているとも言いますが、
ちょうどそんな感じです。
この不思議な感覚は食べる量が徐々に増えていくと共に
失われてしまい、以前の重いからだに戻ってしまいました。

貴重な体験だったと思います。

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