3つのたから

3つのたから

悠太のできるまで。(出産編)



ある夜、お腹の張りで目が覚めた。計ってみると、5分間隔で陣痛が来ている。

ヤバイっ!時は、真夜中2:00-である。パパッチを起こし、創は寝ているので

そのまま置いて病院へと急いだ。

しかし・・・何かが違う。病院へは無事着いた。陣痛室に通され、「このまま出産

になりますね。でも、まだ時間はかかると思いますので帰られてもいいですよ」と

言われパパッチ帰宅。

そう言われても、私は何かがおかしい事に気づいていた。


痛くないのだ!!

陣痛とは、字のごとく『痛い』はずである。痛くない陣痛。これで、生まれてくれ

るのならバンザ~イっ!!だ。助産士さんは「もう3分間隔だよ」と言う。

でも、全く痛くもかゆくもない。2人目だから・・・?

「痛くならないと生まれないですよねぇ・・・?」と聞くと「そうだねぇ・・・

痛くないと生まれないねぇ・・・」と3分で来ている陣痛を前にアホな会話。

朝には、その陣痛・・・消えました。ガー―――ン・・・。

でも、創を残して来ている私は 早く産んで帰らなければっ!!という使命に燃え

てしまったのだ。「帰ってもいいよ~」と言われたが「いいえっ!頑張ります!」

と1人、病院中を歩き回り、階段をこれでもか~~~っ!!というくらい昇降しま

くったのである。

しかし・・・疲れただけだった。

入院から12時間後、朝 買ったスポーツ新聞を片手にすごすごと自宅へと帰った

私。  しめて 『26,000円也』

何もしてないのにぃ~~~~!!(号泣)あ~~もったいない・・・。

それから2週間後・・・やっと待ちに待った陣痛到来です!!この時点で、私は

『狼少年』ならぬ『狼にんぷ』になっていました。前駆陣痛が長すぎて、だれも

信じてくれなくなっていたのだ。

日曜日。朝7:00―。いつもなら、パパッチはお休み。しかし、こういう時に限

って仕事。創と布団から出ようと「おはよう~!!」といった瞬間、お腹の中でも

「おはよ~~!!」という状態になったのだ。しかし、私自身 インチキ陣痛にだ

まされ続けた為に、イマイチ信用できなくなっていた。

そのまま、朝ごはんを作り、食べ、片付け、掃除、洗濯までやった。

確かに痛かった。でも、ガマンは出来る痛さなのだ。

病院へは連絡していない。とりあえず、実家の義母には電話した。

「陣痛来てるんだけど~!!」

「わかったよ~!後で行くね~!」

のんきな会話である。事実、この時すでに7分間隔だった。

陣痛のたびにうずくまる様になってきて、初めて病院に連絡。

怒られた。『早く来い!』というのである。

でも、私は「まだ、ガマンできるんだけどぉ・・・」とアホな事を言っていた。

実際、それでも病院へは行かず義母&義妹が来るのを 鼻歌まじりにシャワーを浴

びていたのだ。ドライヤーまでしっかりかけた。準備万端!!イザッ!

5分間隔。

病院へGO~GO~GO~!!

到着したとたん、強烈な陣痛に変わった。きっと、お腹の中でホッと安心したので

あろう。3階にある産科のナースステーションが、ものすごく遠く感じる。

ヤバイ・・・出る・・・。

やっと、エレベーターが来たっ!・・・着いた~~!!

「もう・・・出る・・・」

「だから、早くおいで!!って言ったでしょ!!」(怒)

速攻、陣痛室から分娩室へ。

その時、創はパニックになっていた。

「お母さ~んっ!!痛いのダメぇ~~~!!入院ダメぇ~~~!」

痛いのをこらえ「大丈夫・・・痛くないよぉ(^0^)ちょっと、待っててねぇ

~」と必死に創を落ち着かせようと頑張った。

しかし、号泣する創大。義母と妹は、売店に連れ去ってくれた。ホッ・・・。

ここで、妹。パパッチに連絡。

「今、入院したから」

「うそつくな!」     終了~。

その時、すでに分娩台の私。用意するまで待て!と言う。ムリだ。

助産師さんが着替えた瞬間『ザッパ~~~ンッ!!』助産師さん、ずぶ濡れ。

破水だ。

「生まれる~!裂けちゃうから切って~切って~!!」

「はいはい・・・大丈夫!」(何が?)

フンギャ――――っ!!   えっもう生まれたの?!マジで?まだ、イケルよ

~!もう1人産みたい気分。え?余裕?2人目ってラク~!!あ、へその緒見せ

て!ふ~~んっこんな風なんだ?

売店から戻ってビックリ!もう、生まれてた。

妹。ここでパパッチに連絡。

「今、生まれたから」

「うそつくなっ!!・・・マジで?」   終了~~。

陣痛開始からわずか3時間のスピード出産でした。

感想?「思い切り楽しかった~~!!」です!!

3,710g。私の『2つめのたから』誕生です・・・。




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