月に負け犬

月に負け犬

茎~悲劇と九月と満開の~


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「この厚いドアが破れることはないし、
 この自由の塔も崩れる事などない。」
「彼の乗った飛行機は無事に旅立つ。」

・・・どれも疑いもせず、不安に思う事などなかった。


 たとえ
 この事件の引き金があの台の上の人で、その発言で事態が肥大化しても。
 それは、九月に花を咲かすこの有毒の蔓たちの様。
 争いが始まり、それがこの先どれほど続いたとしても、
 そのきっかけの機体は瞬く間に墜落し、貴方は逝ってしまった。

 なぜなの? なぜ、こんな悲痛な結果になってしまったの?
 まるで夢のような出来事。



この呼吸出来ない苦しさは何だろう
自由の塔はどうなってしまったのだろうか。
見上げた空は果てしなく続くのに、
嘘が蔓延り、眼前に広がるのは血の海とその匂い。



 このようになってしまったからには
 泣き叫んだり狼狽えては、此処で終わってしまう。
 体を支えることが出来たのなら、考えて、前に進むのです。
 ようやく、呼吸の仕方も思い出してきたところ。

どうしたのだろう? 私は、魘されているのだろうか?
でも、この悪夢のようなものは、現実。



 これからは、
 生きていても、事態が収集しても
 消えない記憶は有毒の蔦の様。
 九月がまた来ても、これを受け入れることなどないわ。
 大事なあの人は一人しかいないの。
 失えば、もう帰っては来ない。
 どうか、どうか奪わないで下さい、神様!


 泣き叫んだり狼狽えたりは致しません。
 体を支えるように無事でいられたら、二度と同じ事は起きないから!
 何も要りません、だからあの人を助けてください。
 どうか、どうか、誰か、神様!!




「・・・まずは一つ目、世界貿易センタービルの、ノースタワー。」





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どこかで、この歌は911テロの歌だと聴いたので、解釈。
一番は妻、二番は夫、最後のサビは妻って感じです。
・・・切なくなるね(´・ω・`)




 2008年1月6日    アズ












此の扉なら破れない
其の塔なら崩れない
彼の天なら潰れない
何れも嘘らしく馨つてゐます

 喩へ蒔いても育つても仙人草
 咲いても強く色付かうとも
 瞬時に黙つて墮ちて逝きます

 如何して? 何故 哀しくなつたの
 現實の夢

此の肺なら破れない
其の顔なら崩れない
彼の天なら限りない
何れも赤色に匂つてゐます

 斯くて哭いては惑つては生りませぬ
 立つたら強く進まなくては
 やつとで呼吸に成つて来ました

 如何して? 何故 魘されてゐるの
 現實が夢


今日から生えても芽吹いても仙人草
咲いても悦び過ぎないから
大事な生命 壱ツ 壱ツだけ
だうか持つて行かれませぬ様に

哭いたり惑ったり致しませぬ 
立つたら弐度と倒れないから
何も要らない 壱ツ 壱ツだけ 
だうか だうか 誰か 嗚呼

 エントリー番号壱






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