『犬神家の一族』


子供の頃のトラウマからずっと観たことがなかったのですが
今なら大丈夫ということで。

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信州の犬神財閥の創始者・製薬王の犬神佐兵衛が
腹違いの娘3人とその息子たち、
そして佐兵衛の恩人の孫娘・野々宮珠世らを残して亡くなりました。
血縁関係者が揃った場で公開された遺言状には
3人の孫のいずれかとの結婚を条件に
全財産を珠世に譲るという内容でした。
遺言状を預かる法律事務所の若林は
この巨額の遺産が一族の争いの元凶となることを予期し
金田一耕助に調査を依頼しますが、
ほどなく一族間で次々と殺人事件が発生してしまうのです・・
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オリジナル版の公開は1976年。
角川映画の第一弾として大ヒットした作品で
当時と同じ市川崑監督によるもの。

人気のシリーズとあって、劇場には往年のファンといった
雰囲気の方々がたくさんいらっしゃいました。
その中に中学生とおぼしき若者もいましたが
はたして、昔を知る人知らない人
それぞれにどんな想いを抱いたのでしょうか。
おいらは後者ですが、正直な感想としては最初
『うわっ!なんか古くさっ!』と思ってしまいましたσ(^◇^;)。。。
ですが、それはあえて昔のタッチを尊重した結果とのこと。
台詞もカット割りも同じだとか。

同じ古いといっても、今流行の
ノスタルジックな昭和レトロとは違います。
今のブームは『現代にはない』部分のイイところ。
この作品は悪いところというか、
なんか昭和のドロドロしたところを描いてる感じです。
ですが、人間のエゴや欲望によって殺人が行われる様子は
今の社会にも通じるものがあるかもしれません。
こういうサスペンスものって、昔のを観た方にとっては
犯人がわかってる訳で、その辺はどうなんでしょ。
おいらの周りには『もうわかってるから今更いい』という方
『知ってる上で“次はこれがくるぞっ”て思いながら
観るのがいい』という方まで様々。

金田一役の石坂浩二さんを始め、
何名かオリジナル版のキャストが出演されているので
この辺も楽しみのひとつなんでしょうね。
そんな中でおいらが気に入ったキャラクターは
那須警察署の等々力署長です。
右手を手刀のようにして空を切りながら
『よーし、わかった』という台詞を言うシーンが
何回か登場するのですが
これがなんかおかしくってやみつきになっちゃいそうでした。
この署長役の加藤武さんも昔からこの役なんですよね。
(役名は違うそうですが)
往年ファンの皆さんが『あの人がまた観たい』
と思う気持ちがわかるような気がしました。
『古くさっ』なんて、ちょっぴり思ってしまったおいらでしたが
要は“30年前と同じ”ということがこの作品の魅力なんですね。

しかし石坂浩二さん65歳とは・・お若いですね~

キャストとしては富司純子さんの演技が圧巻でした。
息子役の尾上菊之助さんとは実の親子だからか
しっかりとした愛情が伝わってきました。

最後にひとつ気になったのは、古館弁護士の
『あの人(金田一)、まるで天から来た人のようだな』
という台詞。
ぢつはそこまで金田一に対してこの作品では
感慨深いものがないというか
『そんなに言われるほど活躍してたか?』
という印象。

だからそのラストの台詞がそらぞらしく聞こえちゃって
残念でした★

テーマ曲は旧作を観たことがないはずの
おいらも聞いたことがありました。
作曲家の名前にも見覚えあり・・大野雄二
なーる★
ルパン三世でおなじみのあの方ですね~


その他に関して、ストーリーは良いと思いますが
衝撃的なはずの、切り離された死体や
佐清のマスクの下の顔なんかが
作り物過ぎて、冷静にみれてしまいました;
あと(まだあるんかいっ!)昔のままというコマ割りが独特で、
“えっ次はこんなシーンから始めるの?”
とかあったりして、役者さんの演技が唐突にみえて
そのテンションについていけなかったりとか。
演出に関しては好きか嫌いか相性でしょうね。
なんにせよ、旧作が素晴らしかったらしいので
そちらを観てみないとですね。
リメイク版では描かれていない部分もあるようなので。




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