阿政事件の波紋


1)1817年の一大クーデター
宗像市史の大庄屋一覧
  東部では; 武丸村伊豆善衛門(1797~1817)
          赤間村出光卯右衛門(1817~1818)
          赤間村出光卯惣太(1819~1820)
          徳重村石松伴蔵(1820~1849)

  西部では; 久末村城戸源右衛門(1808~1819)
          宮司村阿部忠四郎(1819~1820)
          久末村城戸源右衛門(1820~1831)

  北部では; 勝浦村永嶋半五郎(1768~1812)
          勝浦村永嶋源五郎(1812~1817)
          宮司村阿部忠右衛門(1817~1820)

 すなわち、1817年(文化14年)に大変革、大庄屋の首のすげ替えがあっている。赤間、宗像一円を揺るがした一大政治変革、クーデターであった。
2)私の直先祖たち
我が直先祖たる2名も、その大変革で大庄屋になれたが、なんといっても、おまさ事件時の奉行・神谷目鼻が書いた『常盤草』の中に、蛭子屋卯助の悪行(馬医万助、庄野道仙等と共に)がしっかりと描かれており、蛭子屋一党の大庄屋許しがたしの声がお上に達したのでしょう、たった2年づつで、親子ともども、召し上げられています。初めは民の声で、危ないと感じた先代が婿養子に大庄屋を2年で譲ったけど、その婿養子(卯惣太)も大庄屋役を召し上げられたと推測。彼等は私の6親等、7親等の直先祖たち。

3)「常盤草」登場人物の蛭子屋卯助
蛭子屋卯助は、えびす屋一党4家の誰なのか、非常に興味があって、追及してきました。本家(恵比須屋)ではない。上家・えびす屋でもない。それでは、中家か、下家か、系図で確認して、私の平成3年発行の系図本『出光氏文ー出光運平直良の子孫の必読本』では、中家の4代目惣兵衛であろうと推測文を書いた。
ところが、今回、もっとたくさんの『おまさ』を読んで、蛭子屋卯助の父の名前、そして母の素性まで出てきた。(青柳種信の貞婦萬佐傳)。ここにして、この蛭子屋卯助は、えびす屋一党とは血縁がないが、どうやら下家が一旦、養子にもらったのではないかと推測。私は下家だが、2回絶えている。そして2回とも、中家から養女、養子をもらうことで、先祖の血は絶えていない。
ややこしいですが、大庄屋家として反映したのは、中家。造り酒屋です。但し、大正期に赤間を去って、その後は戻らず。だから、赤間の人は、誰も知らない。

えびす屋(上家)、蛭子屋(中家)の位置を知っているのは、赤間で私だけという、信じられない状況なのです。

4)由緒ある名前・蛭子屋卯助(お政事件とは縁のない)
 卯助は、由緒ある名前で、大庄屋卯右衛門の親が卯助。宗像郡誌の法然寺の項目で、観音堂創立とある。
そして、私の3親等(すなわち曽祖父)の名前が、卯助。
集中的に資料を漁っていると、おまさ事件の卯助の素性が見えてきました。当然、1848年の出光系図からは除外されています。ただ、見えてきました、彼が下家の養子に一度納まっていたであろうことが。 青柳種信さん、すごい。宗像郡誌上巻p421.

5)時の庄屋・藤吉とは?
お政事件の時の庄屋・藤吉はどこの人でしょうネ?
庄屋は、赤間村(ときに赤間町)に1名、任命されている。大庄屋は、7~8名の村村(庄屋)の上に立つ者。お上の任命制だ。
本家・恵比須屋が4代赤間庄屋をしている。甚五郎(5代目)、甚太郎良時(6代目)、甚次郎良則(7代目)、甚次郎良里(8代目)、その他に徳重庄屋を1回、武右衛門(または甚次郎延房、9代目、先代まで酒造り、9代目より宿屋、幕末より農業)。
その他の赤間庄屋は、諸岡喜兵衛(寛永16年)、赤間村半三郎(宝永6年)、藤吉(享和1年)、藤市(天保11年)、釜屋勝三郎(嘉永5年)、石松三郎平(嘉永6~安政3)、新屋甚平。



以上が、平成18年10月8日(九州大道芸祭)の我が家の展示の一部である。


「お政勉強会」を開いた所以は、お政200回忌記念掲示板(佐屋峠)のあまりの間違いの多さに憤りを覚えたからである。
まず、大庄屋永嶋親子が間違われて書かれている。掲示板には、五郎(父)、半五郎(子)となっている。そして、HP好きな宗像の歩く唐津街道さんは、源五郎(父)、半五郎(子)と書いている。

次に、自害の場所、自害の刃物、そして誰に遺書を宛てたか、これらの大切な要素が間違っている。これを書いた人が、宗像市史の編集委員だったなんて、信じられますか?赤間の大庄屋を知らない人が、宗像市史の編集委員だったなんて、信じられますか?

他の編集委員もたいした人はいない。皆、お上の御用学者と断言できる。
いちいち、悪口書いたって、仕方がないから、ここで筆をおく。

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