「川崎病」



川崎病とは、日赤医療センターの川崎富作博士が発見した事から、そう呼ばれています。
特に4歳以下の乳幼児に多い発熱・発疹性の病気で
発見されてから30余年で、原因はまだ解明されていません。

症状は、
1.原因不明の熱が5日以上続く。
2.急性期には手足が硬くむくみ、手のひらや足の裏、手足の指先が赤くなり、
 回復期には、指先の皮がむける。
3.体全体に大きさや形の一定しない発疹が現れるが、発疹は水ぶくれやかさぶたにならない。
4.両眼が赤くなる。
5.唇が赤く、舌はイチゴ状に赤くなり、口内の粘膜も赤くただれる
6.急性期には首のリンパ節が腫れる。

以上のうち、5つが見つかれば川崎病と診断されます。
ただし、4つしか合わない場合でも検査で心臓の異常が見つかれば、
川崎病(不全型)と診断されます。

全身の血管に炎症を起こす病気と考えられていて、
もっとも問題となるのが、冠状動脈への後遺症です。
全患者の10%前後の子供が、冠状動脈が拡張したり、瘤(こぶ)が出来てしまう
冠状動脈障害を残してしまいます。

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そんな川崎病に、一起が2歳半の頃かかり約1ヶ月間入院しました。

アスピリンとガンマグロブリン大量点滴療法を、受けました。
同時期に、同じ川崎病で入院したお子さんと比べると
一起は、かなり重度と感じた。

当時は、目の前真っ暗・・・
「川崎病」って言う病気に対してなんの知識もなく、主治医の先生からの説明を聞けば聞くほど怖くなって、
今まで見た事の無い様な姿で、「ぐったり」としてる一起の顔見てるだけで辛くて、
私がしっかりせな、と思っても涙が止まらなかったな。

採血の度、処置室の中から「おかあさん~~~痛いよ~~~」
と、泣き叫んでいた声は忘れられない。
その処置室には親は入れてもらえず、扉の前でいたたまれなくて泣けてきて
その姿見てた、掃除のおばちゃんに励ましてもらったなぁ
でも、入院中は涙腺ゆるみっぱなしでした。。。

見ているだけで、痛々しい点滴。
手足がむくんで、点滴の針がさせなくなり最後には首の動脈から入れる事に・・・
かなり時間がかかって処置室から帰ってきたときは
麻酔がまだ効いていてフラフラ、シャツは血だらけで・・・もう、見てられないほど痛々しかった。

その日の夜中、ふと目覚めて隣で寝てる一起を見ると
異常に顔が腫れていて、あわてて看護婦さん呼んでそのまま処置室に。
首から入れた点滴が漏れているかもしれないと言う事で、
急遽当直の先生に処置し直してもらう事になった。

この時は、私も付き添えて一起の側で手を握れていたけど
・・・私は見てるだけで倒れそうになったよ。
あんな、辛い事本当によくがんばったね。強かったね!
母の方がダメでした。。。


大丈夫!一起なら絶対に大丈夫!がんばろー!と、必死で自分に言い聞かせてた。
でもその反面、「死」の恐怖もすごく感じていた。
記録として、写真を撮ろうかと思ったけど
もし、この写真が最後の写真になったら・・・と思ったら怖くて撮れなかった。

そして、こんなにがんばって、いっぱい痛い事我慢してるんやから
後遺症だけは残らないで!って、思ってた。

そして約1ヶ月入院し、退院できた時は本当に嬉しかった。
でも、心配してた心臓への後遺症は少し残ってしまった。。。

普通なら、就学前にする「心臓カテーテル検査」だが
退院後、1ヶ月後にする事になった。

そしてまた、今度は一週間の検査入院。。。
今度は、大学病院へ入院した。

この検査入院から一ヵ月後に、「停留睾丸」の手術をした。
ほんとこの数ヶ月で、「一生分」の痛い思いした!ってくらいだよ!
でもほんと、よく頑張ってくれた。
一起は強い子だよ!

そしてまた、大起も本当に頑張ってくれた。
産まれて初めて、私や一起とはなれて、
おじいちゃんおばあちゃんの家を、行ったりきたりさせられて、
とても、寂しい思いをしたと思う。

まだまだ、甘え盛りの時にわがまま言わずよく我慢してくれた。
そして入院3週間目の頃、初めて泣いてわがまま言ったね。
それまで、すっごく我慢してたと思うと、ほんと辛かったよ。


この病気を通じて、どんな障害があろうとも「生きていてくれたら、それでいい!」
って、心底思うようになった。

そして、
家族揃って、ご飯が食べられる事、
一起と大起が、ケンカしながらでも仲良く遊んでいる事、
親子4人、並んで寝れる事、などなど
今まで当たり前に思ってた事が、どれもとても大切で、幸せな事だと
つくづく感じた。


その後、約1年間ほどはアスピリンは飲み続けた。
現在では、お薬もなく心配していた運動制限も必要ないとの事。
半年ごとに、検診・心エコー検査を受けている。
一生、経過観察はしていかなくてはいけないけど・・・
今では、とっても元気です!


入院中、日記を付けていました。
治療方法や、薬、一起の様子とかを、書きとめた。
今でもたまに読み返すけど、何度読んでも号泣してしまう(泣笑)

でも書き残しておいて、ほんと良かったと思うなぁ。
当時の事を思うと、今のありがたさを再認識できるし
少々の事は気にならなくなる。やんちゃしようが、勉強ができなくてもね(笑)
今、元気にいてくれる事に感謝できる。。。













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