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軟部腫瘍 脂肪腫 手術体験記

軟部腫瘍 脂肪腫について

良性軟部腫瘍
 主な疾患に、脂肪腫、神経鞘腫、血管腫、神経線維腫、平滑筋腫、腱鞘巨細胞腫があります。これらは、いずれも比較的頻度の高い疾患でありますが、それぞれに特有の落とし穴があります。たとえば、最も多い軟部腫瘍である脂肪腫と類似した理学所見や画像所見や病理組織所見を示す疾患に、高分化型脂肪肉腫があります。高分化型脂肪肉腫を脂肪腫のごとく治療しますと、しばしば再発し、死亡原因になります。他所の医療機関で脂肪腫と診断されて切除手術を受け、再発をして当科を受診される患者さんが少なからずいらっしゃいます。元の腫瘍を当院で再度検討してみますと脂肪腫ではなく高分化型脂肪肉腫であったということがしばしばあります。このように、治療が比較的容易とされる良性軟部腫瘍ですが、当科では悪性腫瘍である可能性も念頭において慎重に診療に当たっております。( がん・感染症センター 都立駒込病院HPより

結構コワインデスヨ。

◆脂肪腫は、最もよく目にする良性の軟部腫瘍です。通常は単発性に見られます。多発性であることはまれです。皮膚のすぐ下に発生することが多いため、外見から腫瘤(しゅりゅう:こぶ)として認識できます。深い部分の筋肉の間などにできた場合は外からはわかりにくいことがあります。

◆脂肪腫はCTとMRIで診断が比較的容易にできます。ただし、 脂肪肉腫の一種である高分化型脂肪肉腫(こうぶんかがたしぼうにくしゅ)と鑑別することは難しい場合があります。 その場合は、腫瘍の病理診断を確定し、治療方針を決めるために、切除生検術をする必要があります。生検術とは腫瘍を診断するために腫瘍の全部もしくは一部をとってくる処置のことをいいます。
 生検術には外来で針をさして腫瘍の一部をとってくる針生検術、腫瘍の一部を手術でとってくる切除生検術、手術で腫瘍をすべて取ってくる切除生検術の3種類があります。 高分化型脂肪肉腫が疑われる場合は、腫瘍をすべてとってくる切除生検術を行う必要があります 。腫瘍の一部分だけを取ってきても脂肪腫と高分化型脂肪肉腫の鑑別ができないことがあるからです。ということで 手術して切除するしかない のです。
ちなみに 悪性であると診断された場合は 脂肪 という名前になります。

◆今 良性だからとらないでいいやってわけではありません。稀に悪性化します。悪性になる前、しかも小さいうちににとっておくのが一番いい。(手術も簡単で安く済むので)
経緯

気が付いた時点でかなり大きくなっていた腫瘍を 10年以上放置していました。
(実は20歳代の時点でプリンみたいなものがありました;;)
ある日から そのあたりが重く鈍い痛みを感じるようになり、眠れない日も
出てきたので病院に行かなければ・・・と思いました。
たまたま乳がん検診でかかった外科で相談すると「外科で診ることになりますが別料金です」
と言われ、乳がん検診結果を虫眼鏡でなんとなく見ている年老いた医師に任せたくないと思いました。
整形外科にもかかったので聞いてみると、やはり「外科に行ってください」と言われました。
毎月かかっている内科で聞くと「皮膚科か形成外科」と言われました。

そういう相談をしても誰も紹介状を書こうか何ていいませんでした。
自分から言わないとだめなんでしょうね。

色々考えた末 大学病院に行くことにしました。

腫瘍の大きさを考えると皮膚科ではない気がしました。
毎日 大学病院の形成外科のページを見ました。

基本 私の腫瘍は「軟部組織腫瘍」だと自分で勝手に判断しました。
すると形成外科が専門外来をやっていることが分かりました。

ネットで調べるうち、
「軟部組織腫瘍」はとって生検しないと悪性か良性かわからないので、
はやめに手術して生検したほうがいいということも知りました。

軟部組織腫瘍は基本悪性でも痛みがないはずなのに、
痛いのはなぜなんだろうと思いつつ病院を決め行くことにしました。 

◆なぜ大学病院の形成外科にしたのか◆
広範囲に及ぶ巨大な脂肪腫、しかも痛いときた。
出来れば 軟部腫瘍手術の経験豊富で
悪性という結果が出た場合 速やかに他科に移れること。
がんの拠点病院みたいな悪性に対応するのも得意な
病院であるほうが後々楽かもという思いで、そういう大学病院を選びました。
形成外科は縫合のプロ=傷が目立たないように配慮する ということも大きい。
通院
通院1

2010年7月初めに予約なし紹介状なしで土曜日(担当は当番制の日)に行きました。
診るなり納得してもらえました。
MRIとCTの検査の予約を入れる事になりましたが、3週間以上後でした。
ついでに検査結果の予約も入れましたが、検査からまた3週間以上後でした。
かなりどんよりした気持ちになりました。
渡された書類に 造影剤の同意書が入ってました。
1万人に1人くらいの確率で死亡するそうで、もやーんとしました。
でも同意しないわけにはいかないしと思うと怖かった。
紹介状なし料金3150円含め3960円
通院2

MRIとCTの検査です。
あんなにモヤモヤどんよりしたのに結局造影剤は使いませんでした。
見た感じで悪いものではないと判断したのかもしれません。
MRIもCTも患部のみ撮影といった感じで撮影時間も早く費用も安かった。
4830円
通院3

検査結果です。
主人の夏休みが終わった後だったのですが、夏休みが全く楽しくなかった。
事前にネットで調べた感じでは手術は、ずいぶん先で、部分麻酔で
ドレーンつけて日帰り、そして毎日通う。という感じでしたが、
先生は「全身麻酔で手術 入院約1週間」といいました。
えええーーーとショック。4250円
入院前

ネットで調べるうちに、良性でなかった人。
脂肪肉腫の人のHPを見ました。
続きはブログで・・とのことでブログに飛ぶと、
「亡くなりました」といきなり書いてあってショック。
さかのぼって経緯を読むと、医者の誤診に次ぐ誤診で発見が遅れ、
切断せねばという事態になった頃気がついたけど切断しなかった。
その後転移しまくって亡くなられた。。とのことでした。

「あけてみたら悪いものだったから腕切断しました」とかありなんだ・・
と思ったら恐怖でいっぱいに。
全身麻酔は2度目ですが、目が覚めなかったらとかあるのかなー。
とか、もうマイナス思考全開。

死ねたらラッキーだよなぁ。と思いつつも、情緒不安定。
物忘れが激しいのでブログにメモ書きを残していたら、
リア友から心配ですメールが来た。

友達なりに病気を調べて私にアドバイスしようという思いからだと思うけど、
病気について差しさわりのない程度に教えてほしい旨と、
お見舞いに行ってもいいかと書いてあった。

うつ病の上に情緒不安定な私は拒絶反応してしまった。

すごく申し訳ないと思いつつ、親族のことでサイアクな気分の時に
電話してきて、お母様と無理やり話しをさせられたこともあったので、
そういうことが恐怖になっていたのだと思う。

情緒不安定すぎて対人恐怖で、入院のしおりに個室のことが
書いてあったので非常に高いけれど1週間ならと思い、
病院に電話し個室希望の旨伝えた。
1泊2万2千円くらいだった気がする。

楽天でいっぱい買い物した。
上腕から肩から胸上にかけての手術になるので、
ブラは無理だし考えた末、手術後は上半身ラップタオルで過ごそうと思った。
ラップタオル=プールの着替え用閉じたバスタオルだ。
自分でタオルを買ってきて2つ作った。

パジャマも買ったが片腕のことを考えると、やはり病院のパジャマを
借りておいたほうがいいかなと思って、
1日100円のパジャマを借りることにした。(長袖でびっくりした)
この年の夏はものすごく暑かったのだ。

入院
手術前

前もって看護師さんから聞かれて書く書類など含めすべてもらっていたので、
家で書いてもって言った。
入院の預かり金は3割負担の人は15万円だった。
高額医療で返還されるべき金額を払わないで済むような手続きを主人が
会社でしてくれたので、その証明書みたいなものも提出した。
大学病院は予約入院も緊急入院も多いので、入院受け付けは大混雑で
たくさん待った。(入院受け付けに来る時間も指定されている)

病棟に行くと個室の用意が出来ていないので時間をつぶしてきてくれと
いわれ、喫茶室でまったが、またいったらまだできていなくて
面会室?のような場所でまたたくさん待った。疲れてしまった。

入院後は、薬剤師さんと麻酔科の先生が来た。
形成の先生にもあった気がする。
土曜日入院 月曜日朝一番で手術ということで、
日曜日も形成の先生が来て腫瘍の位置をマジックで囲んで写真を撮った。
ラップタオル活躍。
日曜日 手術前最後のシャワーを済ませる。
手術当日

◆手術
   朝9時前に病棟を歩いて出発。
   手術ゾーンのドアあたりで看護師さんに眼鏡を渡したので
   世界はぼんやりして暗かった(視力がかなり悪い)
   患者確認ゾーンで手術担当看護婦さん達の紹介と
   本人確認が行われ、手術室に案内された。

   麻酔科の医師と執刀医がいた。
   ベッドに横になったら麻酔医が血管確保。
   いきなり手の甲を2度失敗。(こんなに痛いのはハジメテ)
   反対側の手の甲で血管確保したいと執刀医に麻酔科の医師が
   申し出たが、冷笑で「コチラはダメです」と拒否された。
   意を決した麻酔科の医師は手首の内側に
   世の中で一番痛い血管確保をした。
   (私はかなり怒った状態で全身麻酔された)
   手術は朝9時すぎに始まったのだろう。

   起こされた時 私の口から透明な管が出ているのがみえた。
   「深呼吸して。頑張って」といわれ、
   壁にかかっている時計が見えた。
   12時10分だった。
   その後薄れていく意識の中で「ベッドに移動しましょう」
   という声と、自分が転がされる感じがした。

◆手術後

   気がついたら部屋にいた。
   手術用の服とT字帯に尿は管
   私は手術した方の腕を使って起き上った。
   なぜなら手首に刺さった点滴の管がめちゃめちゃ痛かったから。

   寝起きは機嫌が悪い。
   関節に血管確保とかアホか!いたいわっ。
   動かせないやないかっ。
   そう思ったが、穏やかに他の場所に血管確保をしてくれるよう
   看護婦さん経由で医師にお願いして、また失敗されながら、
   結局足に点滴の針は移動した。
   足は痛くもなく不便でもなかった。

   その後 麻酔ハイになった私は陽気でおしゃべりだった。

   看護師さんはホルマリン漬けの取り出したものを
   部屋にもってきてくれたり、それを主人に写真に撮るよう
   いってデジカメで撮影してもらったりした。

   たぶん4時に水を飲むことが許され、
   6時過ぎにバンゴハンを食べた。
   全身麻酔の手術をしても腸をいじらなければ?
   バンゴハンはすぐ食べられる。という事だった。
   ただ手術前日の夜9時以降は飲食禁止だった。

   何人かドクターが来た。
   そのうちの一人が
   「傷を圧迫してつらいかもしれないけど頑張って」といって去っていった。
   傷を圧迫する事 腫瘍をとった部分は空洞になり、
   血液や体液が溜まります。それを圧迫してドレーンに流します。
   圧迫することで出血も抑えるのだと思います。

   この日 点滴での痛みどめのほか座薬の痛みどめなんかをした。

手術後

   翌日はかたく固定されたまま。
   この日から また上半身ラップタオル+下パジャマで過ごす。
   尿の管も終了。抜糸までシャワーは禁止。

   手術2日後 がっしりとめたテープをはがし、
   体からホッチキスをバチバチはずし、
   ドレーン(体から出てくる血液などを入れる袋)を取り出したようだった。

   その後 かためのスポンジを風呂用バススポンジサイズに切り、
   傷の上に押し付けて固定。
   それを包帯でさらに固定。
   固定するには微妙な場所だったので、
   その後すぐに包帯は崩壊し何度も直してもらった。

   傷を見た主治医の後輩の医者が「傷大きいじゃん」といった。
   予定では腫瘍の範囲が大きいので両端から2センチ位ずつ切って
   内視鏡を使い、脂肪吸引の時使うような脂肪を軟らかくする機械を
   使ってとりだすという話だったが、初めに切った個所を大きく切らざるを
   えないくらい腫瘍が深く大きかったので傷は1か所にしてその分
   大きくなったらしい。それでも3センチ

   その後 毎日ずれているスポンジや包帯を巻き治したりした

◆ 全身麻酔によるのどの痛み 声のかすれがすごかった。
  のど飴舐めてどうにかしました。術後4日目くらいに快方方向へ。

◆ 手術1週間後抜糸
   抜糸とともにスポンジでの圧迫も中止。
   ちょっとへこみすぎぐらいだけど、時期に戻りますだそうで・・
   傷跡に茶色のテープを3日に1度の割合で取り換えながらも
   貼り続けるように言われた。(最低6カ月)
   ケロイド予防のためだ。
   ラップタオル生活ともサヨナラ
退院日

抜糸の翌日退院を希望し退院することに。

薬剤師さんが来て、ケロイド化を和らげる効果のあるアレルギーの薬を
渡された。(1日3回飲むものらしいが生活習慣の都合で2回しか飲めてない)

傷は痛くないが腫瘍があった場所は熱を持っていて激痛。
医者いわく「筋肉から剥がしたので痛いのは仕方ない。我慢」笑
(家に帰って熱を持って痛い部分にモーラステープを貼った。楽になった)

速攻でお風呂に入る。手術後初めてのシャワー。
シャワーの水が手術部位に当たると鬼痛い事に気がついた。
土曜日に入院し翌々週の火曜日に退院だから、
11日分の費用がかかった。

公費一部負担金 81910円
標準負担金 7280円
個室料金 231000円
パジャマ1100円
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計 321290円

1か月内に入院→退院で済んだので
公費一部負担金が1か月の限度額で済んだ。
二月にまたがると増えてしまうので注意。
退院後
家での生活

もし悪性だったらと思うと暗い気持ちで仕方なかった。
結果を聞くのは構わないのだが、悪性だった場合、
いい気味とかザマーミロとか思う人がいると思うのが耐えられなかった。
小さいころから そう言われて生きてきたから・・
1か月もしないうちに 腫瘍のあった場所の熱はとれたが
ストラップつきのブラは出来ないくらいの痛みがある。(1ヵ月半後の時点で)
入院前にあった鈍く重い痛みは腫瘍とともに消えました。
神経障っていたのかな。
通院
通院4

退院後約3週間後に通院。
傷を見て、手術1ヶ月後にしてはいい感じといわれる。
次回は2ヶ月後。
生検の結果は良性だった。ほっとした。
ただ同じ場所に 米粒大のものがあるのを発見とりあえず様子見。410円
通院5

前回の米粒大はなくなっていた。ほっ
良好と言われる。
ただ 冬のこの時期 ものすごく痛いと言ってみたが
仕方ないといわれる
通院6

もう傷口に茶色のテープも貼らないでいいといわれ
ケロイド予防の飲み薬も飲まないでいと言われた。
これで通院は終了
ただ どうしても脂肪腫をとった場所は広範囲で
とても痛いと言ってみたら、
1年間くらいは仕方ないと言われた(涙)
ラップスカートを胸まで巻いて
初めに撮ったのと同じ感じに写真をとった。
1年3ヶ月後

傷口を触った時に時々痛みはあるが
以前のように いつも激痛はもうない。


生命保険について
だいたいの生保において 良性 の軟部腫瘍についての手術については、
手術給付金 対象外 であると思われます。(悪性なら対象だと思われ)
(内臓癌とそれ以外の悪性のものをあわせて ひらがなで「がん」とするらしい)
ただし 入院日数によっては 入院給付金 対象 になります。
退院後で生検で 病名確定後  生保に問い合わせてください。
(各生命保険会社の定款約款の手術給付金の対象部位参照)
良性腫瘍で支払いは 乳房・子宮・卵巣・腎臓・尿管・膀胱などに限られていそうです。


脂肪腫と間違えやすい病気
粉瘤

アテローム(粉瘤・ふんりゅう、アテローマ)とは、一般的に“しぼうのかたまり”と呼ばれることがありますが、実は本当の脂肪の塊ではありません。皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。ですから、本当に脂肪細胞が増殖してできた良性腫瘍の脂肪腫とは全く異なるものです。アテロームは皮膚腫瘍としてわれわれ皮膚科医が最も診察する機会の多いものです。(社団法人日本皮膚科学会HPより)

脂肪腫も比較的多いといわれていますが、粉瘤はもっと多いと思う。
比較的に化膿して激痛になる場合も多いです。
最も違うことは粉瘤は栓があるから、はくさい汁が出るとか脂が出るとか、爆発したりする。

ただし、脂肪腫・粉瘤ともにまれに悪性化するので病院に行こうということは同じです。
たぶんはじめは皮膚科へ行き相談してください。
小さいものなら、その場で局所麻酔するかしないかくらいな感じでとれたります。
手術というなら、そこで形成外科は?とか聞いてみるといいかもしれません。


脂肪腫のホルマリン漬けを見たいという人はコメント欄にその旨書いてください。
グロ画像だとは思わないんだけど、私がそうなだけかもしれないので。


手術は、悪性だったら・・と思うと怖かった。
麻酔医がちょっと自信なさげだったのは、かなり恐怖 笑
でも、一番痛かったのは ひきはがした後の筋肉。
肉離れ状態と思っていただいていいかと。


私のように何年も悩み続けるより医者に行って調べてとる。
これがベストだと思います。

現在 医療はすごく進歩しています。
形成外科では 内視鏡をつかい超音波を照射し、
脂肪細胞を柔らかくしてとりだしたようですよ。(美容外科みたいですね)




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