夢追いランナー笑石人の部屋

夢追いランナー笑石人の部屋

'04 日本山岳耐久レース ~「長谷川恒男CUP」


結果: 完走
時間: 16時間11分45秒
天候: 小雨一時雨
気温: 最高19.8度/最低17.5度
完走率: 62%(完走者968人出走者1549人)

[装備]
シャツ:FSオールウェザーシャツ(ジップ付きロング)
パンツ:CW-Xプロ・ロング+インナーパンツ
ソックス:FS5本指タイプソックス
靴:NIKEテングMID GTX(GORE-TEXライニング)
スパッツ:MONBELLストレッチセミロングスパッツ
帽子:KAVの脇メッシュタイプ
手袋:登山用のもので手の甲はストレッチの吸湿速乾生地、掌はゴム引きの極薄タイプ
ザック:JackWolfskinパイプライン(ハイドレーション対応)ザックアタリを軽減するハニカムセッシュの背中当てとショルダーパット
(ザックの中)
ハイドレーションパック:ザックについていた1.5Lのもの
ヘッドランプ:PETZLティカプラス(LED4灯)、PETZLミクロ(豆球)
雨具:MONBELレインダンサー上下(GORE-TEX)
ウィンドブレーカー:MONBELウルトラライトウィンドジャケット(上)耐久撥水タイプ
飲み物:メインドリンク(ダイレクト7000プロ HORSE ENERGYを3袋を溶かした水)
500mlペットボトル(サントリーアミノ式(食事時用))
食べ物:(SAVASパーフェクトプラス(ケーキ)3個、ウィダーinゼリーエネルギーイン1個、PowerBarジェル3個(夜食として歩きながら1つのみ使用2つは余り)、喉飴12粒(1時間に1粒)
ファーストエイドキット:バンドエイド、風邪薬、頭痛薬、胃腸薬、ティッシュ、アーミーナイフ
防水スタッフパック:濡れては困るものを入れてザックにいれた。

[作戦]
荒れた登山道は、人が通るたびにどんどん悪化してくる。
また、慣れない夜に走ると木の根に足を取られ何度もコケそうになり
肉体的・精神的に疲労が倍増する。今回はドロでさらに道が滑りやすい。
1)登山道に入るまでにある程度頑張っていい位置を取る。
2)明るいうち(第一関門手前)は、走れるところ(ダラダラした上りや下り)は走る。
3)慣れない夜間の御岳山までは走らず、早歩きor小走りに徹する。
4)夜間前半は早歩きなのでLEDのライトを使い、後半は走るので豆球の明るい方を使う。

[スタート前]
天候は、曇りでかすかに雨が降っているくらい。気温は20度前後か。
開会式に参加し、知人を探す。ウルトラランナーの合田さん他数名に会いしばし談笑。
2週間前の甲州夢街道を計算どおり35時間台で完走した堀さんともお話することができた。今回も早歩きで通し、20時間台を狙うという。
開会式は、硬さがなくなってきた感じ。ウォーミングアップに軽いエアロビがスタート直前(1分前!)まで行われすぐにスタート。

[スタート]10日 13:00:00
以前、16時間台のエリアからスタートし登山道が渋滞してかなりロスしたので、1つ前の12時間台エリアからスタート。
登山道までのアスファルト道はできるだけ頑張っていい位置で登山道に入る。
あとはゼーゼーしないよう心がけゆっくり行く。
時々後ろからゼーゼーしながら抜いてくるランナーがいるしかも危険なところで!声を掛けてくれればちゃんと避けてあげるのに…
そんなに頑張ると後半走れなくなっちゃうよ。
小雨のせいか、木々からポタポタと雨粒が落ちてくる。
上着は、オールウェザーシャツのおかげでまったく濡れない。快適そのもの!
まだ道はそんなに崩れてなく、滑って転ぶようなことはなかった。
関門手前の坂だけがぬかって滑りそうだったのでバタバタとダッシュで駆け下りた。

[第1関門(浅間峠(22.66km地点))]
10日17:09:07(4:09:07)269位/1528人
(食事、トイレ(小):休憩約10分)
関門には、ブルーシートが2枚テント代わりに張ってありランナーでいっぱいだ。
レインスーツの人たちは地べたに座って食事をしている。
大雨になった場合のみレインスーツを使うつもりだったので着替えない。
なので、雨宿りしながら食事をしたいができない。スタッフが使用している東屋にゆとりがあったので軒先を借りて立ったまま食事。
ウィダーinゼリー1個、パーフェクトプラス1.5個をアミノ式で流し込んだ。
食事をしている間に、自己申告リタイヤ者が3名出た。頑張りすぎて疲れきってしまったのだろう。
準備を整え、記念にデジカメで撮影してもらった。リタイヤする予感がしたので…。
しかし、雨で壊れるといけないので、バックの中の防水スタッフパックにしまい込んだ。
LEDのヘッドランプを装着したが、目線からのボワーとした灯りは地面の凹凸がわからない。(もっと明るいものか低い位置から照らす必要があると感じた。)
これでは、危なくて走れない。作戦通り?早歩きに徹し、ラストスパートに体力を温存。
関門以降は小雨から雨に変わりズルズル滑るようになってきた。
滑った跡のところはなるべく避け、登りも降りも慎重に足を運ぶが、何度もコケそうになった。
雨は、小雨になったり本降りになったり気まぐれだ。
急な登りが何度かありスベル滑る!最高標高の三頭山(1527m)の山頂では、私を抜いていったランナー数名が休んでいた。兎と亀の世界?
このあと数時間にわたりこのパターンが続く。私は一度も立ち止まって休憩はしなかった。
ゆっくり早歩き!なので後ろから抜かれる。が、その先で抜いていった人たちが休憩している。
しかも、2本ストックを使っていたり。過去に突かれたことが何度もあったし、接近してきたら安全なところで立ち止まって道を譲っている。が、同じ人に何度も立ち止まって譲るのはバカバカしくなってきた。ストック使っているなら私より楽なんだからさっさと行けよ!
かなりの人に道を譲ったが、何も声を掛けないランナーが多い。中には、危険で道を譲れないような巻き道で急接近し続けるマナー違反のランナーもいる。どちらかがコケても巻き添いを食らってしまうし、ストックを振り回しながらだと突かれるのだ。それに後ろから照らされると自分の影が自分の揺れと違って後ろの人の揺れで目の前を動き、視覚と体の感覚がズレて走りづらい。プレッシャーを掛けているつもりか定かではないがやめて欲しいものだ。案の定、この区間だけで別々の人に2回も足を突かれた。
危ないな~近づき過ぎだよ!安全なところで抜かさせるから!と言い安全なところで道を譲った。何の一言もなく先に行ったので非常に気分が悪くなった。ゼッケンNo.を控えておくべきだった。
でも、ほとんどの場合、下りで抜かれ登りで抜き返すパターンが多い。100人近くに抜かれたが、半数以上は抜き返している。何度も立ち止まって抜かさせ無駄な労力を費やした気がして気分が悪い。
気分転換をしたいが、景色は見えないし、雨。気休めにサザンの歌を何曲か歌って気を紛らわした。(^o^;
登山道は、あちこちぬかって水溜りも大きいので避けられないで入っていくことが増えてきた。しかし、ハイカットの防水シューズ+スパッツのおかげでまったく中は濡れない。快適だ。しかし、泥はねで膝下は泥だらけ。

[第2関門(月夜見山第2駐車場(42.09km地点))]
10日22:22:08(9:22:08)310位/1179人
(食事+トイレ(小)+給水+軽雨具装着:休憩約20分)
いつもはココまででかなりバテていたが第1関門からは早歩きに徹したので余力がある。
関門には休憩用のビニールシートが敷いてあるが、雨でびしょ濡れなのでだれも使えない。階段を利用してみんな食事や雨具を用意したりしている。
ぱっと見猿山の猿が集まって暖をとっているようにも見える。(^o^)
次々にくる人のためにゆっくり休憩などしていられない。食事を早く済ませ、水を補給してもらう。
食事は、パーフェクトプラス1.5個をアミノ式で流し込むのみ。
パックには400~500mlは残っていたので、ペットボトル(2回の食事で250ml飲んでいた)にも水を入れてもらった。
雨は止む気配はないし気温も下がってきているので、ここでウィンドブレーカーを着込み、ヘッドランプを豆球のものに取り替えた。重くてドタドタ降りると揺れるのでイヤだが、明るいしズームができてこれなら走れそうだ。
関門から先数百メートルはとても滑りやすい急斜面。普通に降りられないので途中からサーフィンのように横になって滑りながら降りる。スリル満点で叫びながら降りる。少しは楽しまないと!(^o^)
岩場が増えてきて滑ったりつまずいたりかなり疲れる。とても走れるような状態ではないが、替えたヘッドランプのおかげで小走りはできる。
しかし、登山道は荒れまくり、大きな水溜りと泥で足を取られ体力の消耗が激しい。巻き道は所どころ先客に崩されたようでかなり危険、前後で時々叫び声が聞こえる。音が大きいときは振り返って落ちたかどうか確認したが灯りは見えたので先を進む。まさにサバイバルだ。
じきに、御前山への厳しい登り。ちょっと辛いがゆっくり休まず登る。ここだけで数十人をパス。ほとんど私を抜いていった人たちだろう。しかし、下りになるとストックをカチャカチャさせて暴走してくるランナーがくるので慌てて木の影に避難してやり過ごす。案の定、ストックがあるにも関わらず転倒。大丈夫ですか?と怪我がないか確認し、疲れているんですからゆっくり降りましょうね。となだめ、ゆっくり降りていく。
大ダワへの急降下は、さすがにビビった。泥まみれの岩と木の根だけで落差50cm以上の連続だ。ロープがなければ絶対に降りられなかった。
スタッフが常駐し注意箇所を下で叫んで知らせている。
何度か滑ったがコケずに降りることができた。大ダワには駐車場がありスタッフが運動会で使うようなテントを張ってリタイヤ者救護を行っている。
ここでちょっと休憩し、大岳山の岩場の登りに備えPowerBarジェルを1つ飲んだ。そのおかげだろうか、ダラダラした登りでも走ることができた。しかしすぐに岩場の登りが続きゆっくり登ることになる。
岩場で道を間違っているランナーが数名いたので声を掛け呼び戻す。初めてなのかな?ここは岩をよじ登って越えるの!2m以上の岩の間の60~70cm以上の隙間を一気越えするのだ。当然先は見えない。一度経験した人は忘れることはできないところ。
頂上に近づくとちょっと楽になり岩だらけの頂上に到着。明かりもなく雨なのでそのまま通過し、岩場を降りる。50cm以上の段差のある岩場を降り続けたらさすがに膝が痛み出した。膝をかばいながら降りていると、何度も滑ってコケそうになる。
泥が被った岩場は本当に危ない。また、岩の間に水が溜まっていて思いっきり水に浸かったりもした。おかげで、タイツはずぶ濡れでソックスも濡れてしまった。足首をハイカットのシューズに守られていたが、ブレる度に靴の履き口が擦れるので靴擦れを起こしてしまった。とても痛い。
急坂の終わりは段差のある自然石の階段!ビビりながらゆっくり降り大鳥居へ到着。
ここからは、なだらかなので走れる!しかしぬかるみだらけ!時折、鎖が張ってある怖い岩場が数箇所あり何度も鎖に命を助けられた。滑り止めのついた手袋をしていて大正解!さらに鉄階段(1つの階段の奥行きが10cmくらいしかなく滑ったら…)で崖を通過したりと眠気が吹っ飛ぶ。なだらかなところはガンガン飛ばし御岳山を通過。しかし、それが災いして足の指や付け根にマメができた様だ。
それでもなんとか第3関門に到着。

[第3関門(長尾平(58km地点))]
11日3:51:59(13:51:59)258位/969人
スタッフの激励に応え、そのまま通過。
しかし、すぐに日の出山だ。急な階段の登り降りでしかも落差がある。
かなり膝と太股に負担がかかる。時には土がなくなって丸太の骨組だけのものもあり、まさにハードル、罠にも見える。(^_^;
滑るし慎重に通過。それ以外の登山道は比較的なだらかなのでほとんど走れる。しかし、慣れないハイカットの靴のおかげで足首の皮が剥けてしまい、痛くて大胆には走れなくなった。
しかも、せっかくのGORE-TEXの防水シューズなのにタイツから水がソックスに浸みてしまったので、マメもできた。やはりレインスーツを着るべきだったか。
60kmの横断幕からはラストスパートをかけるハズが小走りしかできない。
まぁ、自己ベスト更新を狙えるような時間じゃないし、怪我なく大事に行こう!
途中、豆球のヘッドランプの電池がなくなりLEDの方に換えた。やはり凹凸が分かりにくいので手に持ち換える。こちらの方が見やすい。見やすくなったので少しスピードを上げた。すると、気の緩みがあったのかコケた。身を反転し両手で支え間一髪セーフ!でも、おかげで手袋と握っていたヘッドランプがドロだらけ!
ドロのおかげでまったく怪我はなくライトも壊れていない。不幸中の幸いといったところか。
よく見ると、下りの道は木の根が階段みたいになっていて棚田みたい。
まるで深さが分からない。慎重に通過。
登山道の終わり付近には長年かけてできたV溝の登山道がある。
ここは又割きみたいになりながら行くか泥水が流れ不安定な一番下を行くしかない。どちらも足首には負担がかかり皮が剥けた私には辛い。
登山道の終りには小さいU字溝が何回も横切る。これに足を取られそうになる。コンクリート道に変わりもう少しで登山道は終わり!しかし急坂で膝が痛くて走れない。何人にも抜かれた。ここは安全第一!アスファルトのなだらかな道になるまではスパートしない。スパートしてもこの足ではせいぜい500mくらいしかもたないだろう。
アスファルト道までは我慢我慢!ここだけで6人くらい抜かれただろうか、道が開けアスファルト道に変わる。とうとう長かった登山道ともお別れだ。少しずつスピードアップ!ゴールまでスパートだ~!!
ゴールまであと300mだよと言うスタッフの声にさらにスピードアップ!さっき抜かれたランナーを次々に抜き返す。5人抜き!
しかし最後のゴールまでの直線では抜かず、間を取ってゼッケンを見やすいようにウィンドブレーカーを巻くり上げゴール!
ちゃんといい写真撮ってくれたかな?

[ゴール]
11日5:11:45(16:11:45)244位/968人
完走の喜びはすぐに冷え、無事帰ってきた!やっと座れる!やっと眠れる!という安心感で一杯になった。とにかくザックを下ろし、横になりたい。
ゴールには折りたたみの椅子が並べられ完走証が貰えるまで座っていられる。どっかと座り込み完走証が貰えるのを待つ。
待っている間に、北丹沢登山競走でお世話になった山岳軍団の杉山さんに声を掛けられた。なんと12時間台でゴールし年代別で入賞されたそうだ。デジカメで撮影してくれたが、自前のデジカメで撮影する気力はなくなっていた。
無事にゴールできた安心感と疲労から睡魔が襲ってきたのだった。
完走証を貰い、すぐに荷物のある体育館へ直行。しかし、あまりのドロだらけの格好にスタッフに洗ってから入ってくれと言われUターンし中学校の正面入り口前の水道を借りて靴、スパッツを脱ぎ手洗いし、タイツは着たまま膝から下を入念に洗った。
皮が剥けたところがチクチク痛~い。(T_T)そこでなぜかカメラマンに証拠写真?を撮られた。どうやら登山道が危ないので関門での撮影はしないでゴール後の写真を撮っているようだ。以前は関門で撮っていた記憶がある。こんなところ撮られても買わないぞ~!
濡れた靴を素足で履いてロボットのように体育館に戻った。
小奇麗になった姿を見て今度はフリーパス。体中が痛いのでやたらと着替えに時間が掛かった。(^_^;濡れた荷物はそのままにアミノバイタルProを飲んだ。
夏の24hリレーマラソンで一緒で今回初参加の石川さんや応援メールをくれたアート鈴木くんに完走報告メールを打ち泥のように眠った。
その後、1時間は眠っただろうか石川さんからの電話で飛び起きた。(いや、本当は筋肉痛で起きれず寝返りして電話を取った。(^o^;)
初参加でこの荒れたコース、雨。しかも替えの電池をザックに入れ忘れ、予備のライトも不調になりまさに目の前真っ暗状態になったが、それもなんとか克服し19時間台で完走!しかも、事前の筋トレの成果でまだ余力があるそうだ。
今回は初参加でまじめに後ろからスタートし登山道の前半は渋滞につかまったし、しかも荒れたコースだったため慎重に走ったこともあるので、次回は数時間早くゴールできるだろう。

[反省]
スパッツやハイカットの防水シューズは大正解だったが、雨対策が甘かった。
ちゃんとレインスーツを着ていれば靴の中に水が浸入することもなく快適に走れたと思う。しかも靴慣らしが甘かったようで靴擦れを起こしてしまった。
ひもの締め付け具合とアタリ具合を知っておかなければ長時間の不整地ラン・ウォークはできない。
ザックカバーを萩往還で試したが気休め程度しか効果がなく、ザック内部はびしょ濡れだったので、今回は、食べ物やカメラ、レインスーツ、ウィンドブレーカーなど濡れて困るものは、防水のスタッフパックに入れてザックに入れたが、雨漏りしていた。大量の浸水ではなかったので被害はなかったが、今度は完全防水のものに入れるようにしよう。

[総括]
雨の時の山岳レースは危険だし景色が楽しめないので参加しないと決めていたが、今回以上に慎重かつ装備をしっかりしてゆっくり行けば大丈夫だと思った。雨のスリルを楽しめるレベルになろう!
しかし、荒れた登山道を一日で1500人以上の人が通ると登山道が滅茶苦茶になってしまう。多くても数百人に留めるべきなのかもしれない。
にわかトレイルランナーが大勢押し寄せてくるようになり、マナー違反者が目立つのが残念だ。私もにわかトレイルランナーだが、マナーはしっかり守り山岳レースを楽しみたいと思う。

応援して頂いた方々、本当にありがとうございました!
おかげで大嫌いな雨でのレースを完走(歩)することができました!!

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