1985オメガのHP

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こねた その1



医師限定おみあいパーティー潜入体験記

あれは、大学5年生の秋だっただろうか。ある日、一人の女性が医学部の入り口で医学生に必死にビラを配り、そしてお願いしていた。めったにそういうことはなく、まことに奇妙な光景だった。で、その輪の中に入ってみると、そのお姉さん。頼むから今週末にある「医師限定おみあいパーティー」にきてくだされええ、と訴えておりました。
どうしても男性医師の数が確保できない。だからもちろん参加費なんかは取らないから、来てくれて好きなだけ食べたらいいから。きてちょうだい、と。とある都市のけっこういいホテルでの立食パーティー、こりゃいい話だ。
でも、まてよ。俺たち、医者、じゃないし、医師の卵でもない、し、医学生だぞ?参加してイイのかい?
お姉さんいわく。いいのいいの全然オッケー
まあそういうんだし、みんなでいこか。
その週末の日がやってきた。車数台で、将来の医師たちが、医師限定おみあいパーティーの会場にあらわれた。目的はひとつ。ただめし。

入り口でまず名前を書く。僕は少し迷って、「0村0郎」という偽名をつかった。受付のおねえさん(ビラねえさんとは別人)考えてます?とちくり。そりゃ詐欺まがいの片棒かつぐんだぞ!本名なんていうわけねーだろ。

会場は、ホテルの宴会会場。
まず、気がついたこと。
おい、男性医師がほとんどいねえじゃないか!!
女性たちは、まあまあの参加人数。みかけまあまあの女性から、力士体型の方まで。
で、立食スタート。僕たちは食い物に殺到した。
さいころステーキだああ。おい、うめーぞお
おいなんでもあるぞ。
日ごろいいものを食べてない学生連中、ひたすら食べる食べる。
僕も水割り片手に喰いまくった。はらぱんぱんになった。そしてデザートも。

極力頭は上げなかった。下を向いてただ喰って飲んだ。
主催者の配慮で、男性女性が交互にマルテーブルにすわる。
しかしながら、男性の数が桜使った状況でもまったく足りず、
女女女男女男女女男女女。。という悲惨な状況へ。
女性たちも、状況を察して、はや女性同士で談笑という状況。
となりに座った女性と、医学生というわけにもいかず適当にごまかして、話を少しだけした。彼女たちの貴重な時間を奪うのは悪いような気がした。

おかあさんがいってこいといって申し込んだので来たの。メジャーな新聞の広告にこのパーティーの知らせがでてた。だからお見合いする代わりに来た。何人か話をきいたがそんな感じだった。恐る恐るいくら?ときいたら、いくらだったかな?記憶の中では2万4千とか3万2千とか3万6千とか、そんな数字だったように思う。この、どうみてもつりあわない男女比と、どうみても若造が数人まじっている状況をみて、彼女たちはどう思ったか?

途中ひとりひとり壇上であいさつせねばならんかった。
「今日はー すてきなー パートナーをー みつけにー きました。」
と、力士体型のお姉さんが(着飾ってはいる)スピーチした。
おいおいそりゃむりだっちゅーの、と心でつっこみ。
で、0村0郎も、スピーチせねばならず、ひとことふたことしゃべった。はずかし。
で、基本的に罪悪感だけを強く感じながら、女性とは数人申し訳程度に話しただけで、ホテルのけっこういい立食をたらふくたべてたらふくビール水割りを飲んで、会は終了。友人がひとり、女性の電話番号をゲットしていた。半分うらやましくもあり、かといってそういう気はおこらなかった。

ビラねーさん、退出時に
「また参加してくださいねえええ」
そのまえに、訴えられるんじゃないの、ちみたち。という感じだった。

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今思うと、本当に学生当時の僕は甘い!!
僕が罪悪感なんて感じる必要なんてまったくないじゃないの。
顔を上げ、飯食って、そして、無理目の女性にここぞとばかり話しかけたらよかったじゃないの。(でもすごい美人はいなかったが。。)

その後、僕はこの「医師限定おみあいパーティー」に参加したことがない。
医師になるやいなや、そのての企画会社からダイレクトメールが山ほどきた。入会金無料。女性はよりどりみどり、と。無視し続けたら、こなくなった。

今思うと、本当に医師一年目の僕は甘い!!
入会金ただならとりあえず参加して、実際の現場を見てきて、そのよりどりみどりをゲットすればよかったじゃないの。

医師になってから、それらのパーティーで結婚したという話はちらほら聞く。
参加者の反省会をネット上で行われていたのを見たこともあった。
自分の勤務先をいかにしゃべらず、雰囲気でもりあげやることやって逃げるかがポイント、らしい。逃げたら勤務先へ電話がかかってくるのが怖いから。もちろん、まじめに結婚相手探している人もかなりいるんだろうけどね。
食い逃げした女性と次のパーティーであって気まずかったとか。
いいじゃないの。それも男と女のラブゲーム。


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