「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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くちぶえライフ
長男ちょきのこと
妊娠後期はずっと逆子で、病院では帝王切開をすすめられました。
悩みましたが、無事に生まれてきてほしいと一心で、39週での
帝王切開を決意しました。
手術は無事すみ、ちょきも元気に産声をあげて生まれてきたのですが、
おかしいと思ったのは、初めて私の横に看護婦さんが連れてきて
くれたときでした。
ちょきは元気でしたが、なんだかガラガラとうがいをしているような音が、
のどの奥から聞こえてきたのです。
看護婦さんに尋ねましたが、新生児にはよくあることだと言われました。
でも私も夫も少し不安を感じました。
そして、生まれたその夜、ちょきはチアノーゼをおこし、
総合病院に運ばれることになりました。
ミルクをのどのつまらせたということだったのですが、たいした説明もなく、
不安だけが募っていきました。
ちょきはすぐNICUに運ばれ、手当てを受けましたが、
原因はわからず、検査が続いていました。
私はおっぱいを搾乳して持っていくように言われ、
搾乳したおっぱいは入院中の私に変わって、
夫や母が持っていってくれていました。
ちょきに会えたのは私が退院した1週間後のことでした。
NICUの先生のお話では、ちょきはミルクを口から飲むことができない、
でもその原因がわからないということでした。
これからどうなるのかを尋ねても「大きくならないとわからない。」と
言われた時は、保育器の中のちょきを見ながら号泣してしまいました。
「大きくならないとわからない」
この言葉は真実なのだと思いましたが、それでもわからないという
言葉には私は納得できませんでした。絶対に分かる人がいるはずだ。
私と夫は医学書を読んだりして、調べ始めました。
3ヶ月が過ぎ、ちょきは退院することになりました。
あいかわらず、口からミルクを飲むことはできず、
鼻から胃まで細いチューブを通して、それで、
ミルクを胃に入れていました。ミルクさえいれておけば、
命に別状はないから退院してよいといわれ、
鼻から胃へのチューブの挿官と吸引の仕方を
私は病院で教えてもらいました。重い吸引器とたくさんのチューブを
かかえ、私たちはちょきを家へ連れて帰りました。
4ヶ月に入った頃、私たちは福岡県の久留米にある聖マリア病院へと
ちょきを連れていきました。その病院の副院長の橋本先生に
ちょきをみてもらうためでした。橋本先生のことは新聞の育児コーナーで
知りました。子どもの成長の悩みに的確に答えている記事を読んで、
わらにもすがる気持ちで、いきなり電話をしました。
突然の電話に丁寧に応対してくださり、遠い所からきるのは大丈夫かと
迎えをやろうかとまでいっていただきました。
ちょきを診察した先生は、はっきり「この子は大丈夫だよ。
1年以内にチューブがとれるだろう。」といわれました。
そして、ちょきがピエール・ロバン症候群であることがわかったのです。
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