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SENPAI 14


秋田美人で、かわいい人なのかな。高校の頃、先輩とどんな付き合いだったのだろう。
たくさんHをしたのだろうか。たくさんキスをしたのだろうか。
先輩は、「アイツ」と呼ぶ「ケイコ」を愛していたのだろうか。
私の知らないところで、会う約束を交わしていたらどうしよう。
「嫉妬」は人を醜くする。あらゆるよからぬことを勝手に想像しては、自分の心を凍りつかせ、
たぎらせ、愛しい人を傷つける、束縛する。
本当の敵は、「ケイコ」という存在よりも、実は自分の中の「嫉妬心」だということに
次第に私は気付いていった。そんな私を自分自身、見るのがいやだったし、
サークルの部室で1年女子をからかっている先輩、楽しそうに笑う女の子達、
そういうものも見たくなかったので、私はだんだんサークルに顔を出さなくなっていった。
「ケイコ」のことも、先輩にあれこれと探るようなことをしないように努めた。
私は先輩だけを見ていればいい。そう思った。
そうしているうち、「ケイコ」からの電話はなくなっていき、
私は以前の「かわいい私」に戻ることができた。
そして、どんどん「先輩一色」の生活になっていった。

夕飯は、私が自炊して先輩の部屋でとることが多くなっていた。
私の箸、茶碗、グラス、そしてパジャマ、化粧水、ハブラシ・・・
そういったものが先輩の部屋を占領していく。
先輩はどういう気持ちで、それらを眺めていたのだろう。
先輩はいやな顔をしなかったから、私はそれを推し量ることができなかった。

真夜中にふと、目を覚ます。隣で寝息を立てている先輩の胸にそっと手をあてる。
先輩を起こさないように、そっと・・・。
「どくんどくん」と、動いている心臓。
私は、その中に入ってしまいたい衝動に駈られる。
(先輩の中に、すっぽりと入り込めたら。そしたらどんなに幸せだろう。
どんなに安らぐだろう。)そんなことを、先輩の優しい寝顔を見つめながら、想っていた。
「先輩と、ひとつになりたい。」
でも、私たちは別々の人間だ。それは不可能なことなのだ。
それが私を、悲しませる。苦しめる。切なくする。
それほどまでに、私は先輩が欲しかった。
先輩しかいらない、と思っていた。


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