AGE GRACIAはブラジル出身のピアニスト。 この作品は2002年フロリダのGOLDEN DOME RECORDSという会社からリリースされた。 AGEのスタイルは一聴ビル・エバンスとブラジルのユニークな音楽家エグベルト・ギスモンティの影響を受けているように感じるが、勿論それだけに留まらないサムシンエルスを持っているプレイヤーだと思う。 ブラジルの音楽家は、ジャンルをいとわず素の部分で、サウダージ感覚を持ち合わせていると言われているが、それはこのAGE GARCIAにもあてはまる。 柔らかなタッチから生み出される、スローフードならぬスローミュージックは、聴いていて清々しい気持ちと同時にどこか懐かしい気分になる。 テクニック的なものや、ジャズ的なスリルを期待する面にはもの足りないと思われるけれども、本人の指向している音楽の方向性がまったく違うのでお門違いというものだろう。 二度、三度聴き重ねていくうちに、だんだんとこのアルバムのよさが分かってくるんじゃないかと思う。 ジャズ耳で聴くよりも、音楽耳で聴いた方が良さが早く分かるピアノトリオ作品だと思う。 AGE GARCIA(P)DAVID WERTMAN(B)NEAL BACKMAN(DS) 2002年作品
WILLIE MYETTEが1998年の自費制作でリリースしたピアノトリオ作品。 バークリー音楽大学を卒業後、RHODE ISLANDで活躍していて、JAZZ KIDSという最年少6歳くらいの子供にジャズを教え、演奏する活動を自身のアイデアで活動を続けているらしい。 師匠はあのFRED HERSHで、2人のスタイルは微妙に異なる。 ジャケットは自費制作らしく、面白みのない顔写真だけのデザインだけど、演奏の内容は結構いいのですね、これが。 いたってストレートに快適にスイングしていくトリオマナーに、オッド・オブライエンを連想してしまったと言えば、私の買いかぶりだろうか? いやいや、実際聴き進んでいけば分かるのだけど、選曲、テンポの設定、アレンジなど飽きがこないよう巧みに工夫がしてあって、それがわざとらしさを感じさせずに自然な感じでながれていくものだから安心してトリオサウンドに身をまかすことができるのです。 全9曲中唯一のオリジナル曲、娘さんに捧げた可愛らしいワルツ曲でこれが、中々の佳曲だったので、もう少しオリジナル曲を増やしても良かったのではないかと思う。 5曲目「THE NIGHT WE CALLED IT A DAY」、スローからミディアムで演奏されるのが普通のこの曲を予想外のアップテンポでプレイ。 これも意外性のテンポ設定の勝利でしょうね。グッドです。 ラストはオスカー・ピーターソンの「HYMN TO FREEDAM」。 さっきのJAZZ KIDSがコーラスの登場だ。 これは個人的に頂けないけど、こんなところが自費制作らしくていいのでないかとも同時に思う。 ピアノトリオファンならば、持っていても良い作品だと思う。 メンバーはWILLIE MYETTE(P)MARK CARKLSEN(B)JACK MENNA(DS) 録音は1998年10月26日
サンタ・バーバラに住むNATE BIRKEYの2001年リリース作品で、第4作目のようだ。 最近白人のハードバッピッシュなトランペッターで、新たな人材はなかなか出てこなかっただけにこれは嬉しい発見。 この作品と同時に「BALLADS」というスタンダード中心の作品も同時にリリースしていて、そちらの方も入荷予定なので、楽しみです。 先に入ったこのアルバムの方はオリジナル中心のアルバムなので、NATE BIRKEYとそのレギュラークインテットの音楽性がより明瞭に伝わるかも知れない。 雰囲気としては、パシフィックジャズのチェット・ベイカー&クリューやプレスティッジの連作ものっていうところか? ミュートを吹けば、マイルスにも少し似ているかな。 作曲も親しみのもてる佳曲揃いで、このアルバムは50年代ハードバップファンの方に喜ばれるのではないかと思っています。 快適な4ビートナンバーにラテン曲、叙情感溢れたバラードナンバーを織り交ぜてエンターテイメント性豊かな作品となっている。 4曲目のビタースイートなバラード吹奏、5曲目の気合の入ったアドリブを聴くとやはり、アメリカのジャズはまだまだ捨てたもんじゃないと思う。 9曲目だけは、マイルスの作風でいえば、プレスティッジの時代からいきなりマイルス・イン・ザ・スカイに飛んじゃったという感じで作品としての統一感にはいささか欠けるかもしれない。 ラストはボーカルで「WHAT'LL I DO」。 うん、ちょっとヘタウマ感はあるけど、チェットに似ている。 メンバーはNATE BIRKEY(TP,VO)JUSTIN CLAVERIA(TS)JAMIESON TROTTER(P) JIM CONNOLLY8B)COUGAR ESTRADA(DS,PER) 録音は2001年2月 SANTA BARBARA , CA
まず、1曲目「DEAR WAYNE」を聴いてみて欲しい。 彼女の生まれ故郷イタリアには、スプマンテというスパークリングワインがあるけど、その発泡性のように爽やかで、しかも飲み口は美味なテイストを残すところがイメージ的によく似ている。WATER SMITH三世は、滑らかで、倍音成分に富んだなかなか良い音のテナーを吹く。 彼女DANIELAは、バークリー音楽院を卒業後、様々なコンペティションで賞を受け、今までにthe Clayton-Hamilton Jazz Orchestra, John Dankworth, the New York Voices, Terri Lyne Carrington, Patti Austin, Regina Carter, Harry Skoler, Christian McBride, Bruce Gertz, Ingred Jenson, Tiger Okoshi, Shirley Horne, Al McKibbonらと共演した経歴の持ち主。 ピアノと作曲のバランスがとても良い女性アーティストで、第二のイリアーヌのような存在になる可能性大であります。 DANIELAは、このアルバムでボーカルも披露しているが、「EASY TO LOVE」のようなスタンダードを普通に唄うぶんには、ピアニストの余技程度のものでむしろ、3曲目「SICILIA」のようにボイス的な使い方の方がしっくりくると思う。 ギターが同じSCHACTHERの姓なので、旦那なのでしょうか? アルバムはWAYNE SHORTERに捧げられていて、ショーターと彼女の音楽は違うものだけども、どちらも夢を感じさせるところは共通している。 現在、ボストンとNYで活動しているようで、注目していきたいプレイヤーです。 メンバーはDANIELA SCHACHTER(P,VO)DAVIDE SCHACHTER(G)WALTER SMITH 3世(TS,SS)MARCO PANASCLA(B)HARRY TANSCHEK(DS) 録音は2001年8月30日