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Jul 9, 2008
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カテゴリ: Novel

「・・・ねぇ、トシくん・・・」

「・・・ん?・・・」

「・・・あの・・・ね・・・、・・・・私、ずっと聞きたかった事があるの・・・

・・・・・お、怒らないで、・・・怒らないで聞いてくれる?・・・・

・・・それで、出来たら・・・・・・」

「・・・・・いいよ、何でも聞いて答えるから・・・・

・・・もう、君にも自分にウソはつかないから・・・・」

・・・彼女の小さな手に力が入って、緊張してくるのが感じられた・・・

「・・・・・ねぇ、・・・トシくん・・・あの日、なんで私を誘ったの・・・?」

「・・・あの日・・・?・・・」

「・・・う、うん、・・・あの日、あの発表会の日、・・・なんで、私を誘ったの?・・・」

「・・・あの日、発表会の後、生徒さん達と近くのレストランで打ち上げをしたんだ、

だけど、そこに君は居なかったから・・・。

皆で盛り上がりはしたのだけれど、僕個人で雪乃さんと打ち上げをしたくて・・・。

・・・なんで来なかったの?・・・」

「・・・・私、知らなかったの・・・・場所も・・・ ・・・・会のある事も・・・

・・・・私、嫌われてたから・・・」

何かを吹っ切るような軽い口調で彼女は言った。

「・・・トシくんの教室の伯母様達はみんなトシくんのお母さんの気分なのよ・・・

・・・だから、私が近づくの面白くないんじゃないかしら?!・・・

・・・恋人気分の方が近いのかな・・・だからかしら・・・?・・・

・・・んふふ・・・・・ トシくん、年配の人には特に優しいし・・・」

「・・・えぇ・・・?!・・・そうなの・・・?・・・」

「自覚無いんだ!!」あはは・・・と彼女は驚き、楽しそうに笑った。

「・・・あの日、会がお開きになって、雪乃さんが来てない理由を幹事さんに聞いたら

用事があるから断られたって聞いて、メールしようかどうしようか悩んだんだ。

けれど、二次会に行くメンバーは僕の幼馴染ばかりだし、

そこなら君ともゆっくりと話せるんじゃないかと思って声を掛けたんだ・・・」

「・・・えぇ、貴方からのメール、とても嬉しかった・・・

・・・本当は、私も打ち上げに参加したかったんだ・・・

・・けれど、声も掛けて貰ってないものに、 出席できるほど

心臓は毛深くないから・・・」

「・・・僕もその事を後から聞いて、驚いていたんだ・・・・

・・・あの教室の人、殆どが君と僕の関係を快く思ってないって・・・・

・・・ファン心理・・・とでも言うのかな・・・

・・・今となっては、それだけで片付けられないけれど・・・・・

・・・あの日、帰り際に君が居ない事を尋ねた僕に、ある人が

「君なんて勿体無い、もっと別な人が居る」って言われて、

その言葉が僕の中で増幅されて、・・・それでも、君の笑顔を見ると

そんな言葉さえ払拭されるくらいに幸せで嬉しくて・・・

・・・けれど、幼馴染の反応が、僕の心をあらぬ方向に奔らせて・・・

・・・そこでも同じように「勿体無い」と言われて・・・

・・・けれど、その勿体無いの方向が違っていた・・・

それで、僕は自分の世界の小ささや、自分の人間としての未熟さを

どうしようもない悔しさとともに味わって・・・・・

・・・・その腹立たしさをあんな方法で君にぶつけてしまって・・・・

・・・みんなの中で孤立してゆく君が、とても快くて・・・

・・・僕のほうばかり見てる君が、とても愉快で、見てて余計に苛めたくなって・・・

・・・そんなに見てるだけなら、言葉にしないなら、

・・・いっその事、目一杯苛めて泣かしてやれ!!嫌われてやる!!って・・・

・・・・・・・・・・・モトカノと二人になった時に言われたよ・・・・・・・

・・・本当に、貴方みたいな我が儘男を心から愛してくれる人の手を、

そんなに力一杯振り払ってどうするの?・・って・・・・

・・・最初に自分の嫌なところを全部見せるって言って、

・・・それって凄くひどい事をしてると思わないか?って・・・・

・・・・・ましてやこんな所に来るなんて・・・・・・

・・・サイテー!!!・・・・もう二度と声も掛けないで!!・・・って・・・

・・・・確かに言われた通り、僕は最低だ・・・・・

君が素敵過ぎて、君と釣り合わない僕が悲しくて、

周りに笑われて悔しくて・・・・何もかも、気持ちがぐしゃぐしゃになって・・・

・・・気が付いたら取り返しが付かなくなっていて・・・

・・・あの日からずっと、君の顔が、大きく見開かれた瞳が・・・

・・・・頭に焼き付いて離れなかった・・・・

・・・だから、君から来た手紙とチケット、凄く驚いたし、凄くこわかった・・・

・・・君と永遠の決別になるんじゃないかって、

・・・それなら、いっそこのままもう少し時間を置けば・・・って・・・

・・・凄く、凄く迷った・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・けれど・・・・・・・・・・

今は来て良かったって思ってる・・・・。

失くしかけた本当にモノを、取り戻せたって・・・

・・・・・そう思って・・・・・いいんだよね・・・・・僕は・・・・・」

そう言って彼女の方を見ると、彼女は嬉しそうに微笑んで

そして泣いていた・・・。。






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Last updated  Aug 18, 2008 11:11:00 AM コメントを書く


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