平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~

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永遠の誓約(番外編)

。;’* + ☆,°・ ‥. 永遠の誓約(番外編) 。;’* + ☆,°・ ‥.



月夜が綺麗な夜…
あの少年天使は今どうしているだろう…
シンが隣ですやすやと眠っているのに、何故あの少年天使を思い出すのかユダは不思議な感覚に囚われた。
いつも、シンと共にいる時は、シン以外の者の事など考えないのに。
今夜だけは、何故か鮮明に思い出す。
「あぁ。そうか。そういうことか」
ユダは一人で納得していた。
(あの、少年天使はシンに似ていたのだな。シンが少年天使だった頃はきっとあのような雰囲気だったのだろう)
そう思えるくらい、似ていた。
「今は、どうしているのだろうな……」

シンは途中から起きていた。
(ユダ……あなたは今、何を思っているのでしょう。今夜のあなたは少し遠く感じます……)
そして、少しだけ心を痛めていた。
「シン? 起きたのか? どうした。少し辛そうな顔をしているが……怖い夢でも見たのか?」
「いえ……その……今、何を考えていたのでしょうか……?」
「あぁ、それは……」


かつて、ユダも少年天使だった頃――
ルカと共に修練場で、あらゆる事を一緒に学んだ。
辛い事も楽しい事も、ルカと一緒に。
だが、ある時、ある少年天使に出会った。
髪が水色で瞳の色が琥珀色のした、シンと似ている天使。
シンの、少年天使の頃は、きっとああいった感じなのだろうと思うような雰囲気を持っていた、あの天使。
あれは、何かの調べ物をしていた時だ。
何を調べていたかは思い出せないが……図書館に通っていた時に一人の天使と出会った。
「隣を使ってもいいか?」
「はい。どうぞ」
にっこりと笑う天使に少し見とれてしまったユダは、頬を染めていた。
「ありがとう」
笑顔で返し、隣に座り、必死に調べ物をした。
実は、相手の天使も、笑顔のユダに見とれて、頬を染めていたという事をユダは知らない。
それから、調べたい事がどうしても分からず、何日か図書館に通っていた。
図書館には、いつもその少年天使がいたのだ。
数日通っているうちに、その少年天使と色々な話をするようになっていた。
ユダは、調べ物をするためだけではなく、その少年天使と会うために図書館に通うようになっていた……のかもしれない。

ある時、その少年天使がほほに傷を作っていた。
「どうしたんだ? その傷は……手当てをしないと!」
ユダは、少年天使が返事をする前に、手を引っ張って椅子に座らせた。
「ちょっと待ってて」
ユダは、少年天使に、そう言い走り去っていってしまった。
少ししてから――
「ほら。これで大丈夫だ。傷も大したことないと思うし、よかった」
ほっとしたように、笑顔でユダは少年天使に言った。
「ありがとうございます。何か、お礼を……」
お礼を言われると、よりうれしそうにニッコリと微笑むユダであった。
「いいよ。別に。今日は、用事あるからこれで帰る。また、明日会えるかな?」
「明日も、私もここに来ていると思います」
そう言って二人は別れた。
次の日――
必死に調べ物をしているユダの隣に少年天使が座り、
「ずっと、気になってたのですけど、何を調べているのですか? 何かお手伝いしましょうか? 昨日のお礼もまだだし……」
「じゃぁ、お願いしようかな。これなんだ」
その日から、調べている事が分かるまで、ずっと一緒に調べていた。
少年天使は、根気よく、最後まで丁寧に付き合ってくれた。
とてもやさしく、そして、聡明で……一緒にいると、とても心休まる、そんな少年天使だった。
調べ物が終わり、あまり図書館に通う事はなくなり……
その後は、その少年天使とは会っていない。
「名前くらい、聞いとけばよかった……」
とても後悔するユダだった。



「――と言う事があったんだ。今まで忘れていたんだが、何故か急に思い出した。どうしてだろうな」
ふっとユダは微笑んだ。
「そうですか。」
(過去の事を言っても仕方はありませんが。少しだけ胸が痛みます。でも……、この話、どこかで聞いた事があるような気がします。)
シンは、どこでその話を聞いたのか必死に思い出していた。
「シン? 何を考えているんだ? どうしたんだ?」
「いえ。この話どこかで聞いた事があるような気がして……あっ」
「何だ?」
「私も思い出した事があるんです。少年天使だった頃。私は、よく図書館に通っていました。ある時……少しの期間でしたが、とても綺麗な少年天使が通ってきてたんです」

「隣を使ってもいいか?」
シンは、声をかけてきた天使に、はっとしてしまった。
同年代? だろうか、こんな綺麗な少年天使は見た事がなかったからだ。
かろうじて
「はい。どうぞ」
と答える事が出来た。
その後、笑顔でお礼を言われたときには、心臓が飛び出るかと思ったくらいだった。
調べ物をしているようなのだが、中々調べている事が分からないようだった。
ある日、私が怪我をした時、すごく驚いて、すぐに手当てもしてくれた。
お礼にと、一緒に調べ物をした。
お礼にと言ったのだけど、それは、その少年天使と一緒に過ごしたかったからかもしれない。
調べ物が全て終わってしまってからは、会う事はなくなった。
名前も知らないあの少年天使……
その少年天使が来なくなってからも、少しの間ずっと、その少年天使の姿を探していたシンである。
(もう、こないのかな……)
来ないのだろうと確信した時はとても寂しい思いをしたのを今でも鮮明に覚えている。

「……という事が私にもあったんです。あれは……ユダ……だったのですね。きっと。その天使は、赤い髪で、とても綺麗な瞳の色は青でしたから」
とても嬉しそうで、でも、少し複雑そうに笑うシンがいた。
「……あれは、シンだったのか」
ユダはびっくりして言葉が続かなかった。
一呼吸おいてから。
「そうか。そんな前にも会っていたんだな。俺も……ずっとあそこに通えばよかったな」
「いえ。これはこれでよい思い出です。ユダ」
「そうだな。シン」
ユダはそっとシンを抱きしめ、そして、二人は眠りについたのであった。

後日…
「シン」
ユダは真面目な顔をしてシンに語りかけた。
あまりに、真剣な顔をしているので、シンは少し不安になりながら
「なんでしょうか? ユダ」
と答えた。
「俺たちは……きっと運命で結ばれてたんだろうな。たとえ、この先どんな運命が待ち構えていようと、お前の心と俺の心が離れる事は絶対にないだろう」





後書き
いやぁ。
セイントビースト下巻をみて、どうしても書きたくなっちゃって。
こうだったらうれしいのになvv
という、妄想大爆発な小説です(あぅぅ。)

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