平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~

平穏な日々。~ドラマCDに明け暮れて~

~教育実習編~

∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨キリンも歩けば亀にぶつかる~教育実習編~∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨



見合いをした次の日、ユダはルカに、状況を説明しに行った。
「ルカ。見合いの件だが……」
「あぁ、一つ謝らないといけないことがあるんだ。ユダ」
「なんだ?」
「シンという青年なんだが、彼も代理だったらしい。すまない」
申し訳なさそうに、ユダに、見合いのからくり?というか、真実を伝えた。
「いや。それはシンに昨日聞いた」
ユダは嬉しそうにルカに語りかけた。
「なんだ。そうだったのか。ところで、ユダ。何か、いいことでもあったのか?」
シンの名前を呼びすてにしている時点で、発展があったのだろうとは予測は出来たのだが、あえて聞いてみた。
「あぁ、今後もシンと会える事になった」
あえて、付き合うという言葉は出さなくとも、ルカはある程度の事までは推測できたのである。
「そうだ、忘れていたが、明日から教育実習だよな。ルカ、お前は確か……生物担当だったよな?」
「ああ、そうだ。ユダは、数学だったな」
そう。ユダとルカは、明日から教育実習に行くのだ。私立天界学園へ。
「シンも、私立天界学園の生徒だと行ってたな。会えるだろうか」
「ユダ? 相手に、教育実習で行くという事を伝えてないのか?」
「伝えてないが……? 伝えるべきだったか?」
――ルカは、普通は言うのではないだろうかとも思ったが、
「どっちでもいいんじゃないか?」
と答えたのであった。

教育実習当日。
ユダとルカは、シンとレイのクラスを受け持つ事となった。
ユダは、数学担当で、ルカは生物担当で。
シンとレイの担任は、ゼウスで、国語担当だ。
副担として、ユダとルカがゼウスの下で学ぶ事となる。
「今日から、教育実習生の方々が我がクラスにやってきた。自己紹介をして貰おう」
「本日から、2週間の間、数学を担当するユダだ。どうぞ、よろしく」
「私は、生物を担当させて貰う、ルカと言う。よろしくな」
ユダとルカが並ぶと爽快である。
あまりの美しさにクラスは騒ぐ事も忘れ、ぼ~っと二人を眺めていた。
(どうしてユダさんがここへ? 教育実習? あの時、何も言ってなかったのに……)
シンは驚きの為、教壇に立つユダを目を見開いて見ている事しか出来なかった。
隣を見ると、レイも言葉無く固まっている。

昼休み。
シンとレイは誰にも話を聞かれたくなかったので、校舎から少し離れた裏庭までお弁当を持ってランチタイムに訪れていた。
ここにはあまり人が来ないため、二人の定番の場所となっているのだ。
「シン……あの人が話してくれたユダさんなんですか?」
「そうです……レイこそ、あのルカ先生って……」
「そうです。僕が一目惚れした、ルカさんです……」
「……でもどうしてここに……。ユダさんに会った時、何も言ってませんでしたよ……」
「僕もびっくりしました……ルカさんはよくお店に食べにきてるから、てっきり社会人かと思ってました」
とりあえず、お弁当を食べようと、二人は大木にもたれかかって、包みを開けた。
お弁当はレイが二人分用意してくれる。もともとレイが料理好きなのと、シンが不器用なせいでもある。

一方ユダとルカは……ゼウスに襲われていた……
「ユダ! ルカ! 君達が来る、この日をどれだけ楽しみにしていたかっ!!!」
「先生……抱きつくのはやめろx2」
ゼウスをはがして、ユダとルカは昼食をとりに行く事にした。
(本当は、シンを誘いたかったのだが……)
(レイはここの生徒だったのか……)
「ルカ。今日は天気も良いし外で食べるか」
「そうだな」
かつて、よく二人で昼食を食べたあの場所―――
裏庭へ足を運んだ。
すると、前方に、シンとレイの姿を見つけた。
ユダとルカは顔を見合わせた。
「この場所は、俺達しか来ないものと思っていたがな?」
「あぁ、そうだな。」
ユダとルカがシンとレイに声をかけようとした時―――
「それだったら、お互い、校内恋愛になりますね」
とレイが言った。
(校内恋愛? お互い? シンは……高校には想う人はいないといったが。同級生にはいないと言う事か?では……他に考えられるのは、先生?)
またまた、ユダは誤解を激しくするのであった……。
その時、小さな木の枝を踏んだのか「ぱきっ」という音がした。
シンとレイは音のした方を振り返ると、そこにはユダとルカの姿があった。
「どうして、ここへ?」
レイは思わず尋ねていた。シンは驚きで、声すら出ない。
「あぁ、ここは、俺達が昔よく使っていた場所なんだよ」
とルカが答えた。
「俺達も一緒にここで昼食をとってもいいか?」
気を取り直して、ユダがシンとレイに聞いた。
「そうなんですか。ええ、どうぞ。僕達も、二人で話したい時にはよくここまで足を伸ばしてるんですよ」
レイがはきはきと答える。
シンは、今の話が聞かれたのか……少し不安になったが、ユダは何も無い顔をしていたので、聞かれていないのだろう……と思うことにした。
「レイ。ここの高校だったのだな」
「ルカ。この子を知っているのか?」
「あぁ、『朱雀』家の次男坊だよな? レイ」
ルカはレイの事を、色々知っているようなのだが、一方レイは……?
シンが、ユダをじっと見ているのにユダは気付き
「俺の隣にいるのは、ルカだ。先ほど、教壇でも紹介していたがな。幼馴染でもある」
先ほどの話が引っかかっているのか、少しだけ寂しげにシンにルカの紹介をしていた。
(やはり……俺とは無理して付き合おうとしているのだろうな)
「そうなのですか……この間お会いした時には今回の事、何もお聞きして無かったから、今朝は驚きました……ユダさ……じゃない、ユダ先生」
「すまない。話すのを忘れていたよ。シン」
「彼が私の幼馴染のレイです……」
「あぁ、あの見合いの……」
少し、シンから目線を外した。
「ユダ先生? どうされました? 気分、悪いですか? 保健室まで案内しましょうか?」
「いや。大丈夫だが、少しシンと二人で話がしたいから、丁度いい。保健室に連れて行ってもらっていいか?」
ユダは、シンに保健室へと案内して貰った。
「シン。この間は、ありがとう。でも、無理する必要はないぞ? 俺に合わせる必要も……」
「いいえ、こちらこそ。自宅付近まで送って頂いてありがとございました。でも、無理とはどういうことですか?」
「シン。お前は、高校には想う人はいないと、そういったよな。高校にはと言う事は、同級生にはいないという事なんだろう?」
「はい、高校にはいませんでした。でも、今はいます」
「……それは、誰の事だろうか?」
「ユダさんには分かりませんか?」
シンは哀しげな目をして、ユダを見つめた。
「俺は、お前と恋人として付き合いたいといったが……お前は……きっと俺に合わせてくれただけなんだろうと」
「どうしたらそう話になるのですか? やっぱり、ユダさんは、私なんて子供で、付き合うのなんて面倒って思ってるんですか?」
「そんな事は無い。絶対に。お前の事に関しては面倒と思うことなどありえない。シン。お前さえ嫌がらなければ……だがな」
「では、どうして分かって下さらないのですか? 一度でも、私は嫌がりましたか? ユダさんの事、拒絶しましたか?」
「拒絶しないから、大丈夫というわけでもないだろう。俺自身、こんなにもシンの事しか見えなくなるとは思わなかった。こういった、気持ちを持つ事自体も信じられない。見合いが、本当であればとも思った。代理ではなく、本当に、俺とお前自身の見合い。そうすれば、少しは俺にも脈があっただろうかと」
「私も、あのお見合いが本物だったらどんなに良かったのに、と思いました。嘘をついてユダさんに会ってしまって、私の本心も疑われたらどうしようと……。でもユダさんは私に言ってくれた。恋人同士としての付き合いをする気はないか?と」
(シンの真意が知りたい。自分に自信がない……俺は……)
「私は、嬉しかったんです。ユダさんに惹かれていく自分が分かったから。でも……」
「…………………」
「もう、いいです……ユダさんが無理をする必要はありません。あの言葉は、聞かなかったことにしますから……」
シンはユダに背を向けたまま、振り返ろうとはしなかった。時々、肩が小刻みに揺れる。
「本当に、聞かなかった事にするのか? 出会いすらなかったと……?」
自分で言い出した事だが、いざシンから言われると……とても悲しげにユダはシンに言った。
そして……そっと後ろからシンを抱きしめた。シンの身体が驚きでビクリとはねる。
「無理はしていない。ただ、不安になる。年も離れているしな。この年代は1学年違っても差がでてくる。それに、お前の事が信じられないわけじゃない。俺自身が自分を信じてないからかもしれない。その結果、俺はお前を信じていないという事になるのだろうか」
シンは無言で首を振った。
「こんなに、悲しませる気はなかった。シンと出会って……もう会えないかと思ったのに、また会うことが出来た。たった、会って2日しか、いや、実質1日か。それで、告白して想いが遂げられるとは思えなかった」
「…………」
「こんな、情けない男と知って幻滅したか? シン」
シンを振り向かせ、ユダは丁度シンと向かい合うようにして言った。
シンは何かを隠すようにユダから顔を背けた。
「やはり、俺を見てくれないんだな。シン」
シンは、はっとしたようにユダを見た。その顔は涙で濡れている。
ユダはシンの頬にそっと手をあて――
(泣かせたい訳じゃないのに・・・)
「もう一度だけ告白してもいいだろうか? どんな結果でも俺は受け止めよう」
シンは無言でユダの言葉を待った。
「シン。お前は、まだ高校生だ。周りにもたくさん、魅力的な人が多いだろう。まだまだ出会いがたくさんあるとも思う。俺に縛られるとそれのチャンスがなくなる」
「ユダさ……」
シンが何か言いかけたが、そっとシンの唇に指を押し当て、言葉を封じた。
「だが……それでもお前が欲しいと思う。ずっと側にいて欲しいと思う。俺だけを見て欲しいと思う。たとえ、お前のチャンスをつぶしても。お前の視野を狭めても。そんな俺でもいいか? きっと、俺はお前を手に入れたら永遠に手放せなくなってしまう」
「本当に私でいいのですか? ユダさんに初めて会った時から、なんて素敵な人なんだろうと思っていました。またお会いして、お話が出来たらと……。私は、もうユダさんしか見えません。ユダさんに出会えたから、これからの他の出会いなんていらない。ユダさん以上に魅力的な人なんて、他にはいません」
「シン……」
「私は、ユダさんじゃないと嫌です……」
「ありがとう。シン」
シンが、少し震えながら目を閉じ、ユダを待っていた。
「シン、焦る必要は無い。お前に合わせるから」
と耳元で囁き、頬と額に口付けるユダであった。
それでも、シンには刺激が強すぎたのか……ユダの囁きが悪かったのか……足がカクンとなり、倒れかけたのである。
「シン。大丈夫か?」
―――道のりは……長いな。それも楽しみだが。

~おまけ~
少しだけ、ユダとルカの授業風景をお伝えしよう。
生徒が皆うっとりと見入っている……
本当に勉強になるのか!? という状態だったらしい。
だが、皆ユダとルカに褒められようと、テストの点数は激しく良かったのである。
ある種の伝説を残した、ユダとルカであった……。
シンとレイは、この現状に少し不安を覚えた? かもしれない。



後書き
萌え逝くままに・・・(逝ってどうする・・・)
大学生と言えば、教育実習(違うって)
教育実習といえば、シン達のクラスに行かないと!
でも、ユダやルカに教わって授業になるのか?!
見惚れてて勉強どころじゃないよな~
鼻血出る人もいてそうだ。
とか思いながら書いてました。
教育実習編と書きつつ・・・授業風景が無い!(なぜだ~~~っ?!)
そんな感じです(どんな感じだっ?!)
後書きになってない・・・すみません・・・

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