マイアミ動物警察

MIAMI ANIMAL POLICE マイアミ動物警察

フロリダ州マイアミ 
ビーチや湿原も有するこの広大な都市には様々な生き物がいる
彼らに緊急事態があれば動物管理局が出動する
1日150本以上の通報に捜査官たちが対応する
放し飼いの犬や放置されたブタ、アリゲーターから暴れるネコまで
通報があればすぐに駆けつける
動物管理局に入る通報は年間3万本以上 24時間体制である



「1」人々が眠る午前4時30分 キャシー・ラプラーダ捜査官が現場に向かっている
今日の任務は 番犬の捕獲 である

「番犬はなわばりを守るように訓練されています。私が敷地内に入れば不審人物とみなされて危険でしょう」

その上、番犬の飼い主は警察に追われている容疑者である
「今日の任務はとても危険です」

ラプラーダ捜査官はデイ巡査部長に応援を頼み、二人は容疑者の逮捕に向かう警官と合流した
「容疑者は父親を棒で殴り、ナイフで顔を刺そうとしました。
父親は顔を守ろうとして指を2本切っています。」

警察は容疑者の逮捕を急ぐが凶暴な番犬が行く手を阻んでいる
容疑者宅に踏み込む前に番犬を捕獲する
容疑者は武装している可能性があり捜査官も警戒
「いつもは捕獲棒だけで動物を追っているのですが、今日は最悪の事態を想定して防弾ベストを着けました」

デイ巡査部長はこういう現場の危険を良く知っている
「動物管理局の捜査官は普段は動物を相手に任務をこなしています。
今日は犬だけでなく飼い主が警察に追われている危険人物なので応援にきました」
8人の警官が一緒である

迅速に番犬を捕獲できればその分容疑者の逮捕も容易になる

犬を捕獲に向かったとき容疑者は隣家の庭に逃げ込んだ
逃げ道を塞いだので逮捕は時間の問題である
容疑者を逮捕したのはデイ巡査部長
容疑者を手際よく逮捕する彼の姿を見てラプラーダ捜査官は関心する
「フェンスを越えて逃げた容疑者を捕まえました。見事でしたね」
容疑者は第二級の殺人罪に問われる 巡査部長の手柄である
「いつもは動物ですが、追いかけるのは慣れています。長年の経験が役にたちました。」
次は番犬を捕獲するラプラーダ捜査官を手伝う

番犬が逃げ出せば住民に危害を加えるかもしれない
番犬として育てられた犬に襲われれば危険である
米国では犬に襲われ重傷を負う人が後を絶たない
二人がかりで捕らえる
「人を襲うように訓練されています。」
攻撃だけを教えられた番犬は安楽死させるしかないのである



「2」トートリエロ捜査官は巡回中に動物虐待の通報を受けた
犬が首輪で怪我をしている模様

「まず飼い主に事情を聞く必要があります。必要なら犬を保護します。」

犬はアパートの裏に繋がれているようである。
トートリエロ捜査官はまず飼育状況を確認する
「犬小屋はなく、水は汚れていて餌もひどい状態です。」 罰金1000ドルの違反である
さらに悲惨な発見があった
「首輪が皮膚に食い込んで傷口が化膿しているようです。すぐに傷口を手当てしなければなりません」
犬を保護する前にまずは飼い主を探す。
飼い主は見つからなかったが面倒を見ている住民がいた
「世話をしていたのなら責任がありますよ」
「飼い主じゃないのに?置き去りにされてたから食べ物をやってた。餌代も出してたんだ」
「いつからですか?」
「4ヵ月前からだ」

ようやく飼い主の連絡先が分かり、電話をする
「治療を受けさせたいので犬を連れて行きます。」
すぐには応じない飼い主を説得する
「怪我をしているので病院に連れて行く必要があります」
10分後やっと病院に連れて行く承諾を得る

今後も劣悪な環境で飼われていれば命に関わっていた
「こんな状態で飼われるくらいなら里親をみつけたほうが良いでしょう」
トートリエロ捜査官は飼い主の罪を追及するつもりである

「犬の飼い主は3件の違反を犯しているため1500ドルの罰金を科します。
あの犬には新しい飼い主を探します」

その前に首の傷を治療をする必要がある
管理局に戻るとまず首輪を外すことにする
「これを外すと楽になるぞ」
しかし首輪を外すのは予想外に難しそうである
「首輪が肉まで食い込んでなければすぐに外せると思います。どんな状態か見てみましょう」
4ヵ月前から放置され首輪は深く食い込んでいる
応援を頼んで何としても首輪を外す
ついに首輪が外れ、 虐待の証拠 として傷を撮影しておく

犬は苦しみから解放された
「ようやく首輪が外れたので、明朝一番で病院に連れて行き傷口を治療してもらいます」
翌日、飼い主には1500ドルの罰金が科せられた

ボブと名付けられた犬は動物愛護協会に連れて行かれ、ピサノ獣医師の診察を受ける

虐待を受け病院に運ばれる動物は体の傷は治っても心に傷を残す事がある
「犬たちの虐待一つ一つを気に留めれば身が持ちません。
私の仕事は体の傷を治すことだと割り切ってあとは別の人に任せます」
1時間後、腐敗した組織は摘出され縫合は終了した

しかし、 過去の虐待から受けた心の傷は治らず
ボブはその後職員に咬みつき安楽死の道をたどることになった



「3」エバーグレーズでは野生動物の専門家ボブの長い1日が始まる
大型の野生動物を扱う際、管理局が頼りにする人物の1人である
彼の施設にはトラのロッキーを含め様々な動物がいる
「ロッキーの元の飼い主は無許可でトラを飼っていました
現在推定2才半です。今日は健康診断のため病院へ連れて行きます」
トラを診察できる病院は車で1時間の距離にあるため、移動にはロッキーの育ての親の助けを借りる
人間に育てられ、育ての親には慣れているが、完全に飼いならすことは出来ない
「大型の動物は遊んでいるつもりで人に飛びかかるだけで危険です。
トラを病院に連れて行き、無事に帰って来るためには十分な注意が必要です」

ロッキーはシベリアトラとベンガルトラの子供で、足が速く力も強いということを忘れてはならない
ロッキーは移動中静かにしていられるだろうか

1時間後ついに病院に到着
この病院にとってもトラを診察するのは珍しいことである
診察室までトラを歩かせようとしたがうまくいかない
「犬の声や多くの人に驚いたのでしょう。」
このままロッキーが暴れ続ければ怪我人が出るかもしれない
「恐がっていますので何かきっかけがあれば襲ってきますよ。一歩間違えれば危険です。」
1時間後ボブはロッキーに鎮静剤を打つことにする
「薬で眠らせたロッキーを運ぶのは重労働なので避けたかったのです。」
獣医師がすばやく鎮静剤を注射する
いつ目覚めるか分からないので急いで病院に運び入れる

診察は順調にすすみ仕上げに歯を磨いている最中に
ロッキーの麻酔が切れてきた
ロッキーの睡眠が長引くよう全員が願っている

麻酔が覚めないうちになるべく早くロッキーを連れて帰らねばならない
「血液検査の結果を待たずに車に運ぶことにします」

ロッキーは無事保護施設に戻ったようだ
家に帰ってきたもののまだ完全には目覚めていない
全員でロッキーを車から降ろそうと試みる
「ほら出ておいで 出てきなさい 良い子ね」

「健康だと分かり安心しました。。今日は疲れたでしょうからゆっくり休ませます。トラも人間もケガなく全員無事でした。」
「成功です」

「4」マイアミの南エバーグレースでは広大な土地に多数のアリゲーターが生息している
その片隅にある空軍基地にもアリゲーターが出没する
「滑走路にアリゲーターがいるのは非常に危険です。
時速20キロで大きな木と衝突するようなものです」
動物管理局は通報を受けトッドに協力を求めた
彼は過去に50匹以上を基地から排除している
「アリゲーターは変温動物なので滑走路で体を温めているんです。」
「今日のような寒い日には多数のアリゲーターが移動します。
寒さをしのぎやすい湖をめがけて、滑走路を横切るのです。」

20年の経験を持つトッドの腕の見せどころである
小さなアリゲータの子供がいる 捕獲する
「まだ子供のうちに生息地を変えることで
将来起こり得る危険を回避することができます」

トッドは湖にわなを仕掛けておく

アリゲーターは餌を食べに来ただろうか
「昨夜しかけたワナの餌を食べに来たアリゲーターが気に引っかかっています。」
深さ6mの湖に潜り状況を調べる
視界の悪い湖の中では長年の勘だけがたよりである
危険な作業が続く

巨大なアリゲーターはすでに死んでおり、危険はなかった
「体が大きく力が強いため餌を食べてワナごと水に潜ったのでしょう。
そこでワナが木にからまり水面に上がれなくなったのです。」

予想外の結末だが、人命を救うのが優先である
「航空機とパイロットの安全確保が第一です」

基地の近くで捕まえたアリゲーターの子供は基地から遠い場所に移される
「この仕事をしていて子供を放す瞬間は幸せを感じます。」
4匹は広大なエバーグレースで元気に成長することでしょう
アリゲーターがいる限りトッドの仕事は続く
「人やペットを守るため通報があればすぐに駆けつけます」


「5」毎月何千件も入る通報の中で捜査官が最も憤りを感じるのは
虐待されている動物を見たときである

「このような状態で犬を飼うのは拷問です。」
捜査官の迅速な対応で多くの命が救われる
「今日来なければ明日にでも命を落とすところでした。」

しかし手遅れの時も・・・
乗り捨てられた車の中に犬の死体を発見
グティエレス捜査官が最悪の事態に対処する
「飼い主に置いて行かれたのでしょう。日中の気温は30度を超えるので、窓を閉めきった車内は
40度にはなるはずです。とにかく現場に向かいます。」

年間300万人以上が海水浴に訪れるマイアミでは
夏場の気温が30度以上に達する
現場は悲惨な状況になっていることだろう
「ひどいな。飼い主の責任を追及すべきです。
猛暑の中水も与えず犬を置き去りにしたのです。」

警官が車のナンバーから飼い主を突き止める一方で
グティエレス捜査官は死体を片付ける
3日間放置され死体は腐り始めていた
「動かすと体が崩れそうです」
捜査官には気の滅入る作業である
「今まで様々な通報に応対してきましたが、これほど悲惨な状況は滅多にありません。
放置されて死んだ動物をみると悲しくなります。ひどすぎますよ。」

腐敗が始まっているため臭いも強烈である
見るだけで気分が悪くなる光景である
「猛暑の中窓を閉じられ車内に残されるなんて想像を絶します
さぞ苦しかったことでしょう」


撤去作業を手伝うため応援の捜査官が到着
つらい仕事である

乗り捨てられた車から死体を片付けた後は
車の所有者をさがし真相を突き止める
捜査官は犬を放置した人物を許さない
「たとえどんなに時間がかかったとしても飼い主には必ず責任を取らせます」

しかし懸命の捜査にもかかわらず飼い主は見つかっていない


日が暮れてからも動物管理局の仕事は終わりません
彼らは24時間体制で動物のために闘っているのです





マイアミ動物管理局捜査官

[1]  不潔な環境での過剰飼育
衛生局からの要請で捜査
過剰飼育、家の中に閉じ込め世間から隠す飼い方

床ドロドロ、壁汚れ放題、糞、かび、ハエ、病気の発生
猫22匹、犬2匹
病気の広がりを予防するため、一匹も残せない
飼い主は退去 罪の意識なし「愛情持って飼っている」という
猫はすべてが感染症にかかっており、広がりを防ぐために安楽死となる
犬は獣医へ 
10歳以上 比較的健康だがひどい歯周病
3歳くらい プードル 人を恐がらないようになれば里子に
だが、飼い主は80ドルの罰金を払い、犬二匹を引き取る

[2]  倉庫に閉じ込められている犬
隣人よりの通報 ロットワイラーが2匹
持ち主は服役中  飲み水なし
妻は「夫の犬だから知らない」と言う  
妻に1000ドルの罰金  犬は保護

2匹の気質調査
メス(グレース)は穏やか
オス(ウィル)は怯えて警戒、攻撃的だが、メスを守るためとも考えられる
里子に出す前に巡査部長が手を咬まれる
咬んだ犬は通常は安楽死だが、今回は調教されることに
悪意があって咬んだわけではない
数ヶ月間倉庫に閉じ込められていたせい?

愛護協会を訪ねた巡査部長が、二度目咬まれる
動物行動学 凶暴になるきっかけを探す
攻撃ではなく、支配されるのを嫌がる警告である
愛護協会でトレーナーにて、本格的に訓練されることになる

グレースは里親が決まる
はたしてウィルは、どうなるのか


[3] 住宅地にアリゲータが出現 
野生動物の捕獲人が向かう
アリゲータを捕獲する 

さらにロットワイラーが沼地に落ち、
アリゲーターに襲われる恐れ
無事に救助、マイクロチップがないことを確認
ロットワイラー救済センターにて里親決定

フロリダには100万匹のアリゲータがいるが
人間に住む場所を追われて、事態は悪化の一方


(法廷で有罪が確定されるまで、無罪を推定されます)


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