和邇乃児之庭

和邇乃児之庭

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

和邇乃児

和邇乃児

Comments

和邇乃児 @ Re:ゲームマーケットのレポートもどき 2(11/28) その後、Where am I ? ~Alice in a Mad T…
和邇乃児 @ Re[1]:紫陽花と富士塚とボッチャと坂と 後半(08/13) みっしーさんへ いつもコメントありがと…
みっしー@ Re:紫陽花と富士塚とボッチャと坂と 後半(08/13) 素晴らしいですね 坂の町東京
和邇乃児 @ Re[1]:こじらせさん、いらっしゃい(03/02) みっしーさんへ テオティワカンでは実際…

Calendar

2020/09/01
XML
カテゴリ: 本・読書
東京オリンピックの10年後が舞台。
若者が性にも生にも執着を失い、自殺者の急増が社会問題となっている。

主人公ミツキもそんな20代女性の一人で、バーのトイレでオーバードーズによる自殺を図ったところを、ログと名乗る女性に助けられる。

ログから「アカガミ」と呼ばれる国が管理するマッチングシステムを紹介されたミツキは、不安を抱えながらも、教習から団地へと、システムの流れに沿って男性との関係を形成していく・・・

***

タイトル自体もそうだが、物語の中で使用される言葉には「まぐわい」や「番い」のように露骨なものがあって、相当な違和感を伴って読み進むことになる。

一方で、ミツキと同様に不安を抱えながらパートナーとして団地での同居を始めるサツキとの距離が、互いに相手の気持ちを推し量ることによって不器用ながらも確実に縮まっていく様子は、特殊な設定に関わらず若い男女の普遍的な情景だ。

その様子は微笑ましく、全体を最後まで貫く不穏な空気の中で救いになっている。
この書き様もうまい。



恋愛や結婚や出産というどこまで行っても私たち個人の問題であるはずの事柄を、政府や社会が固定した価値観で縛ろうとすることの不自然さを、たっぷり260頁を使って著者は表現したのではないかな。

とりあえず、ラストシーンの見事さで言えば、この1、2年で読んだ本の中ではナンバーワンかもしれない。

不適合度★★★★☆





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020/09/01 10:00:19 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: