アニメ・マンガ

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続き・小説4


元気な声がかえってきた。奈央はびっくりしていた。そしてどんどん表情が

変わってきた。

「いやっ何か声聞きたくなって!そういえばもうすぐ渓帰ってくるよね?明

日だっけ?楽しみかい?この幸せもの!」

「え!?うちそんなの聞いて・・」

「え?」

「ううん・・なんもあらへん」

「何かよくわかんないけどバイバイ」

「うん」

「雪見―・・渓私のほうを先に電話したみたい。彼女・・忍はあわてたり嘘

つくと標準語じゃなくなるの」

奈央はそう泣きながら言っていた。雪見は奈央の頭をなでていた。昇は悔し

そうな顔をしてその場を去っていった。学校に行ったのだろうか?

「その渓さんって奈央さんが好きなんじゃないですか?普通彼女さんの方へ

初め電話して

会いに行ったりするんじゃないでしょうか?」

「う・・ん・・」

「元気だしてください!もう悩むのはやめましょう」

大きくうなずいた奈央。雪見もにこりとわらっていた。明日のいつくるのだ

ろうか?

とうとうこの日が来てしまった。そう、昨日話していた『明日』である。

その日は休みの日。奈央は朝起きてからそわそわしながら本を読んでいた。

「奈央・・本逆さま」

雪見がツッコム。奈央ははっとして雪見と本を見た。

「えっあっアハハハハハ」

笑ってすまそうとする奈央。雪見はため息をつきながら食器を洗っている。

しかし今は

九時。昇は外へ散歩。桃子はまだ寝てる。暁は本を買いに出かけた。そんな

ときドンッとドアが開く音が。その音に二人は素早く反応した。

「さ・・暁ぅ?」

そこにいたのは渓ではなく暁。しかしすごく疲れていそう。はぁはぁ言って

いる。走っていたのだろうか?

「そっそとで・・男と昇が!」

「里坂さんですか!?」

反応が早かったのは雪見。さすが。奈央はへー前としていたが暁が案内する

とゆうので

雪見と奈央は暁を追いかけた。ついても昇の姿が見えない。人で隠されてい

た。みんな

見物しているのだろう。その中をわってはいっていった三人。

「ちょっと・・通して・・」

必死だった。雪見も暁もそして奈央も。

「はぁはぁ。ついた。昇?あんた何やって―・・・」

奈央の目に入ったのは昇と―・・渓。奈央は固まった。

「奈央!久しぶり!相変わらずみたいだね」

そこには優しそうな顔で笑う渓がいた。奈央はおもわず顔を真っ赤にした。

「あっひっひさし・・ぶり」

「どした?なんかおかしいぞ」

そらおかしいだろ。おかしいとゆうより驚いているだろう。

「大丈夫か?熱あんのか?」

奈央は首をブンブンふった。渓はよくわからないまま奈央に近づいた。奈央

はドキッとした。渓は何もわからずにおっと笑った。

「なっ何笑ってんの?」

「奈央の顔みたらほっとした」

にこにこ笑いながら言う渓。いい人だなぁ。奈央は息を吸いなおしていつも

の奈央に戻った。

「私はほっとしないよ。何で忍に電話しないで私にすんのよ」

「あれ?忍にもちゃんとやったと思ったんだが・・」

がくっときたのは奈央だけではない。雪見も昇もがくっときていた。

「お前寮にきたかったんじゃなかったのか?」

昇がわってはいってきた。奈央は手をぽんっとたたいた。

「だから二人一緒にいたんだ」

二人はうなずいている。そんなとき雪見が口を動かした。

「それじゃ早く寮にいきましょう?どれに・・どうして里坂さんがここにい

るのですか?」

「そうだよ!学校」

奈央も雪見も意見を聞いてはっとした。それにしても気づくのちょいと遅く

ないかい?

しかしその質問に昇は何も答えず寮に向かった。

「おい!」

その答えにもいわず。昇は進み続けた。あくまでも無視。奈央はどんどん怒

れてきた。

しかし誰もそれには気付かない。

「ばか」

その一言を言ったら昇は立ち止まりくるりと奈央の方に向いた。奈央は舌を

だしながらまだ言ってる。

「バカバカバカバーカ」

プッツン。昇の頭の中で何かが切れた音がした。

「んだとぉ―。人がおとなしくしてたらいいきになりやがって」

奈央は無視して先に進んで行った。雪見はにこにことしながらべろろだして

いた。その

行為にますますいかった昇。怒りが頂点に達したとき昇は二人を追いかけ

た。二人はもちろん逃げた。渓も急いで三人の後を追っていった。せっかく

寮に行こうとしたのにまた

迷子になったら昇にきいたのが無駄になってしまう。

「ストーップ!ついた!」

奈央が急に両手を横に開いていった。たしかに寮についた。しかし昇が止ま
るはずがなく

追いかけ続けていたら―・・

ズコッ

はまった。いや、これは・・こけたのだ。

「・・ご愁傷様です」

二人はそういうと昇をおがんだ。そうすると昇はむくっとおきあがり二人を

にらみつけた。

「暴力はよくないよ」

渓が入ってきた。いいタイミング。二人は渓の後ろへかくれた。

「そーです!暴力はよくないです」

「お前・・最近奈央に似てきたぞ・・」

「えっへん!」

えばった奈央。雪見もクスクスとわらっている。昇はおもしろくない。当た

り前だが。

         六・不思議な子


寮の中に入った三人。あとの二人はまだ帰ってきてはいなかった。奈央はま

ず渓を座らせ料理を雪見と作っていた。昇は座ってにこにこしながら奈央の

料理をいしている渓をじーっと見ていた。渓はそれに気付いてにこりとわら

って昇に話しかけた。

「なんだい?里坂君」

昇は何もお答えなかった。ただ渓をじーっとみていた。・・沈黙。ガチャガ

チャ。ただ

そんな音だけが聞こえる。それに気付いた雪見と奈央。そうすると二人はし

ゃべり始めた。

「雪見―明後日ってバレンタインデ―だよね?誰かにあげる?」

「はい。でも・・受け取ってくれるか心配で」

「大丈夫!あいつなら心配いらないって!・・多分」

そんな会話を楽しんでいる二人。渓も笑ってる。やっと昇は口をうごかし

た。

「何で笑ってんだ?」

いきなりの質問にあせった渓。しかし冷静に言い返した。もちろん笑いなが



「楽しいから。里坂君はあんまり笑わないのかい?」

「ああ」

「なら何で笑わないの?」

その質問にはこたえられなかた。昇はただ下を向きながら沈黙していた。渓

はまた奈央たちを見た。

「それと同じ理由。不思議と笑うんだ。特に奈央のことになるとおもしろ

い。かわいいし」

昇はその言葉に正直真っ赤になってうそだと思った。

(あいつがかわいい!?うそだろ!?)

昇は手で口を押さえながえら頭の中で叫んでいた。渓はまたにこにことわら

っている。

こんなはずかしいことよく笑いながら言えるのか昇には分からなかった。

「里坂君って面白いね」

またもやおかしなことをいっている渓。昇はその言葉を聞いて冷静を戻り答

えた。
「は?」


しかし渓はわらったまま。渓は奈央や昇以上に不思議な子だ。そんな話をし

ていると二人は帰ってきた。

「たっだいっま―!!!おーっとお客さん・・。私杜氏 桃子!」

「杜氏 暁」

二人はいきなり自己紹介をしていた。暁はなんかテンションが低い。何で?

「こんにちは。僕は渓」

「僕っていうんですか?自分のこと」

暁が急に質問してきた。なんか不機嫌そう。嫌なことでもあったのだろう

か?

「うん。君は言わないようだね。僕も昔そうだった。ケンカ強かったし」

にこにこと笑いながらすごいことを言う。外見からしてケンカが強かったな

んて思えない。

しかしその言葉を聞いて奈央も言った。

「うんうん。あんとき強かったよな―渓。私負けたモン。初めて」

「奈央も強かったけどね」

そういうと奈央は少し照れていた。自分は弱いと思ってたのかな?

「忍は逆によわかったな」

急にしのぶの名を出す渓。奈央は少しがっかりした。

「そだね―。なんでだろう・・」

そんなことをブツブツ言っていた。その話についていけない四人・・。ポツ

ンとしていた。

それに気付いた渓はその四人を見た。

「ごめんごめん夢中になってて。えっと・・この中で強い人っている?戦っ

てみていんだけど・・だめかな?そのためにきたんだ」

にこりと笑いながら言う渓。しかしその言葉にはだれも反応がなかった。奈

央はため息をついて口をうごかした。

「誰も強い人なんていないって。雪見はおとなしいし桃子はケンカしないっ

ぽい。もちろん暁も。昇はそらないけど。しりたくないし」

みんなうなずく。昇はため息をして二階に上がろうとした。その瞬間背中お

されてバランスが悪くなった。しかしその昇の背中を押した渓が上手く昇を

受け止めた。

「なっなにすんだよ!」

怒った。当たり前。しかし渓はにこにこと笑っているだけだった。

「戦ってくれないかな?強いんだろ?」

まだいっている渓。昇は渓をにらんだ。しかしどうよういない渓。いつも冷

静。しかし昇は目をつぶり一言。

「一回だけだぞ」

そういってみんな外へ出た。しかしあの優しそうだった渓が別人みたいだっ

た。だれもが

おどろいていた。しかしやはりおどろいていないのがひとり奈央。しかし暁

もそんなにおどろいてはいなかった。さっきから警戒してたし。何かあるの

だろうか?

「いくよ?」

「どうぞ」

二人はそんな会話をしていた。奈央が合図をして二人は戦いを始めた。簡単

な試合なようなものを始め。

(でも何で渓が昇を選んだ?昇は強そうだけど私より強くなさそうだけ

ど・・失礼だろうか?しかしそう思ってしまう・・うぅ)

そんなことをおもっていたら暁が目にはいったので思わず暁のほうへいき話

しかけた。

「ねぇどうして警戒してんの?渓のこと」

「・・・・・・」

「ねぇ」

何も答えない暁。しかし次の瞬間暁が急にしゃべりだした。

「強いから。強すぎたから」

ポツリといった瞬間昇は倒れた。渓が勝ったのだ。渓はにこりとしていた。

昇は倒れたままだった。奈央はそれに素早く反応して急いで昇の方へ行っ

た。

「ちょっ昇!!しっかりしなさいよ!」

雪見も急いで駆け寄った。暁も目を閉じ開けてから昇の方へかけよった。桃

子も。そしてみんなで昇を上に上げた。

「よっと・・あー肩こった。重いったら重い!!」

「ごめん。奈央・・。奈央、最後に一回勝負してくれないか?」

「いーけど何でさっきから勝負勝負って何で?」

その質問にはこたえない渓。ただ奈央を見ていた。おもわず奈央はドキッと

したがため息をついた。

「いーよ。でもわけ、ちゃんと教えてよ」

渓はうなずいた。そして二人は外に出た。戦いの始まり。

         七・戦いが終わり


戦いが終わった。二人とも倒れてハァハァ言っている。

「やっぱり・・つよ・・い・・なぁ・・渓は・・」

奈央は息切れをしながら渓をほめる。渓も奈央をほめる。結果はやはり渓の

勝ち。今は力の差があるからだ。

「そんじゃ。わけ・・だっけ?『奈央に会いたかったから』かな」

にこりと微笑みながら言う。奈央は赤くなった。しかし渓はいつもとあまり

変わらないのだが何かが違う感じがした。

「渓・・さん。あなたもうすぐ死ぬんですか?」

突然暁が言った。その言葉に一番驚いているのは渓。しかし暁はへー全とし

ている。

「明後日くらいですか・・ね・・その体じゃ」

するどい言葉。沈黙しかなかった。

「その体って?」

問いかける奈央。素直いう渓。みんなそれを真剣に聞いているだけだった。

「三年前ぐらいから体・・悪くて・・昨日医者に『あと一週間の命です』っ

ていわれて

思い浮かんだのは・・奈央だった」

にこりと笑った渓はどこか悲しそうだった。そして外に出て行った。みんな

ボー全としていた。暁は真顔でじっと出て行った渓を見ていた。奈央は渓が

でていったことに気付いてすぐ渓を追いかけるように外に出て行った。誰も

止めなかった。誰も奈央を追いかけなかった。いや、追いかけれなかった。

「渓!待って!」

しかし渓は止まらない。しかし奈央は追い続ける。距離は結構あった。しか

し奈央は走るのは速いほうだから距離はだんだん近くなっていった。渓は近

くなっていくのを知り渓も

走る。しかし奈央よりは走るのは早くなかったからそんなに距離はかわらな

い。

「けーいー!!あんた走るの遅いんだからおとなしくとまれよ―!!!」

大声をだす奈央。しかしその質問?に渓は元気のいい声で答えた。笑いなが

ら。

「やだよ!もう一回奈央と勝負!走るの結構早くなったんだぜ!」

「んなこといってもやっぱり遅いじゃん!」

元気よく会話する二人。そんな会話をしていると奈央は渓に追いついた。渓

はとまりぜえぜえと息切れ。奈央も息切れ。

「体・・なお・・るよ・・」

奈央からでたのは意外な言葉。渓は驚いたように奈央を見た。奈央は笑って

いる。

「だって体・・平気じゃん。走ったのに。倒れないし。『強く願えば願いは

かなう』

そう教えてくれたのは誰?」

「ぼ・・く?」

クスリと奈央は笑った。

「もう『俺』って言っていーんだよ?誰も怒らない。不良になったのも親に

勉強いろって

言われたんだよね?もう言わない。いったら私が渓の親にコウギする!友達

もふやしてさまた遊ぼう。寮にいる奴らはいー奴だよ!」

渓は涙を流していた。それを見た奈央はにこりと笑って渓を抱きしめた。渓

も奈央を抱いた。二人は数分たつと寮にかえっていった。元気な顔で。

「たっだいまー」

元気のいい声。それは奈央から。みんな驚いた。奈央の隣に居たのはにこに

ことしている渓がいたからだ。さっきまでの渓は悲しそうでなにもかも捨て

たような感じだったから。

「元気になったんだね。渓・・」

暁だった。渓はそんな暁をみてまたにっこりと笑って手を握った。

「っていうか何で暁は渓が強いことや体が弱いことしってたの? 」

たしかに。なにもかも暁は見抜いていた。だれもわからなかったことが暁に

はわかったのだ。暁はその質問にお素直に答えた。

「カン。っていう・・のか?よくわからんが昔から何か特定も人の心がよめ

るんだ。

その特定の人っていうのはわからんが。この寮にきてわかるには渓だけだっ

た」

桃子も意外そうなかんじだった。双子でも知らなかったらしい。しかし今度

は逆に渓は一向に驚いてはいない。

「だからか・・なんか心に誰かの声がすると思ってて・・誰かと思っていれ

ば暁だったのか」

何で二人とも急に仲良くなってんの!?それに呼び捨て!?驚くことばか

り。まあ悪いことにはなってないが。

「何で呼び捨て・・なんですか?」

雪見が急に聞く。その質問には渓が答えた。暁もにこにこしながら聞いてい

た。

「さっきいったとおり俺ら心がわかるから呼び捨てにしてみて相手がいやな

感じをしなかったらいいってこと」

「おい。今・・渓・・俺っていってねーか?」

また渓はにこりと笑う。そしてうなずいて口をうごかす。

「ああ。奈央がもういいっていってくれたからな。こ言葉ももう敬語はつか

わねーぞ」

みんななんでが笑いながらため息をついていた。これにて一見落着?

「あ!えっと渓・・君?あんた学校ってどこ?もう帰るんだよね?」

桃子からのしつもん。渓は迷わず奈央をみながら言った。

「キミらがいってる学校に行く。ここの寮を使わせてもらうよ。暁と一緒の

部屋で」

暁はあきれている。いや、みんなあきれている。ただ一人渓はにこにこと笑

っていた。

          八・新たなるスタート


そして寮に六人で暮らすことになった。またいっそうに楽しくなるよう

な・・?

「え!?渓ってクラス一組!?」

「ああ。昇と一緒だってな。楽しくなりそうだぜ」

奈央とそんな話をしていた渓。それも登校中。

「渓ってさーよくしゃべんだよな?」

暁が言った。たしかによくしゃべる・・。と、思うが。その答えは奈央が言

った。

渓もうなずいていたが。

「昔からこんな感じだよ。何から何までペチャクチャと」

しかし体が悪くてそれが直るとおもったらもう本性だしまくっている。渓が

こんな性格だなんて思えなかっただろう。『礼儀良い青年』って感じが『元

気の良い青年』に変わってしまった。変わらないほうがよかったのでは?

「あとさ―雪見敬語やめてね。調子くるうから」

急に雪見に聞いた。たしかに時々普通の言葉になるが大抵は敬語である。

「えっそうですか?」

「ほら!直して!」

「はっは・・あっうん」

うなずく奈央。あせっている雪見。あとの四人はまた何か話し始めている。

渓はめずらしく昇に話しかけている。

「昇と同じクラス♪よろしくな」

「あっああ」

なんだか元気のない様子。ぎこちない。渓はそんなの気にしないでまた質問

した。雪見と奈央はその会話を聞いていた。

「なぁ、この学校で一番人気ある男子と女子って誰?」

なんでそんなことを?しかし一様答える昇。その姿は嫌々いっている感じで

ある。渓は目を輝かしてる。

「白場じゃねーの?」

「白場って雪見さん?美人だもんね。で、男子は?」 

言葉につまる昇。固まっている様子。かわりに答えたのは桃子。さっきから

存在感がなかった人。今まさにチャンス。何の?

「それは里坂さんにきあってるじゃーん!!」

盛り上げたいと思いながらいっているのか?いつもよりさらに明るい。 

「へぇ。やぱりもてるんだ。クールだしね。わかるよ」

うなずきながら言う渓。みんな微妙にうなずきながら考えていた。どこが良

くてもててるのかと・・。雪見はすぐわかるだろうが。他の三人はまだ考え

ていた。そんなこんなで

学校についた。みんなそれぞれのクラスに行った。昇&渓は1組。桃子は3

組。暁は5組。

奈央&雪見は6組。みんな大体分かれている。桃子とい暁は同じクラスでは

ないのだ。

「はぁ―。また今日から忙しくなるねぇ。渓も来たことだし。つーか忍

は?」 

一人ブツブツと言っていると男の子が奈央に近づいてきた。奈央はそれに気

づきすぐあいさつをした。相手の男もあいさつをした。その男の名は―遙 

聖示。(はるか せいじ)

「何?」

「宿題」

そういって聖示は手を差し出す。奈央はため息をして宿題のプリントを出し

た瞬間取ろうとする聖示。しかしその手をたたいた奈央。

「言うことがあるでしょ?」

勝ち誇ったように言う奈央。聖示は一瞬ひるんで礼をして口を動かした。

「貸して下さい」

礼儀正しく言った。奈央はプリントを聖示に差し出した。すぐさまとった聖

示はいそいでプリントをみて自分のプリントにうつしていた。

「ったく。聖示って何でいつもいつも言ってくんの?雪見にきけばいーの

に」 

ボソッとつぶやくとそこには雪見がいた。

「好きなんじゃないの?奈央のこと。遙さん結構人気あるし」

「人気あり!?何で・・」

「スポーツ万能。元気よし。誰にでも声をかける。その条件がそろっている

かぎり人気でしょ」

雪見がなんだか怖く感じる瞬間だった。しかし聖示は本当にその条件がそろ

っているのだ。

だから女子でのケンカは結構ある。ファンクラブもあるといううわさであ

る。

「ちょっと春月さん!わたくし遙くん守り隊はあなたと遙くんを徹底的に邪

魔させていただくわ」

いきなりでてきて叫びまくる女。守り隊とかいっているがつまりはファンク

ラブのことである。その女は多分ファンクラブ一番って所だろう。そんなと

き聖示がプリントを写し終わって奈央にお礼を言おうとした瞬間その女は奈

央を突き飛ばした。

「わっおい!奈央!?大丈夫か」

「いててて・・まぁね」

そういって奈央は立ち上がった。その瞬間奈央は女を叩いた。とてもいい音

が教室に響いていた。

「なっなにすんのよ!?」

女は泣きながら叫ぶ。頬を押さえながら。相当痛かったのだろう。しかし奈

央はようしゃなしに女に近づいていく。

「人を突き飛ばすかなわりーんだろーが!」

切れてる・・。この状態の奈央を止めれるのは渓だけだろう。そう思った雪

見はすぐ一組へと走って行った。

         九・心

「何!?奈央が切れた!?なんてことしてんだよ!」

怒りながら渓が六組へと走っていく。その姿を追いかける昇と雪見。走っ

いるとき昇が雪見に聞いた。

「おい、何で切れてんだよ」

「そっそれが急にきた女の人が・・」

説明をしている雪見。説明が終わると同時に六組についた。

「奈央!やめろ」

「渓・・わかったよ・・」

なんとあんなに怒っていた奈央が渓の一言で止まった。

「でも、相手が悪いんだぞ!ったく、私が何したってーの?」

「わっわたしはただ遙くんを守りたいとおもっただけですわ!」

「坂場さん・・俺別に攻撃されてないんですけど」

彼女の名前は―坂場 李緒というらしい。しかしこの口調・・演技している

春海に似ている。現実にそういう人がいるなんて・・。

「そうだ!そうだ!ただプリントかしただけだ!」

切れる奈央。女―李緒が動揺する。というよりひるんだ。でもたしかに奈央

はプリントをかしただけだ。

「私はあなたが大っ嫌いなんです!!いっつも遙くんになれなれしく・・」

「私が・・聖示と・・なれなれしく?でも私なんとも思ってないよ。人気あ

っても関係ないし」

またもやひるむ李緒。聖示もなんともいえなかった。渓はにこりと笑って奈

央の頭を撫でた。奈央もにこにこしていた。その光景を見ていた昇はとても

不愉快そうだった。

「帰る」

「えっ里坂さん!?あっあのっ」

追いかける雪見。しかし止まらない昇。怒っているような感じでずばずばと

歩いていた。

「何?何か用?」

「あっそのっえっと・・何で帰っちゃうの?」

「用がないから」

「じゃあ何できたの?」

沈黙・・昇は渓に続き奈央を止めようときた。何で?雪見は渓に聞いただけ

なのに・・。昇も考えていた。

「奈央が・・気になるから」

そういって昇は自分のクラスに帰って行った。雪見は倒れた。誰も気付いて

いない。

「ねぇ・・雪見は?」

奈央が急に渓に聞く。しかし周りをみてもいない。昇もいない。渓は教室を

でた。奈央も教室にでてろうかを走りまくった。そんなとき奈央は雪見を見

つけた。

「雪見!?どうしたの」

奈央は慌てて雪見にかけよった。雪見は気絶していた。しかし息も荒い。額

に手をあててみるとすごい熱い。多分熱だろう。体弱いといっていたし。奈

央は急いで雪見をかかえて

保健室にいった。しかしいくら力が強いからといって奈央が雪見を抱えてい

くのはつらい。

しかし奈央は雪見をかかえて保健室へ。

ガラッ。ドアが開く音。どうやら保健室についたらしい。

「ハァ、ハァ。雪見?大丈夫?」

声をかけながらベットに寝かせタオルをぬらし雪見の頭にのせた。しかし熱

はそんなに下がらない。

「ごめんね。気付かなくて・・ごめんね。ごめんね」

誤り続ける奈央。涙があふれている。なぜこんなに泣いているのだろう

か・・。渓も泣き声が聞こえてきたので保健室に入っていった。泣いている

奈央をみて一言言った。

「死なないよ。信じるんだ」

しかし奈央は答えない。奈央が幼い頃―・・その日は別に何も変わりなくご

く自然なとき

「お母さん・・?寝ちゃったの?」

母親が倒れていた。何もわかんなかった奈央5歳。しかかだなく毛布をかけ

た。しかし不自然に気付き母を起こそうとした。しかし起きない。

「奈央がお母さんがどっかいったのわかんなかったから?だから・・だから

ぁ・・?」

今にも泣きそうな声。その話を相談されたのが渓。

「雪見・・死なないよね?」

「当たり前だ」

「ん・・」

雪見の声。どうやらきづいたらしい。奈央は急いで涙をふき笑顔をみせた。

しかし雪見は笑顔を見せなかった。

(奈央は私を心配してくれた・・でも・・でも、私は里坂くんがすきなの誰

にもわたしたくない・・ごめんね。私わがままで)

雪見はそんなことをおもっていた。奈央はまだ笑顔のまま。雪見は奈央から

目を話せられなかった。

「私大丈夫だから帰る。一人で帰らせて」

「ダメだよ!また倒れるかもしれない!えっと・・昇に頼んでくるから待っ

てて!」

そういって保健室を大急ぎででた奈央。その後姿をみていた雪見はなんかも

やっとしていた。渓はため息をついて雪見に声をかけた。

「大丈夫か?」

「あっうん。ありがとう」

雪見は下を向きながら答えた。

「白場さんって昇のこと好きなんだよな?そんで奈央と昇が仲いいからムカ

つく・・と?」

図星を指された雪見。思わず渓のうでをつかんだ。そして大きな声でいっ

た。

「そうよ!だって急にきた子が・・なんでよ!!」

渓はそれをおとなしく聞く。雪見は泣いていた。両目から涙があふれてい

た。言い放った後は手をはなした。

「ごめん・・一人にして」

「ああ」

渓は保健室を後にして奈央を探しにいった。一人になった雪見はしくしくと

泣いている。しかしガラッという音が聞こえて雪見はすぐさま涙をふいた。

「倒れたって・・」

そこには昇の姿が。雪見がめにはいったのは手をつなぐ二人の姿。奈央は急

いでこさせようと必死だったので手を引っ張ってきたのだが逆効果だった。

二人の後から渓が入ってきた。渓は手をつないでいる二人をみてそれから雪

見をみた。そして渓はやきもちかもしれないが二人の間にはいっていった。

「渓・・どこにいたの?」

「ちょっとな・・」

コソコソと話している二人。その間昇と雪見は見つめ合っていた。雪見はい

そいで下を向いたが昇はまだ雪見を見ている。

「俺は何をすればいーんだ?」

何も答えない雪見。変わりに奈央が答えた。

「雪見と一緒に帰ってあげて。一人で帰るっていってたけどあぶないから」

「わかった。いくぞ」

「う・・うん」

         十・帰り道


外は晴れている。周りに人はいない。二人だけの道。二人だけの帰り道。昇

と雪見の二人だけ。沈黙の帰りだった。

「深い意味はないぞ」

いきなりの言葉に雪見は驚いたかのように顔を上げた。

「気になるといったのは深い意味はない」

雪見は少しほっとしていた。しかしどういういみだったのであろう・・?

「だから・・元気だせ」

「え・・」

昇の顔は真っ赤だった。雪見はそれをみてすこし笑った。昇も少しわらって

いる。そんなこんなで寮に帰った。誰も帰ってはいない。

「誰もいねーなー」

「うん」

「わ!」

奈央だった。二人はびっくりした。奈央はわらっていた。

「にっしっし」

手を口にあてながら笑っていた。昇がちょっとおこっている。奈央はそれに

きづいた。しかし遅かった。

「何でおめーの方がはえーんだ?あ?」

マジキレとはこういうことをいうのだろうか?しかし渓の昔の頃と比べると

どうってことなかった。平然としている奈央。

「へへへへ。走ってきたのだ!!」

「えばんな!」

奈央は笑いながら自分の部屋へ帰ろうとしたとき・・

「明日文化祭だよね?雪見本なにもってく?」

そういえば結構前にそんな話をしていたな・・。マンガ喫茶をやるといって

いた。マンガをもってくるという条件で。

「別に・・決めてない」

元気のない声。それを聞いて昇がなにか言おうとしたとき上から奈央が降り

てきた。急いで。そして昇を無視して雪見のところへ。

「どうしたの!?どこか悪いの?」

「べっ別にどこも悪くない!ほっといてよ!いちいち心配しないで!!」

怒鳴った。生まれて初めて人を怒鳴った雪見。奈央はぼーぜんとしていたが

すぐ後ろに振り返って誤った。

「ごめん・・うざかったよね?ごめん。私今日桃子の部屋で寝るよ」

雪見はとめようとしなかった。奈央はそういって二階に上がってまずは自分

の部屋に戻った。渓は奈央を追いかけた。

「奈央」

ドアを開け奈央を探した。奈央はみたことないような顔をして泣いていた。

こんな奈央はみたことがなかった。渓でさえも。

「渓・・私がやってたこと間違ってたんだね」

涙をふきながら笑顔できく。渓は何も答えなかった。ただ奈央を抱きしめる

こと意外は何もできなかった。

「お前は悪くない」

そういった。

昇たちは・・昇は雪見の近くに行って一言。

「どうかしてるぞ」

そういって昇も上へ上がった。雪見は昇の言葉が頭から離れなかった。たし

かに今雪見は何かおかしい。しかしその原因は昇。その昇が『どうかしてる

ぞ』

「すいませーん」

玄関があく。そこにいたのは聖示。雪見は涙をふき急いで話しかけた。その

声にきづき昇や奈央、渓がやってきた。

「何?聖示!?」

奈央があからさまにいった。みんなを元気付けるため。そして自分を。聖示

は頭を下げた。

「スマン!なんか今日俺のせいで・・」

「気にすんな!」

奈央が明るくふるまった。聖示もにこりと笑った。しかし雪見は笑えない。

そんな雪見をみた昇。渓は奈央を見ている。

「何だ?元気ねーなー」

「まっまぁね」

気付かれたくないことを気付かれた―・・だれもが思ったことだろう。聖示

はなにも気付いてはいない。

「今日は疲れてるから・・そのっ」

「あ、ああ。わりぃ」

そういって聖示は帰っていった。そうしたらまた奈央は上へと上がった。渓

も追いかける。今度は昇も。

「奈央。あまり気にするな」

昇がそういった。こんなことをいう昇は始めてであった。奈央はおもわず微

笑んだ。 

「えっえへへ」

「奈央はいつものままでいろよ」

今度は渓。奈央もどんどん元気になっていった。

しかしみんなにどんだけなぐさめられても嬉しくはない。

嬉しいのだが―・・何かちがう。

「うん!!ありがとう」

今日は本当に桃子の部屋で寝た。明日は文化祭・・




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