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2011.02.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類




「はぁ はぁ はぁ はぁ・・・・」
「さとみさーーーお前幽霊なんだろ、なんで重いの?」

相変わらず俺のチャリの後ろに、あいつは横座りしている。
2学期の終了式も目前と迫っているのに・・・

「さとみさぁーーーーー学校冬休みなったらどうするのーーー?」
「天国からお呼びは来ないのか?」

「わかんないよ・・・まだ返事はないよ」
「しょうがないから、そこらへんで浮遊しているよ」



「馬鹿ーーーーーーーーーーーー」
「やさしくないよ・・・おまえは・・・」

「ごめん・・・言い過ぎた。」
微かにその涙の存在を。

「だったら、俺の家来いよ・・・」

「えっ・・・」
「いいの・・・?」
「本当にいいの・・・」

この日から、さとみは俺の部屋の同居人となった。
・・・俺にしか見えない同居人だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「誰もいないぞ・・・玄関も大丈夫だ・・・」
「さとみ、こっちだ足音だすなよ」


「あのさ・・・私幽霊なんだよ・・・」
「私、飛んで二階の窓から入れるよ」

「馬鹿、そんなお前を見たらバァちゃんが卒倒しちまうよ」


彼は足音を意識しながら階段を上っていく、私は滑る様に上っていく。
「しずかにな、足音立てるなよ」
私は、足音を立てない。



そしてわたしの記憶は甦っていく・・・

真っ暗な廊下の先…あの日のあたる場所が。
なつかしい日々の記憶が甦る。


「省吾ーーー早く起きなさいーーー」
「いつまでも、本当にーーー寝ているの!」
「学校、遅れるわよ!」

「やっべーーー」
「また、さとみに怒られる」

「おはようございますーーー」
「さとみちゃんーーーうちの馬鹿まだ用意できてないと思う」
「毎朝、毎朝・・・ごめんね」

「はい、いつもの事ですから」
二人の笑い声が響いている。・・・いつもの朝の風景だ。

そして、至福の時だった。


・・・・・初夏の夕方。

「おばさん、こんばんわ」

「あーー帰りかい?」
「うちのは、まだ帰っていないよ」

「はい」
「部屋で、待っていてもいいですか?」


彼の部屋は狭い階段をあがった西日のあたる奥にあった。
窓からは日暮蝉の鳴き声がこれでもかってほどに響いてくる。
その部屋のたったひとつの。
この風景が彼が日々見つめている世界なのだ。
そう思うと・・・とても愛おしくなっていく。
まっすぐに時はながれていた。
朝の静寂と夜のしじま・・・夏の後悔・・・そして冬のときめきも。
すべての時の流れ・・・空間がひろがっている。
私は探してきた、ずっと昔から。・・・この場所を、この陽のあたる場所を。
・・・あの、なつかしい日々だ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あのさ・・・私・・・一緒にいいの・・・」
「私、死んでいるんだよ」
「一緒にいていいの?」

・・・「いいよ」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

「いいんだよ」
彼の笑顔はやさしい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「さとみちゃん、待っているよ」

「あっ、きてたんだ」
階段をのぼる音が響いてきた、その瞬間・・・私は。
戸惑っている。・・・思い出から抜け出す事が出来ず、たたずみ戸惑っている。
「さとみ・・・?」

「はい、おかえり」
私は振りむき笑う。そして・・・。すべてがここから始まった。
はるか彼方のあの日から。



・・・1977 夏至・・・

「さとみ」
「さとみ・・・?、部屋にいるのか?」
俺は探していた。あの日からずっと。

「さとみ・・・?」
いつも眩しいくらいの日差しが差し込んでいた空間。
今は、光の存在もない。
「さとみ・・・?」
俺は、今ひとりだった。



・・・1977 立秋・・・

彼女は震えている。これでもかってほどに小さな体を俺に重ねてくる。
俺は、なにも言葉にできない。
「何故・・・人は死ぬの?」
絶望を受入れることが出来ずに、泣き、叫び、そして君は微笑んだ。
「何故?・・・何故なの・・・」
貪欲なほどの彼女の生と愛。執着・・・俺は瞬間その醜さに目を逸らしていた。
それが俺の最大の罪であり、業であり、後悔の始まりだった。
そんな俺を救ってくれたものの存在…それが彼女のくったくのない笑顔。唯その笑顔が懐かしくて、やさしくて・・・俺はこの笑顔をいつの日から受入れて来たのだろう。
俺は・・・いつからこの笑顔に導かれてきたのだろう?



・・・1977 夏のおわり・・・

二つの時の流れが・・・久遠の約束の中でふたたび巡りあいひとつになっていく。

・・・1977 晩秋・・・

そしてなつかしい記憶が、過ぎ去った日々を蘇らせ光のもとに導かれていく。




「NO31031・・・さとみさん…ひとはそれでも生きなくてはいけないのです」
「死ぬ事が業ではなく、生きる事が業なのです」
「それに…気づくことが大切なのです・・・」
じじいは目を逸らしつぶやいた。



・・・1977 最後の冬へとつづく。










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Last updated  2011.02.19 05:49:06
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