Einsatz

6.聖なる城






6.聖なる城









カガリ、ナジュリア、シロン、シルファー、の四人(正確に言うと二人と二匹)は、森の中を進んでいた



「いい加減疲れた……」



カガリはそういうと突然、岩の上に座り込んだ
皆も頷くようにその場に座る(暗黙の了解?)



「ったく、なんで俺らがわざわざ………」



シロンはぶつぶつと文句を言っている



「皆様……」

「は?」

「呼んだ?」



突然、森の奥の方から声が聞こえてきた
声のした方を振り返ると、一匹の白いペガサスが現れた



「私は竜王に申し付けられ、貴方様方をお待ちしておりました。早速ですが、私に着いて来て下さい」

「どうする?」



皆が顔を見合わせ、行くべきか否か相談したところ、シルファーが



「…ペガサスの言うことならば問題ないだろう…」



と言った
その理由をナジュリアが即座に問う



「どうして?シルファー」

「ペガサスはとても神聖なレジェンズだ…竜王直属の部下であり、各属性に仕えている…」

「ふーん…」



ナジュリアが納得したところで、一同はそのペガサスに着いて行く事にした



「この森は、竜王及びそれ以上の方のみが入ることを許された聖なる城・ミラージュパレス一帯を囲む聖域となっております」



ペガサスは歩きながら、一行が向かおうとしている所を説明する



「…確かに…何もいない…」

「鳥も、動物も、虫も、花も、レジェンズもか…」



一同が辺りを見回すと、いくら注意して見ても、木と草以外、生物といえるような物は一つもなかった



「はい…」

「でも、なんで私達は入れるんだ?」

「それは、私も、貴方様方も許可された身だからです。竜王以外でここに入れる方々は数少ない…
 四大レジェンズ及びそのサーガそして、各属性竜王の補佐くらいです」

「なるほど~」

「もうすぐで着きます。あれが、"ミラージュパレス"です」



ペガサスが向いたほうを見ると白とも言え、銀とも言え、黒とも言えるような、巨大な城が建っていた
そして、中に入り、しばらく歩くと、特段大きな扉の前に着いた



「ここが、各属性竜王たちのいる玉座の間です。
 私はここから中には入ることはできませんので、皆様だけでの入室となります。
 では、失礼致します…」



ここまで案内してくれたペガサスは踵を返し、戻っていこうとしたが、



「ありがとう、ペガサスさん」



ナジュリアにお礼を言われ、一瞬止まる



「…はい。それと私は風属性ペガサスのアズュールと申します」

「アズュールさんね…覚えておく」



一同がその巨大すぎる扉に向かうと、ギィーという音を立てて、扉が自動的に開いた



「…よく来た」

「シロン、シルファー…そして、そのサーガ達よ」

「は、はぁ…」



辺りを見渡すと三体の巨大なレジェンズに囲まれていた



「俺は水属性竜王、スクルージ」

「同じく、火属性竜王、ジェクト」

「…土属性竜王タルタルーガ」

「…残念ながら、風属性竜王のオメガは、都合により、欠だ」



シルファーは風属性竜王…オメガという言葉にピクリと反応した




「で、竜王達が何の用で?」


カガリがシルファーのことを気にかけてる間にシロンは話を進める



「お前達を呼んだのは私だ」



最初に口を開いたのはジェクト



「お前達には重大な役割がある。それについて説明しようとな」

「知っての通り、再びレジェンズウォーの時が来た」

「そこでだ。今回はシロンお前にレジェンズウォーの指揮権を預けることに決定した」



そこまで言って、スクルージは「今回も、だろ」と言い直す
スクルージの指摘を敢えて無視し、ジェクトは続けた「レジェンズウォーを起こす存在でもあり、止める存在である」と
そして、



「全てはお前の心の中にある」



と言った
しかし、聞いてる側のカガリは自分らに何を求めているのかがわからない



「それで?何がどうなんだ?」

「カガリ……」



悪いとしか言いようのないカガリの態度をナジュリアが軽く咎める



「四大レジェンズ及びそのサーガ達を探して来い」



それがお前たちの役目だ……と付け足すようにタルタルーガが答えた



「でも、どうやって探すの?」

「…各国には、各国の属性を操ることが出来る者が多い…
 その中でも特に、優れた能力者…それが四大レジェンズを操ることのできるサーガだ」



「火の国・ヴォルクは火を…」と、ジェクトが言った

「水の国・ミロウは水を…」と、スクルージが言った

「土の国・ジョイドは土を…」と、タルタルーガが言った



「そして…風の国・ラクーシャは風を操る…だろう?」と、シルファーが只今不在中のオメガの代わりに答える
すると、突然、スクルージが声を張り上げた



「…お前は……!オメガの弟だな?」

「…………」

「!?」

「え?」



スクルージのそのシルファーの知られざる真実を告げる言葉に皆は多少なりとも驚いた



「そうなのか。だが、そんなことは今はどうでもいい」



タルタルーガが次の話題へと切り替える



「ちなみに、光の国"ルミナス"及び闇の国"グリフ"には、サーガ…人間というものは存在せん」



タルタルーガは目を瞑り、首を横に振った



「え…じゃぁ、ロギドヘブンは?」

「良い質問だ、カガリ」



スクルージがそう言うと、タルタルーガが質問に応答した



「カガリ=L=ブラック…」

「はい?」

「継承者…要はブラック家の者は特殊でな…先祖代々、全属性…風、火、土、水、光、闇…の六属性を操ることができるのだ
 国民は風、火、土、水のどれかを操れることができる」



しかし、本当は言わなければならないことをタルタルーガは敢えて発言しなかった
たとえ、血のつながりがなくても…と



「全属性…」



その今まで知らなかった事実に驚くカガリ
シロンやナジュリアも目を見開いていた



「そうだ…光と闇もな」

「光と闇も…」

「ってことは、カガリの心次第ってこと??」



ナジュリアがズバリと指摘する



「そう、ナジュリアの言うとおり…」

「お前は、指揮者のサーガ…レジェンズウォーの実権を握ったも同然だ」



たしかに…とカガリは頷く
そして、言った



「必ず、止めてみせる」



シロン、ナジュリア、シルファーも頷き、それぞれ了解の意を伝えた



「ところで、これから先はどう行けばいいの?」

「案内人を用意しよう……ファンロック」



ジェクトが名前を呼ぶと、燃え盛る赤い炎を持ったフェニックスが入ってきた



「何用ですか?竜王」

「この子らの案内を頼む」

「承知しました。私はフェニックスのファンロックだ。火属性竜王補佐を務めている」

「早急に案内してやれ」



シルファーを目にしたファンロックは一瞬目を見張ったが、すぐに「では、こちらへ…」とそう言って進んでいった
アズュールに案内された道と逆方向にファンロックは進んでいく



「どこへ行く…」



シルファーが明らかに逆方向に進んでいる、と講義する



「火の国に行きたいのだろう?それならば、風の国を通らねば…」



そう話しながら歩いていくと、いつの間にか城から出ていた



「じゃあ、また歩く…?」

「それしかないのか…」



カガリの言葉に一同は同意する
が、そこに喜色の色はない。むしろ、不満気な顔をした



「あのさ、思ったんだけど、せっかく皆空飛べるんだから…」



ナジュリアの提案は皆まで言わずとも、一同は理解し、すぐさま、各々が各々のパートナーに乗っていくことに決定した



「では、私に着いて来い。ラクーシャまで案内してやる」



バサァッ
フェニクスが大空へと舞い上がった
それに続いて、カガリを乗せたシロン
そして、その後にナジュを乗せたシルファーが飛んだ



「ファンロックさん…、ヴォルクにはあとどれくらいで着くの?」



ナジュリアがファンロックに問うたが、シルファーが変わりに答えた



「だいたい三日くらいか?」

「そんなに?」

「シルファーもシロンも連続飛行はきついだろう?」

「まーな」



シロンとシルファーは翼を動かしながら頷いた



「ところで、ファンロック…さん」



カガリがファンロックの名前を呼ぶと、「ファンロックで構わん」と言った



「四大レジェンズっているのか?」

「属性が火ってことは、ブレイズドラゴンね」

「しかし、ブレイズドラゴンならば誰でも良いわけではないだろう?」



シルファーが条件を絞る
「うーむ」とファンロックは唸りながら、記憶の端から端までをくまなく探した



「四大レジェンズのブレイズドラゴンがいる…、私の弟子だ」



しかし、ファンロックは何故か乗る気ではない



「…名前は?」

「おい、もしかして…」



「グリードーか?」とまさかと思いつつも、前回のレジェンズウォー時の戦友の名を出してみるシロン



「あぁ、たしかグリードーだ」

「たしかって…弟子の名前くらいちゃんと覚えといてください…」



ナジュリアがファンロックにツッコミをいれる



「しかし、レジェンズはグリードーで良いかもしれんが、サーガの方はどうするのだ?」



ファンロックが新たな試練を突きつけた
すると、カガリがそれに対し、



「問題ない。サーガの方は私の知り合いがいる」

「そっか。それなら安心ね」



そう言ってナジュリアはシルファーの翼を目にする
先ほどから延々と翼を働かせているのを気にして言った



「別に何ともないが…?」



シルファーは背中のナジュリアの方に目を向ける



「ならいいけど………」

「………」

「それにしても、シルファー……夕焼け綺麗だね~」

「そうだな」





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