テッチ・・・心の傷


黒猫(花)エピローグ

年末頃から、増えてきだしたテレビの特集・・・阪神大震災。
当時、兵庫県に居た人なら誰しもが多少なりとも経験した事。
世界のトップニュースになるような出来事に、まさか自分が直面するとは思っていなかった時。
私とテッチは・・・産まれも育ちも“神戸っ子”。
一度も、県外に住んだことはありません。
とても言葉では、言い表す事の出来ない事実を経験しました。
そのようなテレビを見るのは、大変辛い事です。

幼児虐待、いじめ、ドメステックバイオレンス(家庭内暴力)など・・・。
近年、被害者側の精神的な障害が引き起こす影響をよく耳にします。
“一度、経験すると忘れられない・・・どんなに努力をしても、その人間の一生に影響する。”
信じられますか?
私は・・・信じられます。震災の日から・・・。
多かれ、少なかれ、経験してしまったその「心の傷」は忘れる事は出来ません。
どんなに楽しい日々を過ごしても、どんなにハードな毎日を過ごしても・・・。
昔の自分に、戻ることは出来ません。
今でも震災まで住んでいた家の近所を、通りかかると・・・電車に乗っていても目が熱くなるのを感じます。
特に、自分が弱ってる時などは・・・。
消えてしまったものが、あまりにも多すぎて・・・。
皆さんが、得られている報道機関からの情報は、恐らく「本当の現実」ではありません。
うわべ・・・表の顔・・・だけです。
本当の事は・・・被災者同士しか話せません。
これが現実です。経験した人にしか分らない現実だと思います。

私が、震災後、今でも一番辛いこと・・・。
「思い出させられる」事です。
特に、自分が楽しんでいる時には、かなり滅入ります。
ツアー旅行などに行って、その場だけの方達とお話をする機会など・・・。
必ず、一度はあります・・・。
「どちらから来られたんですか?」
「神戸からです。」
次に、くる言葉は・・・「あ~、震災の時は大丈夫でしたか?」「ご家族は?」
そんな事を、聞いてこられる方達・・・。
楽しい気分は、一気になくなります。
最後には・・・「ご無事で良かったですね。旅行まで出来るようになって。」
これは「とどめの一言」です。
“良かった??何が??私には何も怪我が無かったから??生きてるから??”
社交辞令のような会話に、内心はとても傷つきます。
今、普通に“生きてる”ように見える人でも、必ず「心の傷」を持ってるんです。
一生懸命、笑って話を続けようと頑張ってるだけです。
私達は、一生「落ちこんでる」訳にはいかないんです。
あの日、未来を手に入れたから・・・。
亡くした友人、知り合い達に恥じないような人生を送らないといけない。
無くなってしまった、さまざまな物を追いかける訳にはいかない。

テレビを見てると、腹が立つ事が沢山あります。
お茶の間の一瞬の「話題」としては、テーマが重過ぎます。
悔しいことも、辛いことも・・・すべて甦ってくるのです。
我が家では、すぐにチャンネルを変えます。あまりに辛い思い出なんです。

経験されなかった人達にとっては、必要な情報かもしれませんね。
今後、あのような大規模の震災が起こらないとは、言いきれないのですから。

私の事を書くことは、辛すぎて出来ません。
しかし、このHPには多くの猫好きさんが来てくださってます。
テッチが過ごした事実を、明日から書けるだけ連載してみようと思ってます。
テッチがこの世に産まれてきてから、もっとも辛い出来事が色々あったから。
「私が、たとえ家を無くし、すべてを失っても、この子だけは生かしてみせる!」
そう思う私の心が、少しはご理解いただけるのではないでしょうか?
大災害が起きた時、あなたはどんな行動にでると思いますか?
そして、その行動が実際に起こせるでしょうか・・・?

テッチの長寿の秘訣・・・このあたりにあるのかもしれませんねo(^o^)o 



黒猫(花)第 一 章

テッチの寝場所は、コタツorおねぇのベッドorママのベッド。
おそらく、この内のどこかで寝ていたあの日・・・。
運命の1月17日A.M.5:46・・・。

ドンッ・・・ユッサユッサ・・・・ユッサユッサ・・・・
シーン・・・・

動き出した家族達・・・。
・・・おねぇのとこにも居ないわよ!ママのところにも居ない!コタツにも居ないわ!!・・・
「テッチ!テッチ!どこに居るの??出てきて!!どこなのぉ~!!」とおねぇ。
「コテツどこよ!返事しなさ~い!!ご飯よ!!食べる??」とママ。
それでも、わたしゃ・・・動けんかったんじゃ・・・。体が固まってしもうてニャ・・・。
「も・もしかして・・・のん気に寝てて・・・何かの下敷きに・・・まさか・・・」と家族達・・・。
怖かったんじゃ・・・腰も抜けとったかもしれんのぉ・・・。
一瞬にして家の中は、見たことも無い“ちらかりよう”じゃった・・・。
小心者のわたしゃには・・・心臓が爆発寸前・・・いや・・・それを越えて放心状態じゃったかもしれん・・・。
家族の声は・・・聞こえていたのか・・聞こえてないのか・・・今でも分らんのじゃ・・・。

お昼ごろじゃった・・・再び、家族が呼び始めたんじゃ・・・。
「テッチ!!いい加減に出て来なさいよぉ~!!もう大丈夫だから・・どこなのよぉ~・・・」と半泣きのおねぇ・・・。
「仕方が無い・・・置いて行きましょう・・・。」とママ。
「家の中に居るのは確かなんだから、猫缶と水をたっぷり置いて行こう。
 暗くなるまでに、私たちも親戚の家に徒歩で着かなければいけない。
 何時間かかるか分らないんだから・・・。」とパパ。

カシャン・・・バタン・・・・・・トントントン(階段を下りる音)・・・。

そう、わたしゃの運命はここで狂い始めたんじゃ・・・。
この日から、一度も経験したことの無い・・・寂しい生活が始まったんじゃ・・・。
飼い猫が、いきなりのらニャンになったんじゃ。
平静を取り戻し、ふと我に返ると・・・
暖かいご飯も無く、温かい布団も無い、コタツも冷めたままじゃ・・・。
温かい腕も、温かい声も、暖かい家族もわたしゃの前から消えた・・・予告もなく・・・。
海外旅行など行く時みたいに、部屋にスーツケースを広げてもいなかった・・・。
でも、きっとお友達がいつものように、ご飯を作ってくれる為に、毎日誰かが来てくれる、そう思っておったんじゃ・・・。
それも・・・一度も無かった・・・。
冷たい猫缶が置かれているだけじゃった。

2日目の朝・・・「クッ、臭いにゃ~。」と目覚めたんじゃ。
ガスじゃった・・・鼻が曲がるかと思うほどに臭かったんじゃ。
メガホンを使った声が、外から何度も聞こえた・・・
・・・「海岸にある企業のガスタンクから、ガスが漏れてます!全員、避難してください!!」
家の中でも、かなり臭い・・・鍵もかかってて出れないニャン・・・。
昼ごろ、ママの声が!!
警察の警告を振り切って、ママは親戚のママと助けに来てくれたんじゃ♪♪
でも・・・すぐに誰かが呼びに来て、ママ達は・・・去っていったんじゃ・・・。
何時間も歩いて、来てくれたのに・・・。
わたしゃニャ・・・やっぱり怖くて出れなかったんじゃ・・・。
瓦礫の中に、うずくまっておったんじゃ・・・。

3日目の朝・・・警察からのガス漏れ警報が解除されるまで、立ち入り禁止区域に指定されてた我が家の周辺。
おねぇ達は、張られてるロープの前で待ってたみたいじゃのぉ。
ママとおねぇが朝から、来てくれたんじゃ。
解除後、家に慌しく駆け込んできたんじゃ!
「あら!!テッチの猫缶が減ってる!!生きてるのよ~!探して!探して!!」
倒れた食器棚、テーブル、冷蔵庫、テレビ、洋服ダンス、書棚・・・次々と起こしては「テッチ!」と叫ぶ声。
「そろそろ、出ないと・・・家に帰れなくなるよ・・・。」とママ。
「でも、生きてるんでしょ!一度も一人で、冬を越した事が無いのよ!今日、連れて帰ろうよ!!」と半泣きのおねぇ。
しかし・・・会えなかったんじゃ・・・そして・・・今日もおねぇ達は帰って行った。

4日目の朝
トントントン・・・あっ!おねぇが来た!!来た!!来たぁ!
勇気を出して鳴いてみた・・・「ニャッ、ニャッ・・。」
ビックリした・・大きな声が出ないんじゃ・・・ご飯も満足に食べてないからのぉ・・・。
か細い声じゃ・・・。おねぇに届く訳がない・・でも、歩く元気も無かったんじゃぁ・・・。
それでも、おねぇは気が付いてくれた!!
何故だか分らないのだが・・・居たのは・・・一つ下の階の家のガスメーターの中じゃった!!
「てっちぃ~!!会いたかったよ~!何でもっと早く声を出さないのよぉ~!」涙・涙の再会じゃったんじゃ♪♪
でもニャ・・おねぇの心には今でも・・・わたしゃの悲壮な顔が忘れられないらしい・・。
かっニャり、ブサイクな顔をしとったらしいんじゃ。
薄汚くて、痩せてて・・・人相(猫相)がかなりのものだったらしい(=ToT=;)



黒猫(花)第 二 章

やっとの思いで、おねぇにも再会し、家族と生活が出来ると思ったんじゃが・・・。
甘かった・・・。まだまだ、一緒に住むことは出来なかったんじゃ・・・。o(=ToT=)o

親戚の家に一家が避難して、数日間・・・。
その親戚の家には、大きなキジトラのニャン・タオchanがおったんじゃ。
そいつがまた・・・怖いんじゃわ~。
鋭い目つきで睨んできよるんじゃ!!怖い怖い・・・。
箱入り娘じゃったから、他のニャンも怖くてなぁ~。
毎日、その家の一室にこもりっきり、足音にも怯え、家族が来ると飛びついてな。
それでも、家族が居てくれたから、そのニャンにも我慢しておったんじゃぁ・・・。

とある日、何やらおねぇが抱きついてきよった??何じゃ??
「テッチ、明日からおねぇ達はお仕事に行かないといけないから、この家を出るね。
 ここからは、おねぇとパパは会社に通えないの。京都の親戚の家に行くのよ。
 だから、しばらくお別れよ。」
ええっ~!!なんでぇ~ニャ~!!テッチだけがここに残るニャりか?
ひ・ひどいよ~!一緒に行くっ~!!o(=ToT=)o
でも、よ~く話を聞くとママはここに居てくれるらしい。しょうがニャい。我慢、我慢ニャ・・。

週末には、おねぇ達が帰ってくるらしい・・・。
まだかニャ~、まだかニャ~・・・。
ゴソゴソッ・・カリカリッ・・・・・・
いや~ぁん、またタオが来たよ~。怖いよ~。
押入れに逃げよ!!カリカリ・・カリカリ・・・!!
わ・我が家と違って、重いニャリ!!開かないニャリ!!キャ~!!
・・・・・そこにママ!!ありがとう助けてくれて!!ママはしっかりと鍵のかかる洋室に移してくれたんじゃ・・・。
も~来ても怖くニャい~♪♪

ママもお仕事に行ってるんじゃが・・・最近、帰って来なくなったにゃ。
何でも、やっぱり遠くて前の自分の家にお泊りしてるんだって!
鍵も壊れてるし、危ないから、心配なんじゃ・・・。
帰ってきたら良いのに・・・。
で、ここのママがお世話をしてくれるんじゃけどな・・優しいんじゃよ。本当に・・・。
でも、やっぱし寂しいニャ・・・。
今日は金曜日。明日じゃ!!週末じゃ!!皆、帰って来る♪♪ルンルン♪♪
もう一晩の我慢じゃ!!
「ただいまぁ~!!」
あれれ??聞きなれた声じゃ!!ん??おねぇじゃ!!早く帰ってきてくれたにゃ♪♪
会社から直接、ここに帰ってきてくれたみたいだ~。
「おねぇ~!!会いたかったニャりよ~!!o(=^o^=)o」
ほっほっほ~♪♪久しぶりの感触♪♪おねぇの膝♪♪暖かいニャ~♪♪
ここで、寝ちゃおうっと♪♪
寝ちゃえば、おねぇは動けなくなるもんね~!!先手必勝にゃりよ!!
「おねぇ・・早く夕飯を食べたら??」と、ここのママ。
「ごめん!今、動けないから・・・」と、おねぇ。
ここのママは、笑みを浮かべて去っていった・・・。
やったね!!今日は、おねぇを独占だぁ~!
まっ、ご飯くらいは食べさせてあげる!!
でも、もう少しここままで良いニャりよね~♪♪o(=^o^=)o

おねぇと24時間、一緒にゃ!!ひっつき虫テッチ!!
タオも怖くない!!おねぇが居るも~ん♪♪
久しぶりに外にも連れ出してくれたニャ。
寒いから、おねぇのコートの中にもぐりこんで、前からヒョコっと顔だけだして!
「赤ちゃん返り」じゃなぁ~。でも、良いじゃろぅ、こんな時くらい・・・。
寝るのも、もちろん一緒じゃ!お昼寝も!
でもにゃ、おねぇはまた違うところに行ってしまうんじゃ・・・辛いのぅ・・・。
テッチ、良い子にしてるから、来週も早く帰って来てね!!

もうかれこれ4ケ月くらいはたったかの~。こんな生活・・・。
もう、タオにも慣れたし、ずいぶん楽にはなってきた。
んっ??ママが不思議な行動をとっておるぞ!!
もしや、テッチは完全に一人ぼっちになるの??おかしい、絶対におかしいよママ!!
ママがおねぇに電話してる・・・盗み聞き・・・。
にゃにぃ~!!それは本当か!真か!!
ママがにゃ「新しい家に引っ越す」って一家で!!
家ももう決めたって!!週末に引越しじゃて!!
やっと元の生活に戻れる!家族と一緒じゃぁ~!!夢にまでみた日じゃぁ~~~~♪♪

ごめんね、親戚の家のママ。
ここにもずいぶんと慣れてきたんじゃが・・・よ~くみると・・・
襖はボロボロ・・・(だってタオが来たら、ここしか隠れる場所がなくて、ついエキサイトしてしもうた)
壁紙もボロボロ・・・(我が家では、こんな所では爪とぎしなかったんだけど・・・ストレスが溜まっておったかな?)
畳もボロボロ・・・(無意識の内にしてたんじゃな~。)
布団も毛だらけ・・・(ここに一日中、入っていたからにゃ~。)
ここにも愛着が湧いてきてる??まっさか~!!
とにかくこことは、明日でお別れじゃ!!

狭いマンションじゃ・・・。
ベランダも狭い・・・。しかも!環境が良くないんじゃ!!
塀が高くて、何かの台に登らないと外は見えない・・・。
や~っと登って見てみると・・・。
車がビュンビュン走ってるっ~~。
うるさいし、臭いし、怖いにゃり。
まっ、でも家族が居るし、良いさ良いさ~。ぜ~んぶ許しましょ♪♪

でもな、この新しい生活に一つだけ嫌な事が・・・。
今まで気が付かなかった・・・自分。
親戚の家には常に誰かが居たんじゃ。
でも、ここの生活は昼間は無人。皆、働いているから・・・。
さっ・寂しい・・・。(=T・T=)
昔と同じ生活だったんじゃが・・・。
テッチは・・・一人になるのが異常に嫌いになっておったんじゃ。
それに、他にも色々と変わった性格が出てきた・・・。



黒猫(花)第 三 章

新しい家に引越しをして、良いことばかりではなかったのぉ~。
家族だけの生活をし始めて、初めて分った自分の変容が幾つも出てきたんじゃ。

昨日も書いた通り、一人が嫌になったんじゃ。
“一人になる”っていう事は、猫は普通“好む事”だとされておるがな。
ちなみに、震災前はテッチも一人が好きじゃったよ。
一人で外をウロウロするのも楽しいし、何より自由だし、色んな発見もあるからのぉ。
(だって、おねぇは木に登ってくれないし、虫も追いかけてくれんのじゃ。細い所も通れないしのぉ~。)
でも、今は・・・常におねぇや家族の“居る場所”をチェックしたくなるんじゃ。
寝起きなどは特に・・・。
例えば・・・テッチがコタツで寝てるじゃろ。
当然、家族は寝る時間になる。
そのまま、黙って部屋にいかれるのがすごく嫌なんじゃ。
必ず、一声、かけて欲しいんじゃ。
でないと、目覚めた時には暗闇に一人ぼっちじゃ・・・。
思わず、鳴き叫んで家族を起こしてしまうんじゃ。
昼間でも、フト一人に気が付くと鳴いてしまうなぁ~。
パパが朝風呂、ママがごみ捨てに行き、おねぇがトイレ・・とか瞬間的に誰も居なくなるのも嫌じゃぁ・・・。

それに・・・夢をよく見るようになったんじゃ。
怖い夢じゃぁ・・・。
夜中に“ギャ~”と、突然鳴くらしいんじゃ。
“ふにゃ・・フニャ・・・”と、ず~と寝言を言ってるらしい。(しかも夜中だけ)
家族はビックリして起きてしまうんじゃって。
でも、テッチはそ知らぬ顔して、寝てるんじゃと・・・。
首でも絞められてるんじゃないかと、思うようなすごい声らしいんじゃ。
家族は、夜中に起こしてくれるんじゃけど・・・夢の内容を覚えてないんじゃな~。
夜中に起こされて、不機嫌ですぐ寝ちゃうんじゃがなo(=^o^=)o
おねぇが、抱きしめてくれてる意味が分らんかったりするんじゃ・・ヘッヘッo(=^o^=)o
ちなみに、今はもう鳴かない。1年間くらいはこんな状態じゃった・・・。

雷なんかも、怖くなったのぉ~。
何をしてても、家族のそばにダッシュじゃ。
また、一人になったらと思うと、安全な所に逃げるよりも家族を取るようになったかもしれんなぁ。
事実、震災の時は安全な場所に野生の感(=?・?=)で自分だけ逃げていたと思われるしのぉ・・。
“自由気ままな猫気質”のテッチが、まったく「正反対」の性格に変わったんじゃ。
今でも、時々、軽い地震がくると・・・姿勢を低くして家族の元にダッシュ!!
家族には、「今のは、大丈夫よ~。」って笑われるがな・・・。
しばらくは、抱かれてないと不安で仕方がないんじゃ・・。o(=ToT=)o

後は・・・冷たい猫缶は嫌いじゃ!!
連想ゲームで、震災を思い出してしまうんじゃ。
あの時、家族が置いて行ってくれた猫缶。
とっても冷たかったんじゃ・・・。
夏でも、常温じゃぁ嫌じゃな。
軽く“チン”してもらうんじゃ。(5秒くらいじゃ!!猫舌じゃからな♪♪)
まっ、おばぁのお腹には温かいもんがエエじゃろうしな。刺身は別じゃよ!!
あ~、そうそう!!
当時、食べてたお気に入りの猫缶。
何年も食べ続けていたのに、食べれなくなったなぁ。
これも連想ゲームで、思い出してしまうんじゃな。
ブレッ○ーズ様、ごめんなさいニャ・・・。
まずくなった訳じゃないんじゃよ・・・。

わたしゃ、何度も言うけれども「レディー」じゃ。
当時、男性恐怖症だったんじゃ~。(可愛い所もあるじゃろぅ♪♪o(=^o^=)o)
ま~、昔に一度だけ辛い“いじめ”にあった事があってな・・・それ以来、男性が嫌いだったんじゃ。
(パパは別じゃよ!!)
でも、歳のせいか・・・人は好きになったニャ・・・。
ママやおねぇの女友達が来ても、決して人前で寛ぐ事はおろか、目に付く所には行かなかった。
猫好きな人がくると、おねぇなどに引きずり出されていたくらいじゃ。
でも、すぐに逃げてたがなぁ。
今では、老若男女だれが来ても、笑顔で(?)お出迎えじゃ。
どんな足が入ってきても、こたつから出ないニャ!!
おかげで、猫嫌いだったお友達もテッチの“魅力”??“魔力”にノックアウトされとる!!
猫の中でも、テッチだけは触れるらしいんじゃ。o(=^・^=)o
おねぇに、救い出されたあの日。
近くの小学校に、牛乳を貰いに行ったんじゃ。(キャットフードまでは、救援物資に無かったからのぉ)
おねぇの赤いコートの中に抱きしめられて、顔だけ出してにゃ。
そしたらのぉ~~ボランティアって言うんじゃったか・・・??。
その見知らぬ人達が「可愛い~、可愛い~。」って寄ってきては、ナデナデしてくれたんじゃ。
それに、通りすがりの人達もな。
わたしゃ「九死に一生を得た」状態で、ほとんど覚えてないがの。
でも、あの時に「人の温かさ」を知ったのかもしれんなぁ。
“アニマルセラピー”ってあるじゃろ??あれじゃよ。まさに!!
(と、自分では思っておるんじゃ!)
暗い顔をしてた人達が、「笑顔」になってくれたんじゃ。
テッチもあれになってみたいがのぉ・・・かなり厳しい審査があるんじゃよ。
だから、老体でもあることだし諦めたんじゃ。
身近なところで、恩返しをしようと思ってな。



黒猫(花)最 終 章

あれから、3回のお引っ越しを経験したんだにゃ~。
猫って、“家に付く”って言うけど、あれも「嘘」かもしれん。
だって、わたしゃ現に3つ目の今の家が好きじゃよ!
まっ、確かにお引っ越しの日は…恐かった…。(=T_T=)
だってニャ~…。
家族はバタバタして、かまってくれないし、部屋に閉じ込められるんじゃ!
「家の中をウロウロすると、危ないから。」ってさぁ!!
な~んにも無いカラッポの部屋で、何時間も何をしろと???おっしゃる???
窓から見てると、家族が下に行っては、帰ってきて、また行くんじゃ!
たまに、「ドン!!」って大きな音もするしな。
しかも、知らない人の声がいっぱいじゃ~。恐い、恐い…。
この部屋へ閉じ込めたまま、行ってしまうのではないかとドキドキしながら待つんじゃ!
たま~に、忘れてやしないかと、鳴いてみたりしてニャ!!o(=^o^=)o

そうそう、最初のマンションに住んでた時。
高速道路のすぐそばのマンションじゃ。
うるさくて、空気が臭くて、外を見る気にはなれなくて家の中に閉じこもりじゃった。
でもな、下の方で「クンクン」「キャンキャン」声がするんじゃ。
運悪く、大好きな人達と離ればなれになってしもうた子達じゃ。
犬さん、ばかりじゃったがのぅ…。
おねぇによると、近所の人が電柱や橋げたにつないで、5匹ほど飼ってるらしい。
家を作り、毛布を引き、ご飯をやってなぁ。
彼らを大好きな人が再び探しに来た時…再会しやすい為に、これ以上遠くに動かないように…。
彼らは、長いこと待っておったんじゃぞぉ…。
来る日も、来る日も、待ち望んで、待ち望んで…。
あんな環境の悪い所でも、待っておったんじゃ…。
でも、テッチが引っ越す時には、もう居なかった。
おねぇが…「皆、一緒に施設に入ったのよ。」って…。
“寒いし、お家に住めて良かったね!”って思ったんじゃが…。
どうやら、幸せな所ではないんじゃと!!(=?o?=)
おねぇの目が、そう言ってたんじゃ…。

本当に、テッチは幸せな“方”じゃったんじゃよ。
不幸になった仲間達が、テレビでも散々取り上げられとった。
家族が居なくなっても…生きておったのは…
おばぁはな、マンションの4階に住んでたから飛び降りる事も出来なかった。
歳のせいか(当時、すでに13歳じゃ。)、腰も抜けて動けんかった。
反応が鈍いというか…。
臆病もののせいか、ウロウロしてガラスを踏んだり、物に挟まったり、押しつぶされる事も無かった。
一人ぼっちになっても、家はかろうじて、原型を止めておったから、家の毛布にもぐりこんだりして寒さをしのげた。
高所のおかげ?なのか、人が非難しなければならないほどのガス漏れなのに、ガス中毒にはならんかった。
近所の家の火災でも、家があるから煙や灰からのがれられた。
バケツ一杯の水もあった、冷たい猫缶が部屋のそこら中に置いてあった。
時々、家族の声が…した。
もしかしたら…近所のおばさんにでも抱きしめられた事があったかもしれん。
(近所では、ちょっとは名のしれた猫じゃったからのぉ♪)
何より…老体にムチを打ってでも…もう一度、家族に会いたかった…。
この一言に、限るかもしれん。

「わたしゃラッキーじゃった!」って一言では、言えないもんがあるのぉ。
色んな経験もしたし、色んな物も見た。
視野の狭いニャンじゃったがのぉ…。
色んな世界を見たと、思っておる。
幸か不幸か…。
でも、今はずいぶんと昔に戻っておるんじゃ、実は…。
だって、甘えないと損じゃろぉぅ♪♪
ちょっとくらい、“わがまま”言って困らせるくらいが丁度良いんじゃよ!o(=^o^=)o
おねぇは言うんじゃ…
「あの空白の3日間、テッチは死んだと何度も思った。
でも、再会出来た。
きっとこの子は、再び“命”を貰ったんじゃないかと感じたんだよ。
もしかしたら…永遠の命を???
幻を見てるんじゃないかと…。
幽霊??天使の羽は付いてない??って!!
自分の目を、疑った…。」ってニャ。
だから、おねぇはテッチがず~っと、ず~っと生き延びていくと思ってるんじゃよ!
(おねぇは、ちょっとロマンチストの気があるんじゃけどなっ!!美化しすぎじゃと思わんかい??)

確かに、テッチは“今のまま”が、良いんじゃよ。
良くも、悪くもなって欲しくないんじゃ!!
おっ、ママとおねぇがもめてる…何じゃらほい…どうやらテッチの事みたいじゃよ!!
盗み聞きしてみよっとo(=^o^=)o なになに…

おねぇ:「ママ、昨日の夜から食器棚に何か残ってるわよ。これはもしかして…。」
マ マ:「あっ、忘れてた!!テッチのマグマグ(まぐろの刺身)を常温にしてたのよ!」
おねぇ:「えっ??じゃぁ、テッチは昨日マグマグを食べてないの??夕食抜き??」
マ マ:「別に食べてるわよ。これは夜食・・おやつよ。」
おねぇ:「じゃぁ、今日あげたら良いね。」

なっ、なぬぅ~o(=TOT=)o
“いやぁ~よ!!あニャた達!!
今、食べるぅ~!!
昨日は、昨日ニャ。
今日は、今日ニャよ!!
今日の分は、後でもう一度食べるニャ♪♪o(=^o^=)o♪♪“


黒猫キラキラ


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