☆★pental式★☆

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P・P(4)


裕にヒソヒソと耳打ちされて、孝介は直子のいる方を見た。直子たちは海のほうを向いて話をしている風だった。
「知らねぇよ。」
孝介はむっとした表情になっていた。周りにはアイスを選ぶ女子や男子がひしめいている。
「とっとと買って食わないとアイスが溶けるぞ。」
レジで支払いを済ませた孝介は、裕を置き去りにして店を出た。
 店の建物の横に少し入ると、陰になっている場所があった。風通しもよく、わりと涼しい場所だった。孝介はそこのコンクリートのところに座り込んで、アイスのカップの蓋を開けた。バニラが白い顔を出した。

 アイスを買い終えた女子たちが戻ってくると、直子たちは近くの休憩所のようなところに移動して弁当を食べることにした。
 移動していく友達について、直子も椅子から立ち上がった。みんなどんどん休憩所 に向かって歩いていく。直子もそれを追おうとして、立ち止まった。振り返って、アイスを売っている店の軒先を見た。が、もう孝介の姿はなくなっていて、裕が一人でレジの順番待ちをしていた。
「行こう、直。」
「うん。」
光に言われて、直子は再び歩き出した。太陽に照らされて、クラスメートの着ている白いカッターが眩しかった。
 孝介はどこに行ったのだろうか、ふと、直子はそう思った。そう思ってみて、やはり自分が孝介のことを避けながらも、実は目で追っているということに改めて気付いた。

 休憩所の席はまだ空いていた。木製の椅子と机がある、屋根があるだけの建物だった。直子たちのグループは8人いたが、4人がけの机だったので2つに別れて座ることにした。直子たちが座っても、10個ある机はまだ3つ空いていた。
「おなか減ったぁ。」
みんな口々にそういいながら、カバンから弁当を取り出していた。
 休憩所は、男子や女子の話し声で騒がしかった。男子は特に、浮かれている者が多い。その中に走り回ったりふざけあったりしている者がいて、迷惑そうな顔をしている生徒も多かった。
「うるさいなぁ。騒ぐならここで食べなきゃいいのに」
「だよねぇ。何で男子って静かにしていられないんだろ。」
 一緒に弁当を食べているクラスメイトがそう言って顔をしかめた。直子も同じことを思っていたが、男子というものはそんなものだと諦めていた。
 というか、騒いでいてくれた方が安心なのである。直子の学年の男子でこんな風に無駄にぎゃあぎゃあと騒がない男子といえば、バレー部とその他数名といったところだからだ。直子にとって、孝介と別れた後はバレー部のあの冷静な振る舞いがどこか苦手だった。

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