「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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The delusion world
第2話「猪の長」
依頼主から支給される支給品。
その中にあるこの狩場の地図には「2」と割り振られている。
先ほど駆け抜けてきた草食竜のいる草原のエリアには「1」と割り振られている。
つまり、地図上では場所ごとに番号が割り振られているのだ。
そしてエリアごとにそれぞれ特徴がある。
エリア1は草食竜がいることが多く、虫なども採取できる。
エリア2は小型の肉食竜や巨大な虫が陣取っていることが多い。
といった風に。
だが、今回は少しばかり勝手が違っていた。
(ランポスがいない)
ランポスとは小型の肉食竜のことであり、いつも群れを成してエリア2にいる。
それが今回はいないのだ。
たまたまだと言ってしまえばそれまでだが、カズは確かな違和感を感じていた。
(ランポスどころじゃない……何も、いない)
向かって左側にある高台。
そこに生き物の気配がない。
右側は崖になっているから、この広場にはカズを除いて生き物がいないということになる。
「おかしいなんてレベルじゃない。これはやばいかも」
カズは上位クラスの飛竜が出たという話を思い出す。
その飛竜のせいでこの広場から生き物が逃げ出したというのであれば、飛竜は近くにいるということだ。
もし出遭ってしまえば恐らく生き延びることは出来ないだろう。
「とにかく進もう」
そう呟いてカズはエリア3の方向へと向かう。
ここからはエリア6にも向かうことができるが、エリア6は飛竜の巣となることが多いエリア5へと続くエリアなので行かない方がいいだろう。
それにエリア6は切り立った崖になっているのでブルファンゴはいない。
カズはエリア3へと続く崖沿いの細い道を恐る恐る歩いていく。
「ここも何にもいない」
崖沿いの道を抜け、道が広くなったところでカズは立ち止まった。
やはりおかしい。
相変わらず右側は崖だが、ここのエリアはちょっとした草原になっていて普段なら何かしら生物がいる。
草食竜アプトノス、肉食竜ランポス、草食動物ケルビ。
これらの生物は余程のことがない限りここからいなくなることはない。
だというのに今カズがいる草原には何もいなかった。
エリア3は2つの草原を細い道でつなげたようなエリアで、カズにはもう1つの草原の様子までは分からないが恐らくそこには何もいないはずだ。
上を見上げてみようと辺りを見回してみようと、鳥の一匹すらいない。
(このままここにいるのは不味いかな)
そう思いカズは小走りで進んでいく。
向かう先は森の中、地図上では「10」と記された場所。
そこは飛竜の水飲み場でもあるが空が開けているここよりはましだろう。
細い道を通る途中、左に曲がる道があったが行きはしなかった。
あの道はエリア5へと続く道なので行かないほうがいい。
そうしてもう1つの草原を抜け、小さな洞窟を通って森の中へと出た。
先ほどとは違って生い茂る木々。
(よく見えないな……)
そのせいでそこは昼間だというのに薄暗い。
目を凝らしてエリアの入り口から状況を確認する。
右は湖、左には小さい木が集まったブッシュ、そして正面にはどこまで続くかも分からない森。
そのどこにも生き物の姿は見当たらない。
が、今までとは違う“気配”があることにカズは気づいていた。
いるとすれば左のブッシュの中か。
息を潜めて待っているのかただ単にこちらに気づいていないだけなのかは分からないが、用心するに越したことはない。
プリズンハンマーの柄に手をかけ、極力音を立てないように広場の中へと進んでいく。
そして、完全に体が広場に出て身を隠すものがなくなってからカズは走った。
湖のほとりの周りに何もない場所へと。
「さあ、来るならこい…!」
カズはプリズンハンマーを構え臨戦態勢をとる。
湖を背にして視線はブッシュの方に向ける。
どうやら、気づいていないだけかもしれない、という当ては外れたらしい。
何かがいる気配は確かにある。
それも向かい合っているブッシュの中に。
敵はブッシュの中からこちらの様子を窺っているらしい。
こうなってしまうと相手が動かないとどうしようもない。
視界の悪いブッシュの中に入っていくわけにはいかないし、どこから敵が襲ってくるか分からないのに逃げ出すのは危険だ。
(持久戦になりそうだなあ)
なんてことを考えて少し気が緩んだとき
「ブフォォォォン!」
獣の、間違いなくブルファンゴのものである鳴き声が聞こえた。
「そっち!?」
カズは驚いて鳴き声のした方を振り返る。
位置的にはカズの右後ろ、湖のほとりを歩けばたどり着くエリア11へと向かう道に1頭のブルファンゴがいた。
だがカズにとってこの行動は失敗だった。
振り向いた直後今度は後ろとなったブッシュからガサリ、という音が聞こえたのだ。
(まさか、陽動!?)
ハッとしたカズは振り向きざまにプリズンハンマーを体の前に構えた。
「ぐっ!」
直後、ブルファンゴの突進をくらってカズは吹き飛ばされる。
衝撃はほとんど殺せなかったが、ブルファンゴの鋭い角による致命傷だけは格子状のプリズンハンマーが防いでくれた。
(くそっ、ミスった……)
吹き飛ばされ、湖の浅瀬を転がっていく。
一瞬だけ気を失いそうになったが湖の冷たい水で目が覚めた。
「う、ああぁぁぁぁ!!」
こんなところで終わってたまるか。
カズは自らが転がる力を上手く使い起き上がりながら右手だけでプリズンハンマーを横なぎに振るう。
遠心力の加算されたハンマーは、先ほどの突進の後さらなる追撃に来たブルファンゴの頭に当たりいとも簡単にその頭蓋を砕いた。
頭蓋を砕かれたブルファンゴは断末魔すらあげずその場に横たわる。
「はぁ、はぁ…あれが、ドスファンゴ………」
整わない息のまま、濡れた髪もそのままに正面のブッシュを見据える。
そこには周りのブルファンゴよりも遥かにでかい体躯と角を誇る“猪の長”がいた。
「どっちに行ったんだろうか」
むう、と手を組んでエリア3の奥の方の草原でシュウは唸る。
ここまでは足跡だの何だのを追ってきたのだが、いかんせんこのエリアの草原は少し草が深いのでどちらに行ったかが分からなくなってしまった。
どちらに行ったのかというのはエリア9と10のことである。
エリア3からの道が少ないならよかったのだが、ここからは実に4つの場所へと行ける。
その4つの中からカズが選んだであろう道を推測する。
先ほど通ってきたエリア2、エリア5へと続くエリア4、森の中へと続くエリア9と10。
この4つの道のうち2と4へと行く道は除外できる。
引き返すはずはないし飛竜の目撃情報があるのに巣へと向かうほど馬鹿じゃないだろうし。
「どうしたものか」
もう完全な2択でしかないのだが外してしまうと探すのが面倒になる。
ふと、何気なく空を見つめた。
目にかかる前髪越しに見た空は、まるで無感動な青い世界。
もちろんシュウも異常は感じていた。
虫は鳴いていないし鳥は飛んでいない。
(飛竜の話、マジかもな)
空を睨みつけながら考える。
生き物のいない草原、広場、空はすぐ近くにある危険を物語っている。
全ての生き物が逃げ出すほどの危険なんてそれこそ飛竜が近くにいるぐらいしか考えられない。
「――――ぁぁぁぁ!」
「ん? 今のは…湖の方からだ」
シュウが空を睨んでいる時、遠くから人の声が聞こえた。
声が聞こえてきた方向を瞬時に突き止めるとシュウは走り出す。
あの声はカズの声だ。
ハンターであるカズがここまで聞こえるような声を出すということは恐らく戦闘中なのだろう。
断末魔じゃないといいけど、なんてことを考えながら小さな洞窟へと入っていく。
その手には赤い剣が握られていた。
――――濡れた体が重い。
でも今はそんなことを気にしている余裕はない。
ドスファンゴが出てきた今、気を抜けば待っているのは死という結果だけだ。
「あと6頭か……きついかも」
ドスファンゴとその左右に2頭。
それとさっき陽動役だったブルファンゴが右側に1頭。
ほとんど囲まれてしまっているこの状況ではおそらく逃げることなど出来ないだろう。
道具を使おうにもブルファンゴに効果があるような道具は持ってきていない。
ならば戦うだけだ。
カズは覚悟を決めるとプリズンハンマーの柄を強く握り締めた。
それを待っていたかのようにブルファンゴ達が一斉に蹄で地面を蹴り始める。
ドスファンゴは動かない。
恐らくドスファンゴはブルファンゴに指示を出す役なのだろう。
ただ突っ込むだけのブルファンゴも司令塔がいれば群れの強さは桁違いだ。
こうなっては成す術もなく殺されるかもしれないが、諦めることだけはしたくなかった。
(こんなところで死ねないよ)
諦めることを知らないが故にその瞳は強く。
走り出したブルファンゴ達を決して逃しはしない。
「はあっ!」
ハンマーごと体を右に回転させ、正面から突っ込んできていた先頭のブルファンゴに鉄の塊を叩き込む。
「ブフォォォン…………」
そのブルファンゴの断末魔を聞きながら、カズはハンマーの勢いに身を任せて右の方へと体を動かす。
するとカズがつい1秒前までいた場所に正面と右側から2頭のブルファンゴが突っ込んだ。
ここだ、とカズは体勢を立て直し2頭めがけて思い切りハンマーを振り下ろす。
「ブフォッ!」
ハンマーが奏でる重々しい音と共に1頭が湖の浅瀬に沈んだ。
それと同時に冷たい水が周りに跳ね上がり、雨となって降り注ぐ。
「あと、4頭!」
両肩で息をしながらハンマーの柄を握りなおす。
どうやら最初の攻撃は3頭だけだったようだ。
2頭のうち残った1頭は一度ドスファンゴの元まで下がって体勢を立て直そうとしている。
3頭での攻撃を避けられただけでなく2頭をやられたのだ。
警戒しているのだろう。
このままいけば勝てるかもしれない――――。
相手がドスファンゴ1頭ならいくらでも戦いようはある。
だから、とにかく相手の数を減らさないと。
そんなことをカズは考えていた。
だが、ブルファンゴの群れと対峙するカズの目に信じられない光景が飛び込んできた。
「あれは、まさか……そんな」
ブルファンゴの群れの後方、森の奥の方。
そこに青い体躯の肉食竜が数匹いた。
ランポス。
鋭い牙と爪を持ち、群れで行動するトカゲのような小型の肉食竜。
恐らく騒ぎを聞きつけて現れたのであろうが、カズにとってその10匹程度のランポスたちは絶望的な存在だった。
1匹1匹は怖くない。
ただ今の状況では脅威以外の何者でもなく、ブルファンゴと共に襲い掛かられたら1分ともたないだろう。
この時初めてカズの瞳に諦めの色が浮かんだ。
状況的に仕方のないことかもしれない。
(多分、逃げることもできない)
自分の位置を確認する。
湖を左後方に置いてブルファンゴは正面、ランポスは奥の方に広がっている。
気がつくと完全に囲まれてしまっていた。
逃げようにも他のエリアへと続く道はブルファンゴとランポスで塞がれている。
一応後ろにエリア11へと続く道があるが、そこに行ったところで先は行き止まりだ。
追ってこられたらどうしようもない。
「ここまでなのかな」
ため息をつく。
胸の中には、なんでこの依頼を受けたんだろう、という後悔。
あとはどうして俺が、という想いだけ。
まだやるべきことを残していたはずなのに。
少年は、生きることを諦めた。
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