The delusion world

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保管用・クロスオーバー



「二人とも。準備はいいー?」
 空気の淀んだ地下室の中、赤い少女が声を発した。
 赤い少女、というのは単に『赤』のイメージがあるだけで実際に赤い服を着ているわけではない。いや、先ほど「寒いから」と言って羽織った茶色いコートの下はいつもの赤いセーターに黒のミニスカートを着ているのだが、兎に角、今現在彼女を見て「赤い」と言う奴はいないだろう。
「こっちはOKだぞ、遠坂」
 準備完了の意を告げる。吐かれた息が白く染まり、次第に空気に溶けていく。その残滓すらも溶けてしまった時、
「リン。こちらも大丈夫です」
 冷えた空間に、鈴を思わせるような澄んだ声が響いた。



2009/01/01 現在

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