プルさんの気まぐれ日誌

プルさんの気まぐれ日誌

独り言(2):長所を伸ばす


 ここでは、身体の小さなA君がタックルで自信をつけ、正選手として周りからも信頼されるまでに至った例を紹介しましょう。
 A君は、小学3年生からラグビーを始めました。小さな、そして少しひねくれ屋さんでした。足は遅く、パスやキックも下手で、当時のチームでは、他の選手から見劣りするレベルでした。1年間はラグビーというスポーツを覚えてもらおうと決めて指導しましたが、なかなか上手くならない。その一方で、彼自身がタックル(相手に首と肩の部分をぶつけて相手を倒す手段であり、ラグビーでは、最も勇気のいるプレイと言われて)で自分よりも大きく強い相手を倒すことは全く苦にせず、タックル練習をするときは眼を輝かせ楽しんで練習していました。
 彼が4年生のある時、メンバーの前で一番強い選手を相手にタックルをさせたところ、一発で相手の選手を倒しました。私は、間髪をいれずに「ナイスタックルだ、B君を一発で倒すなんて凄いな!」と言いました。それ以降、彼は、紅白戦やタックル練習で自信を持ってプレーするようになりました。また、他の苦手なプレイも精力的に練習し、周りの選手からも認められ始めました。そして、5年生でレギュラーとなり、6年生の県大会では、試合では敗れたものの、強豪のチーム相手に、目の覚めるような「ナイスタックル」を連発しました。彼の活躍は、コーチだけでなく、周りの選手からも評価されました。ひとつプレーが得意になる、好きになる、その結果が全体のスキルを高め、またラグビーというスポーツを勉強し、上達する。そのような循環がスポーツだけでなく、人生にとっても大切なのだと感じたしだいです。

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