2003.01.29
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18時30分に退社した。

自転車が倒れていた。今日は風の強い日だったからかもしれない。
引き起こして、鍵を外しライトを点けた。一段と冷え込んでいる。
クルマに注意しながら、漕ぎ出した。
まもなく後輪から、かくん、かくん、という不自然な感触がした。
パンクだ。
すぐに自転車を停めて下りた。後輪を触ってみると、やはり空気が
入っていなかった。パンクの原因を調べていると、空気を注入する

誰かのいたずらか、とも思ったが、自転車を停めていた場所に戻り
栓の先を探したら、見つかった。
自転車が風で倒れたときに、折れたのかもしれない。あるいは誰か
がいたずらでわざと折って、それでバランスを崩した自転車が風に
煽られて倒れたのかもしれないが、いずれにしても、どうすることも
できない。
問題はパンクした自転車を、どうするかだ。

パンク修理のための道具は持っていない。
この場合、換えのチューブと、ポンプとタイヤを外す工具が必要だ。
しかし半年に1回あるかないかのパンクのために、修理セットを
持ち歩きたくはない。

修理セットを持ってきて明日改めて交換する方法と、自転車を引いて
歩いて帰るか、途中に自転車屋があれば、修理してもらうという方法だ。
オレは、歩いて帰ることにした。
自転車屋ぐらい、見つかるだろう。
しかし歩けども歩けども、街の自転車屋は見つからなかった。

20分かかった。護国寺から東池袋へ向かって歩いているところで、
もう自転車屋を探すのは諦めた。
池袋に、「ギャラクシー」というスポーツサイクル専門店があるからだ。
歩いて身体は暖まっているが、手だけは、手袋をしているとはいえ
この寒さのなか、かじかんで凍傷にもなりそうな勢いだ。指が壊死して
切断しなければならないハメになったら、仕事できないな、などという
妄想を浮かべながら、池袋ギャラクシーへ着いた。ここまで、1時間。
店先には、スタイリッシュな自転車が並んでいる。
自転車を停め、中に入り、店員へ向かっていった。
「あの、パンクしたんですけど」
すると店員はすかさず言った。
「うちパンク修理やってないんですよ。申し訳ない」
ギャラクシーを後にした。残念だが、仕方がない。
しかしここまできたらあとは家まで歩いて30分。
歩くことに決めた。
池袋のネオンの中を、自転車を引きながら歩いた。
ギャングやサラリーマンやカラオケの客引きや普通のカップル。
池袋には、いろんな人種がいる。オレは自転車を引きながら歩いている。
そしてようやく家に着いた。要町。
ほどよい疲労感が身体を襲ってきたが、オレにはもう一つ仕事が残って
いる。チューブ交換だ。





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最終更新日  2003.01.30 10:11:08
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