ある夏の夜の思い出




君と手をつなごう


満開の星空の下で


あの夜覚えていることは


君の横顔と手のぬくもりだけ




君と手をつなごう


燃える炎が見守る前で


あの夜覚えていることは


たった30秒の幸せだけ






僕らは外側と内側に円を描き、音楽がなり始める。


頭の中は君でいっぱい。


「手、冷たいね」女子が僕に尋ねる。


心臓はいつも以上に働いているのだけれども。



ダンスが進み、僕の頭は混乱状態。


勝手に口が動き出し前の男子に何度も声をかける。


急に多弁になる僕のすぐ後ろには


静かに踊る、君がいる。



差し伸べた手に触れる指。


炎に映し出された影しか見れない意気地なし。


その時何を考え、何を思ったのか覚えていない。


ただ残っているものは、言葉にはできない感情と、変化なく流れる音楽。



ポップシンガーが歌う「息もできない」っていうのは本当のこと。


「僕の隣に君がいる」ただそれだけのことなのに


僕にとってはそれが全てだった。


僕の隣に君が、いる。



永遠の30秒は一瞬の30秒であり


君の手は僕の手を離れる。


余韻と寂しさが心を埋め尽くし


周りの雑音が僕の耳に届くようになる。



1週しないうちに音楽が終わってしまい、教師がもう1回かけなおす。


ダンスは2週目に入り、また君が近づいてくる。


気まぐれな神様は僕を好きではないようで


音楽は止まり、女子と男子の間に溝ができる。






夏の夜空に花火が上がる


大きく綺麗な花火より


その夜僕が見てたのは


明るい花火に照らされる、君のまぶしい横顔だけ













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