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脅威のネブトハンター(2010.2.28)




釣り師:今度の日曜に釣り行こうと思ったんだけどさぁ~、風が強くて駄目なんだよねぇ~

私:それは残念Deathね

釣り師:それで、暇だから一緒に駄菓子屋行かない?

私:・・・(駄菓子って・・・年いくつだよ)

私:その駄菓子屋は何処にあるんです??

釣り師:●●駅の近くなんだけど、知ってる?

私:遠っ!!4つ隣の街だし!

釣り師:そこ問屋だから一度行ってみたいんだよねぇ~

私:まあ行ってもいいんですけど~、天気良かったらついでにネブト捕りに行きません?

釣り師:ネブト?何それ、クワガタ?

私:クワガタですよ~。前、島に行った時見せたでしょう?

釣り師:そうだっけ?覚えてない

私:その駄菓子屋から少しの所で捕れるんですよ。新ポイントも開拓したいし・・・。

釣り師:ふーん。別にいいけど。

私:じゃあ準備しておくので・・・


 そして2月28日朝。天気は雨。
あーこれは虫捕り中止かな・・・と諦めていましたが、約束の午前10時には天気に。

 目的地(駄菓子屋)までは数十分掛かるので、前日起きたチリ地震の話をしていると、釣り師が「イタシャ!イタシャ!」と大声で叫び出しました。
突然の事だったので何か悪い電波でも受信したのかと思いましたが、どうも後ろを走っている車がいわゆる痛車だったようで。
釣り師さんは「あれ、何の絵?何の絵!?」とはしゃいで私に聞いてくるのですが、こっちに聞くなよ・・・って感じです。
 仕方なくサイドミラーをチラ見しますが、色が付いている以外全然分かりません。
「車間が広くてミエネーヨ」と答えると、「それならば・・・」と減速していましたが、今度は近すぎて見えません。
「見えないので残念でしたねー」と言うと、「これならどうだ!!」と今度は車線変更してターゲットと並走してきました。
 そこまでするか・・・と内心思いましたが、お陰でよく見えますね。
「あー・・・これは・・・・・・虫の為にデジカメ持って来ましたけど、写真撮ります?」と聞いてみると、「撮って撮ってぇ~!」とまだはしゃいでいるのでこっそり撮影。
この辺では珍しいです

あ、残念ながらブログの趣旨に反するので写真には二重でモザイク掛けました。
情けで車体に書いてある文字を平仮名でここに書こうかと思いましたが、色だけでも分かってしまいそうなので止めておきましょう。

 おっと、こんなところで無駄話を書いてしまったのでこの後は一部省略させて頂きます。
ちびっこに混じって駄菓子を選んで大人買いした話なんてどうでもいいんですよ!

 行こうと思っていた林は駐車場から離れているので、1kmほどお散歩です。
「おやつは300円までですよ」と冗談を言いながら目的地に向かっていると、住宅地のど真ん中に小さな竹薮を発見!
「え?こんな所にクワガタいるの?」と釣り師が聞いてくるので、「そんなの常識っすよ~」と適当な事を言いながら突入。
しかし落ちている材は殆ど無く、朝まで降っていた雨で湿っているだけという感じだったので、直ぐに竹薮から出ました。無言で。

 目的地の林は細い道路が1本通っており、木も疎らで歩きやすそうです。
持ってきた鉈を渡し、自分はナイフで武装して林の中へ。
「こんな感じの赤く朽ちた木にですね・・・」と説明しながら適当に割ってみますが、ネブトは出ず。
しばらくしてコクワの♀成虫を割り出しましたが、見慣れたコクワでは反応がありませんでした。
連れてきておいてネブトが捕れないのは恥ずかしいので、3年前に沢山捕れた場所へ移動する事にしました。
当時の日記はこちら


 駐車場とは逆方向ですが、ここなら確実に捕れる!っと思っていたのにそこには材があまり見当たらず・・・。
まさかココでコクワの幼虫2匹しか出ないとはっ!!
 釣り師よりも私のほうが落ち込んでしまいました。

 もう諦めて帰ろうかと思いましたが、釣り師の方がやる気だったので、駄目元で別な林へ行く事にしました。
そこは私が初めてネブトを採集した場所ですが、過去に2度行って毎回10匹程度しか捕れなかったような・・・。
あまりやる気が出ませんが、せめて幼虫ぐらい出さないと・・・と急いでポイントがある林へ。

 「もう直ぐ竹の生えてる場所があるので、その辺で捕れます」程度の説明をして、急いでネブト探しを始めました。
3つ目ぐらいに見つけた松を掘ると、初齢ながらもネブトの幼虫が!
あ~良かった~。と思いながら、目印にナイフを立てて釣り師を呼びに行きます。
 すると釣り師の方は、竹の真横に倒れている材を眺めていました。
「この木ってどうなの?」と聞いてきたので、「まあ、いいんじゃないですかね・・・」と言いながら私が適当に掘ってみると、直ぐにネブトの幼虫が出てきました。
「あ、これネブトですよ!」と声を上げて見せると、「へぇ~!これがネブトね~」と幼虫の観察をしていました。
 頭が白っぽく、体も透明なのでコクワとの差は分かるようです。
1匹出たのでそこから慎重に掘っていくと、幼虫が出るわ出るわ。
程なくして♂成虫も出てきました。
一応大歯?

 ネブトは小型ながらも内歯があり、見慣れない種類ということで釣り師の方は手に取って喜んでいます。
この辺から2人共同で掘っていましたが、材の底部なら何処を掘っても出るような状態でした。
粉砕!

しばらくして材の乾燥した部分をひっくり返したところ、繭玉が出てきたので慎重に割ってみました。
すると中には大歯が!
菌糸に負けず・・・

 初めて見る大歯を真剣に見ている釣り師に、言い忘れていた事を告げました。
「そういえばネブトは繭玉作るんで~、繭玉割ると成虫が出ますよ~」
それを聞いた釣り師は、「マジで!?」と言って1分もしないうちに繭玉を掘り当てました。
運が良い事にそれも大歯。自分で見つけたという事で本人は凄い喜んでいます。
 その後、繭玉ラッシュを引き当てていた釣り師のツキは止まらず、突然「うわっ!」と声をあげました。
どうせハチでも出たのだろうと思いましたが、「ねえ!これ!」と差し出してきた釣り師の手には、見たことも無いサイズのネブトが!!!!
これでも大きいんですよ・・・
全然伝わらねぇ・・・顎拡大

 「でけぇ!!!!!!!!」

 思わず大声をあげてしまいました。
小さいネブトに目が慣れていた2人には巨大な生物に見えます。
「鳥肌が立った・・・」と言ってる釣り師は私よりも衝撃を受けたようです。
(帰ってから計ると28ミリでした)
 こちらも何とか特大個体を出そうと頑張りましたが、飛びぬけたサイズは出ず。
日が傾いてきたので、1,2齢幼虫を全て埋め戻して帰路に着きました。
 帰り道での話題は当然ネブトの事でしたが、今回はかなり楽しんでくれたようです。
採集した成虫は沢山いたので、「何匹か持って帰ってもいいですよ」と言ってみましたが、「いらない!」と即答されてしまいました。

 釣り師は自称、釣りが趣味ですが、釣果を聞いても毎回しょぼい小魚ばかり。
一方虫捕りでは今回のように当たり材を見つけたり、河川敷では大きなヒラタを見つけたりと、かなりの才能を発揮しています。
もう釣れないんだから釣り辞めればいいのに・・・といつも思うのですが、そんな事口が裂けても言えないのでした。

 今回最後に行ったポイントでは1時間ほど採集しましたが、2人で100匹以上掘り出したと思います。
数を数えずに持ち帰ったため、成虫だけで19♂10♀もありました。
捕り過ぎてしまったと反省するばかりです・・・。
来年の冬もあの近辺に採集へ行くでしょうが、その時は別な林でポイント探しをしたいと思います。
脅威のネブトハンターを連れて・・・

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