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昨今よく物忘れして家の中をうろつく。
そんなとき少し前なら必ず 「ボケるな!」と主人の声・・・。
ところがその主人が自分で 「参ったなァ!忘れたゾー・・・」 と呟いている。そのせいか私にぼろくそに言わなくなった。
その昔 母のある事件を思い出す。(母は私の今の年に亡くなったが)母は和裁が得意であった。当時私もよく和服を着たので いつも母が縫ってくれていた。
晩年その母が縫物をしていて「こて」(和裁用アイロン)で畳を焦がした。台に置かずにじかに置いたのだ。その事件後時々失敗はしていたが 気に掛けずにいたら私の長襦袢を截つとき裁断を間違えた。母にしたら考えられないような思い違いであったようだ。(何とか胴で継いで仕上げたが)
以後縫物はいくら頼んでもしなくなった。
母の父親は 「芸は身をたすくる」 と言って手の器用な母に嫁入りに大小の裁ちばさみを持たせてくれていた。それも名の通った鍛冶屋に打たせて。母は大切にしていて私には貸してもくれなかった。
そのはさみの一つが庭に折れて捨ててあった。私がびっくりして尋ねると 「もういらないから 草取りに使ったら折れた。」と言うではないか。 私にはどうしてもその行為が解せなかった。あれほど大切にしていたものを・・・と。
それがこの年になってやっと分かった。
母の自分に対する不甲斐無さと無念さが・・・・。
年とともに以前出来たことができなくなる・・覚えたはずが忘れている・・・。
自分に腹が立つやら情けないやらの毎日である。
このところ 時間があればパソコンを触っているのに少しもはかどらない。
しかしここで投げ出しては・・・・と しばし思い返してブログに向かう・・・・・。
(イラストはエレメンツで加工)