こしゃくな読書

こしゃくな読書

鉄道員(ぽっぽや)浅田 次郎


価格:¥ 1,575(定価:¥ 1,575)
http://www.amazon.co.jp/dp/4087742628/ref=nosim/?tag=donzoko-22




「しっかり見とけ、あれが本当のポッポやだべや。

制服脱いでターミナルビルの役員に収まるような、

はんかくさいJRの駅長とは格がちがうべ」

「はあ・・・なんか俺、見てて泣かさるもね」

 気持ちよく泣けるのは、強くてやさしくて、不器用で、

そして、しんどいからです。

ただ、まっすぐ前を見て、背筋伸ばして、しんどい仕事にしんどい人生。

「カッコいいな、ちくしょう」

と、鼻水すすりながらつぶやきましょう。

 人に話せない含蓄が鈍い光を放ち、重みを背負って立つ男が

かっこよくないワケがありません。

「立ち姿 だけで人を泣かせる男」日本一でしょう。

 地味な物語です。しかし、浅田次郎の魅力あふれる物語です。

随所にこの作者ならではの、心を揺さぶる仕掛けがあります。

わかっていながら「やられて」しまいます。

 映画にもなったのでご存知の方も多いとは思いますが、中には

原作を読まずに

「映画を見たからいい。」

とおっしゃる方がいらっしゃいます。

なんというもったいないことを!・・・と思わずにいられません。

浅田次郎ならではの文脈のつながりには、

映画にはありえない見事な面白みが隠されているのです。

ストーリーだけではないのです。ポッポやの良さは。

 ある程度まで読むと、その用意周到なやり方にびっくりします。< br>
「あ〜〜〜〜!こうきたか!」

そうかと思えば、「来るぞ、来るぞ」と期待させ、見事に期待を

良いほうに裏切ってくれたり。

文章というものは、見事に想像力を刺激するものだな、と、

浅田次郎節が教えてくれるのです。

 「鉄道員」は短編集です。ポッポに続く7つの物語も、

心に響く名作ばかり。あなたはどの物語にヤラレテしまうのでしょうか。

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