こしゃくな読書

こしゃくな読書

月の砂漠をさばさばと北村 薫


価格:(定価:¥ 1,470)
http://www.amazon.co.jp/dp/4104066036/ref=nosim/?tag=donzoko-22


可愛いお母さん、もっと可愛いさきちゃん。

楽しいけど、ちょっと切ない。

あたたかいけど、ちょっとさみしい。

北村さんは

「いわゆる縦の関係ではなく横並びでチームを組む」母と子の、

「自分のいつか歩いた道を通って来る友達の
 哀しみやおびえや喜びを見つめる目と、
 見つめられる小さなさきちゃんを書いてみたい」

と思ったんだそうです。

でも、「お母さんとお子さんでチームを作っている方」って、
案外多いと思いませんか?

お父さん不在という状態は、戸籍の上だけの話でないなら、
今の日本にはたくさんあると思います。

だから、作者が意図した以上に、多くの女性と子供たち…そして、
「ちょっとさみしかった」子供時代の経験をもつ人に、
支持されてしまう物語でしょう。

実は私、おーなり由子さんの大ファンで、
この本も一目見て、おーなりさんの絵だったので、
なんの疑いもなく、おーなりさんの新刊だと思ったまま
読み終えようとしていたのでした。

そうしたら、巻末近くに北村さんの
「さきちゃんとお母さんのこと」という記述があって、

初めて、北村薫の本だって気付いたのです。

北村薫さんという方が大好きになりました。

しかもさらなる勘違いは…
つい最近まで北村さんを女性だと信じて疑わなかった。

男性だと知ったときは、そりゃあもう!驚きました。

それほど丁寧でやさしい文体なのです。

たおやかでなめらかで、ふんわりしています。

「月のー砂漠をーさぁばーさばとー」

なんて、女性が気持ち良いツボを押さえているじゃありませんか。

母の気持ち、娘の気持ち、二人の関わりあいと

女性同志であるがゆえにすれ違い、分かり合う。

どうしてこんなに女性の心が分かるのだ?

でもね、おかげさまで少し分かったのは…

オトコだのオンナだのって言ってもさ、
「さみしい」や「うれしい」にそんなに変わりがあるわけじゃなし…

ってことですよね。

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