こしゃくな読書

こしゃくな読書

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丹葉 暁弥 , ひすい こたろう (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4091046525/ref=nosim/?tag=donzoko-22







「にゃあ〜」


自転車小屋に自転車を止めるとどこからともなく走ってくる。

がっしりとした体格、毛並みもいい、でかくて愛想もいい。


ノラには見えない。

もしノラだとしても、エサには不自由していないだろう。



 なぜ、人が来るとダッシュで近寄るのか?

それは、彼の(彼女の?)行動を見れば分かる。


私の足元に寝転ぶと仰向けになって腹を見せ、

「な〜ご」と足に顔をすり寄せる。


撫でてほしいのか?

なでると、ゴロゴロとのどを鳴らし、もっとくっついてくる。



「ハグしてほしいんだね」

と撫でながら、思わず笑った。



「ごめんねえ、帰るよ。またねえ」

そう言って立ち上がると、追いかけてはこない。

「にゃあ〜」

とは、またね〜と言っているのだろうか。




 猫にこういう行動があるのだから、

愛情や友情が人間だけのものとは到底思えない。


実際、うちのうさぎは家族と客人で、明らかに対応を変える。


何度も会っている孫たちには、家族同様の親しさを示す。


計画性はないかもしれないが、記憶はしっかりと持っている。



 それでも、この本を手にした時、私は本当に驚いた。

白クマが犬とじゃれあい、ハグしているのである。


白クマって、相当獰猛な肉食獣だよね?


夢中でページをめくり、夢中で涙をこぼし、夢中で読み直し、

夢中で嗚咽をかみしめ、また最初から。




泣きながら写真集を見ている母親にあきれたのか、次女が

「ほら」

と、台拭きを差し出した。

「おひ、これ、台拭きじゃねえか、ヒック」

「なんだ、まだ結構、冷静だな」

「みてよ、これ〜!」



2ページほど見ていた次女だが、

「後で借りるから置いておいて」

と背中を向けた。




私には分かる。

へへへ、あいつ、涙を見られたくなかったんだぜ。



 白クマは生後2〜3年で独り立ちして、その後はひとりで生きていく。

海に氷がはらないと主食のアザラシを採りに行けないから

春、夏の半年間はほぼ絶食状態になる。



そんなお腹をすかせた白クマが本当につらかったのは、

空腹よりも孤独だったなんて。

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