こしゃくな読書

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九つの、物語 (集英社文庫) [文庫] 橋本 紡 (著)


橋本 紡 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4087466655/ref=nosim/?tag=donzoko-22





 ずっと返事を出したいと思っていたら、

このタイミングでこういう本が現れたので、

お返事の代わりに本のおすすめです。

すこしでも私の思いがあなたに伝わればいいな、

と思いながら書いています。




 きっと、

心の危うさなんて誰でも持っているものです。

そして、あなたが頼りにしているこのあたしだって、

幽霊じゃないなんて、どうして言いきれる?

実態なんて、スケルトンのプールバッグとそう違わないかも。



 あなたのような真面目な人から見たら

私はそうとうふざけた人間にうつるかもしれない。

でも、あたしにもちゃんと分かっていることがあるの。

深刻になりすぎることの無意味さ。

それを知ったのは、まだランドセルを背負っていたころでした。



 辛くて、悲しくて、どうしようもないからといって、

子どもは自殺するのではないよ。

自傷行為や自殺は、一種の復讐だと思います。

私には恩返ししたい人はいても、

復讐したい人はいなかったので生きるしかありませんでした。

だから、笑うしかなかっただけです。



 この本に、私のようなふざけた幽霊が出てくるので、

読んでみませんか。




 そしてもうひとつのおすすめポイント。



体って、大切だと思いませんか?

彼の唇が触れると、もっともっと愛しくなりませんか?

彼のことも、自分のことも。


 この本には、自分以外の誰かに揺り動かされることの幸せと

誰かと手をつなぐことの喜びを、

じんわりじんわり教えてくれる箇所が、いくつもあります。

実感したことのある・・・私は、はるか昔だけれど(笑)

あのあたたかさが髪の毛の先まで広がってくるような気がします。





 そして登場人物は

「食べさせることは、命を与えることに等しいんだ。」

を地で行っています。



色鮮やかな泉鏡花の物語の世界のお共にトマトスパゲティ。

にんにくは包丁のはらでぎゅっと押しつぶすのがコツなのです。

太宰治のあの短すぎる短編にはローストチキンのグレイビーソース。

ただ焼いただけなのに、おいしいいんです。





 どうか、これからも食べさせる側の人間でいられますように、

と祈らずにはいられませんでした。

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