こしゃくな読書

こしゃくな読書

日輪の遺産


浅田 次郎 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4062635518/ref=nosim/?tag=donzoko-22






 本日は朝から夕方5時まで、ずっと本を読むこと10時間。

疲れるどころか、読むほどにパワーがわいてきた。

「私、働くのに向いていないみたい。家事も仕事も雑用も。」

というけだし名言を吐いた親友がいたが、私の場合、こうだ。


私、読書、向いてるみたい。小説も自叙伝も実用書も。


特に、この小説にはゆうに8時間もかけた。

やめられないんだから、しょうがない。

おかげで、連休の2日目は

夜の焼肉用に野菜を切った以外の家事らしいことは、していない。


親友にしろ、私にしろ、なんて幸せな主婦、と、不幸な家族。





 それにしても、浅田次郎という人は、なんという作家だろう。

一緒にチャイコフスキーを聞きに行った13歳の娘さんが

第六番「悲愴」を聞いたときにつぶやいた、

「どうしようもない終わり方ね」という嘆きを

物語にしようと思いついたというのだから。


 しかも、どうしようもなくないし。

「だいじょうぶだ。なにもこわがることはない」と

最後に諭された日にゃ、私などは、拳を握り締めた。

どうしようもなく、どうしようもなくないし!

生きてやる!生きてやる!そんな悔しさがわいてきた。




 (南部鉄道というのはその昔、梨と石灰を運んでいたのか)とか、

(府中の欅並木って、そんなに昔からの由緒あるものなんだ)とか、

(大國魂神社!知ってる!知ってる!)などと興奮し、

立川や調布など、知っている場所が出てくる展開も面白かった。


日常的に見知っている土地がこういう歴史の舞台になっているのだ。


 和平とはなんぞや、『ペイオフ』って何?

改めて、言葉の意味を考えさせられた。いや、それだけじゃない。

人生の意味?生きることの意味?そう、命の意味。



『数え切れない人間が、自分の命に勝手な理由を付けられて死んでいった』

そのくだりはほんの3行だったけれど、読み終わるまで

私の心を締め付け続けた。


自分の命に『お国のため』とか『陛下のため』とか、

本当にそんな理由を付けられた時代があったのだ。



 生きてるだけで、まる儲けだな。

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